有酸素運動だけじゃダメ?プラス筋トレが推奨される理由

更新日:2016/12/09 公開日:2015/10/23

有酸素運動の基礎知識

ダイエット効果を求めるなら、有酸素運動だけでなく、筋トレもプラスして行ったほうがよいとされていますが、それはどうしてなのでしょうか。その理由と有酸素運動プラス筋トレの効果について、医師監修の記事で詳しくお伝えします。

効率よく脂肪を燃焼させてダイエット効果を得るためには、有酸素運動に筋トレをプラスして行うことが推奨されます。ここでは、有酸素運動プラス筋トレがよいとされる理由やその効果、行うときの注意点などを紹介していきます。

有酸素運動と無酸素運動の違い

有酸素運動とは

有酸素運動は、読んで字のごとく酸素を必要とする運動です。体内に取り込んだ酸素を使用し糖質や脂肪を燃焼させてエネルギーを生み出します。負荷は軽度~中程度なので、長い時間の継続が可能なのが特徴で、深い呼吸で酸素を取り入れながら、ゆっくりエネルギーを燃やす運動です。

有酸素運動では、下半身の大きな筋肉を使うため、血行がよくなって健康維持につながるほか、美肌やむくみ解消効果が期待できるともいわれています。

無酸素運動とは

無酸素運動は、酸素をほとんど必要としない運動です。とはいえ呼吸はしているので、まったくの無酸素になるというわけではありませんが、糖質と体脂肪からエネルギーを得る有酸素運動とは違い、糖質だけからエネルギーを生み出す割合が高いということです。無酸素運動は短時間に強い力が必要な瞬発力を求められる短距離走や筋力トレーニングなどの運動のことで、筋肉に貯めておいたグリコーゲン(糖質)がエネルギーの主原料として使われます。

ダイエットには有酸素運動だけではダメ?

有酸素運動は、運動した分だけ体内の糖と脂肪がエネルギーの消費に使われます。そのため、有酸素運動だけでも溜まった脂肪を燃やすことによるダイエット効果はあると言えます。

ただし、注意したいのが、摂取したエネルギーを有酸素運動だけで消費するには、かなりの時間と労力がいるということです。そのため、ダイエット効果が得られるには時間がかかり、即効性は見込めません。また、基礎代謝量をアップさせる無酸素運動と違い、有酸素運動だけでは、基礎代謝量も上がらないため、運動をしていないときに余分なエネルギーを消費することもありません。

体を引き締め、基礎代謝も高める無酸素運動をプラスすることにより、これらのデメリットも解消され、より高いダイエット効果が期待できるのです。

プラス筋トレで高められるダイエット効果とは

有効なのは、無酸素運動である筋トレをプラスことです。筋肉は、安静時でも多くのエネルギーを消費しています。筋トレで、筋肉量を増やすことで、基礎代謝量もアップし、睡眠時や安静時など、運動していないときでもエネルギーを消費できる、痩せやすい体をつくることができます。また、筋トレには、体重はさほど変わらなくても、体のシルエットをすっきりスマートに見せてくれる効果も期待できます。

有酸素運動に筋トレを組み合わせるときは、筋トレ(無酸素運動)の後に有酸素運動を行うのがおすすめです。筋トレを行うことで、体の中で成長ホルモンが分泌されます。それによって脂肪が分解され、「遊離脂肪酸」へと変わることで、より燃焼されやすくなり、脂肪の燃焼効率がアップするのです。

有酸素運動の効果的な時間

有酸素運動の効果を得られる時間は?

体に余ったエネルギーは脂肪細胞に蓄えられますが、貯蔵された脂肪が燃焼されるには脂肪分解酵素の「リパーゼ」が必要となります。そのリパーゼが脂肪を分解することで、初めてエネルギーとして脂肪燃焼されるのです。リパーゼには、体温が低いとはたらきが鈍り、高すぎてもうまくはたらかないという性質がありますので、リパーゼをしっかりはたらかせるためには、通常の体温から1℃~2℃ほど上がった状態(体感で言うと、だいたい体が少し汗ばむ程度)が最適です。一般的に、運動を開始してからおよそ20分後に体は汗ばんできて、リパーゼが活性化し始めるといわれます。20分後からは、続ければ続けるだけ体脂肪は燃やされます。有酸素運動は20分以上継続するとよいといわれるのは、このような理由によるものです。

20分以上続けなければ効果がない?

20分以上継続して行わなければ効果が得られないのかというと、必ずしもそういうわけではありません。運動の始めは糖がエネルギー源として使われ、脂肪が使われるまでには少々時間がかかるため、そのように誤解されがちですが、運動開始後は糖のみ、20分経過後は脂肪のみとはっきり分かれているわけではなく、運動開始直後でもエネルギー源として脂肪は使われています。どのエネルギー源が使われるかは、時間だけでなく強度も関係してきます。強度が強い運動は糖質を多く使い、強度が弱くて長く続けられる運動は脂肪を多く使う傾向にあるとされています。つまり、必ずしも20分続けなければならないわけではなく、5分や10分の運動を少しずつ行い、それを積み重ねていっても、脂肪をエネルギー源として燃焼することは可能なのです。

もっとも大切なのは、運動は、3日以上中断すると効果がなくなるとされていますので、「時間」ではなく「日」の継続ということを知っておきましょう。ウォーキングを毎日30分以上行うのと、60分以上を週3回行うのとで、同じ効果が得られるともいわれています。毎日の継続が難しくても、週3日以上を目安に続けると効果的でしょう。

「運動」にこだわらないで!

