どれぐらい続ければいい?有酸素運動の効果を得られる時間

更新日:2016/12/15 公開日:2015/10/23

有酸素運動の基礎知識

有酸素運動は20分以上続けないと効果がないという話も聞きますが、これは本当でしょうか?また、どれぐらい続ければ効果が得られるのでしょうか。専門家監修のもと、有酸素運動の効果を得られる時間について解説します。

有酸素運動は20分以上継続して行うことで効果が得られるといわれていますが、実際のところはどうなのでしょうか。効果が得られる時間について解説します。

有酸素運動とは

体内に取り込んだ酸素を使って糖質や脂肪を燃焼させ、エネルギーを生み出します。負荷は軽度~中等度なので、長い時間の継続が可能なのが特徴です。代表的なものには、ウォーキングやジョギング、水泳、縄跳び、サイクリングなどがあります。深い呼吸で酸素を取り入れながら、ゆっくりエネルギーを燃やす運動です。

有酸素運動では下半身の大きな筋肉を使うため、血行がよくなって健康維持につながるほか、美肌やむくみ解消効果が期待できるともいわれています。

有酸素運動が体にもたらすメリット

酸素を取り込みながら体の中の糖や脂肪を燃焼させる有酸素運動が体にもたらす効果には、主に以下のものがあります。

・心肺機能の改善(心臓・呼吸筋の強化が期待)

・血管の柔軟性の改善(高血圧・冠動脈疾患の緩和が期待)

・脳への刺激(アイデアがひらめきやすくなるなど)

・骨の強化(骨粗鬆症の予防が期待)

・基礎代謝量の向上(新陳代謝が促進、ダイエット効果も期待)

・体脂肪の燃焼(血中のLDLコレステロール・中性脂肪の減少が期待)

・ストレスの緩和・発散(不安や抑うつ感の軽減などが期待)

有酸素運動というとダイエット目的で行う方も少なくないですが、上記のように健康維持のためにもぜひ行いたい運動なのです。

有酸素運動はダイエットに効果的!?

有酸素運動は、運動した分だけ体内の糖(炭水化物)と脂肪がエネルギーとして使われるので、蓄積された体脂肪の燃焼によるダイエット効果が得られます。

とはいえ、あまりにもラクすぎる運動では酸素を多く取り込めないため、脂肪は効率よく燃えません。反対に、きつすぎる運動でも疲労物質の乳酸が溜まって筋肉が動かせなくなり、運動の継続が困難になってしまいます。つまり、脂肪を効率よく燃焼させるには、適度な強度を保って運動を行うことが大切になります。それに関係してくるのが、心拍数です。

心拍数は、運動の強度に対応して上がります。つまり、心拍数が一定だと、運動強度も一定ということです。有酸素運動で効果的に脂肪を燃焼させるには、心拍数を一定にコントロールし、強度を一定に保つほうがよいとされています。

脂肪燃焼に最適な心拍数とは?

運動を行う際の最適な心拍数(目標心拍数)を求めるには、まず、この安静時心拍数と最大心拍数を知る必要があります。最大心拍数は、以下の式で求められます。

最大心拍数=220-年齢

次に、有酸素運動を行う際に保つべき目標心拍数を計算してみましょう。目標心拍数は、以下の式で求められます。

目標心拍数=(最大心拍数-安静時心拍数)×0.4~0.6※+安静時心拍数

※数値に幅があるのは、体力によって違いがあるためです。これから始める方、体力がない方は0.4、減量や生活習慣病予防を目的とする場合は0.5、体力のある方は0.6の数値で計算しましょう。

上記の心拍数は「効率的に脂肪を燃焼する心拍数」です。これより低くても、有酸素運動を継続することで脂肪は燃焼されます。まずは、無理なく続けられる程度の運動から始めてみてください。

有酸素運動は健康の維持・増進に不可欠!

健康を維持・増進するためには、有酸素運動と筋力トレーニング、ストレッチが大切といわれています。中でも、有酸素運動は必要不可欠。それは、有酸素運動には肥満の解消、インシュリン感受性の亢進(こうしん)、骨の強化などの効果が見込めるためです。

主な有酸素運動には、ウォーキング、水泳、サイクリング、縄跳び、踏み台昇降運動などがありますが、運動をする時間をつくるのが難しい方もいらっしゃるでしょう。そのような方は、日常生活の中で簡単にでき、かつ上記の運動と同等の効果が見込める運動をとり入れてみましょう。

有酸素運動の効果を得られる時間は?

体に余ったエネルギーは脂肪細胞に蓄えられますが、貯蔵された脂肪が燃焼されるには脂肪分解酵素の「リパーゼ」が必要となります。リパーゼが脂肪を分解することで、初めてエネルギーとして燃焼されるのです。

リパーゼには、体温が低いと働きが鈍り、高すぎてもうまく働かないという性質があります。リパーゼをしっかり働かせるには、通常の体温から1℃~2℃ほど上がった状態(体感で言うと、だいたい体が少し汗ばむ程度)が最適です。一般的に、運動を開始してからおよそ20分後に体は汗ばんできて、リパーゼが活性化し始めるといわれます。20分後からは、続ければ続けるだけ体脂肪は燃やされます。有酸素運動は20分以上継続するとよいといわれるのは、このような理由によるものです。

20分以上続けなければ効果がない?

それでは、20分以上継続して行わなければ効果が得られないのかというと、必ずしもそういうわけではありません。運動の始めは糖がエネルギー源として使われ、脂肪が使われるまでには少々時間がかかるため、そのように誤解されがちですが、運動開始後は糖のみ、20分経過後は脂肪のみとはっきり分かれているわけではなく、運動開始直後でも脂肪は使われています。どのエネルギー源が使われるかは、時間だけでなく強度も関係してきます。強度が強い運動は糖質を多く使い、強度が弱くて長く続けられる運動は脂肪を多く使う傾向にあるとされています。

つまり、必ずしも20分続けなければならないわけではなく、5分や10分の運動を少しずつ細切れに行い、それを積み重ねていっても、脂肪をエネルギー源として燃焼することは可能なのです。

もっとも大切なのは、「時間」ではなく「日」の継続ということを知っておきましょう。運動は、3日以上中断すると効果がなくなるとされています。ウォーキングを毎日30分以上行うのと、60分以上を週3回行うのでは、同じ効果が得られるともいわれています。毎日の継続が難しくても、週3日以上を目安に続けると効果的でしょう。

自宅できる!踏み台昇降運動によるダイエット効果

踏み台を昇り降りするときに下半身の大きな筋肉を使うため、筋肉量が増えることから基礎代謝量がアップし、安静時の消費カロリーが向上します。主に股関節周辺や太もも、お尻の筋肉と、腹筋、背筋が鍛えられるため、シェイプアップ効果も期待できます。また、体幹の筋肉が鍛えられることで姿勢の矯正にもつながるため、ヒップや脚のラインが美しく整えられるだけでなく、むくみの改善効果も見込めます。もちろん、有酸素運動による脂肪燃焼効果もあります。

さらに、踏み台昇降運動を続けると肺活量が増えて心肺機能が向上するため、体が疲れにくくなり、より運動強度の高い有酸素運動につなげる入口にもなります。踏み台昇降運動で体を慣らしてから、ジョギングや水泳などにステップアップしていくと、さらに高いダイエット効果が期待できるでしょう。

運動には、大きく分けて有酸素運動と無酸素運動があります。ふたつの違いと、ダイエットに効果的な運動についてお伝えします。

有酸素運動とは

有酸素運動は、読んで字のごとく酸素を必要とする運動です。体内に取り込んだ酸素を使って糖質や脂肪を燃焼させ、エネルギーを生み出します。負荷は軽度~中等度なので、長い時間の継続が可能なのが特徴です。代表的なものには、ウォーキングやジョギング、水泳、縄跳び、サイクリングなどがあります。いずれも、深い呼吸で酸素を取り入れながら、ゆっくりエネルギーを燃やす運動です。

有酸素運動では下半身の大きな筋肉を使うため、血行がよくなって健康維持につながるほか、美肌やむくみ解消効果が期待できるともいわれています。

無酸素運動とは

無酸素運動は、酸素をほとんど必要としない運動です。とはいえ呼吸はしているので、まったくの無酸素になるというわけではありません。酸素を使って糖質や体脂肪からエネルギーを得る有酸素運動とは違い、糖質だけからエネルギーを生みだす割合が高いということです。

無酸素運動は短時間に強い力が必要となる運動で、筋肉に貯めておいたグリコーゲン(糖質)がエネルギーの主原料として使われます。瞬発力を求められる短距離走や筋力トレーニングなどが、これにあたります。

ダイエットには有酸素運動だけではダメ?

有酸素運動は、運動した分だけ体内の糖と脂肪がエネルギーの消費に使われます。そのため、有酸素運動だけでも溜まった脂肪を燃やすことによるダイエット効果はあると言えます。

ただし、注意したいのが、摂取したエネルギーを有酸素運動だけで消費するには、かなりの時間と労力がいるということです。また、基礎代謝量をアップさせる無酸素運動と違い、有酸素運動だけでは、基礎代謝量も上がらないため、運動をしていないときに余分なエネルギーを消費することもありません。

体を引き締め、基礎代謝も高める無酸素運動をプラスすることにより、より高いダイエット効果が期待できるのです。

プラス筋トレで高められるダイエット効果とは

有効なのは、無酸素運動である筋トレをプラスことです。筋肉は、安静時でも多くのエネルギーを消費しています。筋トレで、筋肉量を増やすことで、基礎代謝量もアップし、睡眠時や安静時など運動していないときでもエネルギーを消費できる、痩せやすい体をつくることができます。また、筋トレには、体重はさほど変わらなくても、体のシルエットをすっきりスマートに見せてくれる効果も期待できます。

有酸素運動に筋トレを組み合わせるときは、「筋トレ→有酸素運動」の順番で行うのがおすすめです。筋トレを行うことで、体の中では成長ホルモンが分泌されます。それによって脂肪が分解され、「遊離脂肪酸」へと変わることで、より燃焼されやすくなり、脂肪の燃焼効率がアップするのです。

ダイエット中の食事に関する情報は何を基準に判断すべきか

現代は人ゲノム解析が進み、人によって遺伝子の変異があり、体質にもかなり個人差があることが分かってきました。厚生労働省が提示する「日本人の食事摂取基準」も万人に当てはまらず、同じ食事をしていても太る人や逆に痩せてしまう人がいます。

1番大切なのは『ダイエット=痩せる』だけではなく、『ダイエット=健康で美しく1番パフォーマンスの良い状態を保てる』ということです。今では簡単に多項目の遺伝子検査をできるようになったので、興味のある方は一度肥満に関わる項目を入れた遺伝子検査を受けてみて、自分の体質を知ってみるのも良いでしょう。

ダイエットに良い1日の食事回数は?

基本は規則正しく1日に3回の食事が正しいと言えます。

例え生活のリズムが乱れてしまったとしても、一度早起きをして朝日をしっかりと目に取り込み、消化に優しい食事をとることで時計遺伝子はリセットされると言われています。

身体を作るたんぱく質、良質な脂質(魚油、オリーブオイル、ココナッツオイル、ナッツ)、野菜からのビタミン・ミネラルをしっかり取って、糖質量をコントロールすることのほうが、食事回数よりも非常に重要なのです。特に、夜遅い時間に糖質を摂ると膵臓からインスリンが分泌され、身体の体内時計とホルモンバランスが夜型にずれ込み、寝付きが悪くなったり、太りやすくなったりするので注意しましょう。

食事を抜く、食事の回数を減らす、一食の量を減らす、頻繁に断食することは他の意味合いはどうであれ、肥満の解消という観点からすれば全く関係ありません。関係ないどころか、頻繁に食事量を減らすことで筋肉の分解を促し、リバウンドをしてむしろ肥満を悪化させると言えるでしょう。今まではカロリーというエネルギーの計算によって食事量を調整することが一般的でしたが、現代では『カロリー神話』とも言われ、ひとつの目安にしかならないことになっています。

そのため摂取カロリーを気にするだけでなく、一食に摂り入れる糖質量を多くともこぶし大以下にすることが太らない目安になります。「身体を作る栄養素はしっかりとる」「エネルギー源である糖質量をコントロールする」という条件付きで、1日3回を規則的に食べることが基本となることを覚えておきましょう。ご自分の体重が増えない糖質量を知ることが、あなたにとっての理想の食事量になります。

「運動」だけにこだわらないで!

忙しくて運動をする時間がなかなかとれない方は、必ずしも「運動」にこだわる必要はありません。たとえば、以下のような日常の行動を意識し、活動量を増やすだけでも効果は期待できます

・通勤時間を早め、一駅分歩く

・電車内では座らずに立つ

・エスカレーターやエレベーターを使わず、階段を使う

・買い物は車でなく自転車に、あるいは徒歩にする

・家の掃除を運動の一環ととらえ、定期的に、念入りに行う

他にも、日常生活のなかで無理なくできることを考え、少しずつ取り組んでいくとよいでしょう。

今すぐ読みたい