忙しくて運動をする時間がなかなかとれない方は、必ずしも「運動」にこだわる必要はありません。

以下のような日常の行動を意識し、活動量を増やすだけでも効果を期待することができます。

・通勤時間を早め、一駅分歩く

・電車内では座らずに立つ

・エスカレーターやエレベーターを使わず、階段を使う

・買い物は車でなく自転車に、あるいは徒歩にする

・家の掃除を運動の一環ととらえ、定期的に、念入りに行う

他にも、日常生活のなかで無理なくできることは、少しずつ取り組んでいくとよいでしょう。

プロテインの効果

運動やトレーニング後にプロテインを飲むのは、より効率的な筋力アップを目指すためです。その理由は、筋肉が持っているメカニズムにあります。

私たちの体は、運動やトレーニングをするほど筋力がついていきます。慣れない運動や筋トレをすると筋線維には細かいキズが発生し、さらに筋疲労を起こし、その後、筋線維の修復と筋疲労の回復のためにタンパク質の再合成が始まります。そして、以前よりも太く丈夫な筋線維を作る「超回復」が起こります。これら一連のメカニズムにおいて、筋肉を作る際に必要な栄養素であるタンパク質は欠かすことのできない存在です。

筋トレ効果をより高めるためにアミノ酸を一緒に摂取する場合は、トレーニングの直後30分以内に摂るのが効果的です。

食事制限について

単に痩せるだけではダメ!極端な食事制限は、かえって危険

ドクターや栄養士などの指導を受けていない極端な食事制限ダイエットや、ハードな運動による減量方法は効果が出るどころか、体に危険を招きかねません。なぜなら、肝臓は体内のエネルギー源が不足すると、まず蓄えていたグリコーゲンを分解して糖に変え、エネルギーにしますが、それでも不足していると、肝臓自身のタンパク質を分解して糖を作り出す「糖新生」という反応を起こします。これは、肝臓に大きな負担をかけ、まさに「身を削って」機能している状態。また、体は少量の食事でもできるだけ効率よく脂肪を取り込もうとするので、もし極端な食事制限から通常の食事に戻した場合、急激なリバウンドを起こすリスクがあります。

ダイエットのポイントは「食事」と「運動」

週2日以上の休肝日とバランスの良い食生活

肝臓に「身を削らせない」ようにダイエットをするには、以下のようなポイントを押さえた食生活を送ることが大切です。すでに食事指導を受けている方は、ドクターや栄養士から受けた内容に従ってください。

・体重・体脂肪率を適正な状態で維持

・脂肪と糖質の摂取は控える

・魚、大豆、卵など良質のタンパク質を摂る

・食物繊維、ビタミン、ミネラルもバランスよく摂る

・過度のアルコール節度は控える

日頃の食生活では、良質のタンパク質を十分に摂取しつつ、脂肪や炭水化物を控えめに。アルコールは、週2日以上の休肝日をとり、ご自身の体質やその日の体調と相談して適量を楽しむようにしましょう。

おすすめのトレーニング

水泳と筋トレを組み合わせる

スタイルをよくするために筋トレを行うなら、水泳を補助的なメニューとして加えてみるのも効果的でしょう。水泳は有酸素運動にあたり、筋トレは無酸素運動に分類されます。有酸素運動の水泳で体の無駄な脂肪を燃焼し、無酸素運動の筋トレで体幹を鍛えて体を引き締めれば、綺麗にスタイルアップすることができます。

水泳は、全身運動とも言われるスポーツで、地上での別の有酸素運動に比べると、消費カロリーが高いというメリットがあります。ランニングや縄跳びでは、30分で191キロカロリーの消費に対し、水泳は30分で246キロカロリーの消費となります(体重52kgの女性の場合)。またウォーキングでは、68キロカロリーの消費にしかなりません。屋根つきのプールやジムを利用すれば、天候に左右されず、継続してトレーニングが可能です。

水中でトレーニングをするメリット

水の中では浮力がはたらき、体重が陸上でのおよそ10分の1にまで減少します。脊髄に重力をかけずに筋トレができ、足腰への負担が少なく済むのは水中トレーニング最大のメリットと言えます。

同じく下半身へ体重の負荷がかからないスポーツとして、ウォーキングやサイクリングがあげられます。どちらも他のスポーツに比べて足腰への負荷は少なく、自分のペースでできる点は水泳と似ていますが、浮力がはたらく水中トレーニングに比べるとやはり負荷は大きくなります。

また、上述のとおり、陸上での別の有酸素運動に比べると消費カロリーが高いことも、水中トレーニングの大きなメリットです。

ジョギングによるダイエット

有酸素運動をすることで酸素をたくさん身体の中に取り入れ体脂肪をエネルギーとして燃焼します。筋肉が活発に動くことで、身体中の血液を循環させるはたらきがよくなります。それによって代謝が上がるため、エネルギーも多く消費されます。

ジョギングダイエットと共にやっておきたいこと

(1)カロリー計算をする

ジョギングで消費されるエネルギーは10分で約90キロカロリー(体重50キロの人の場合)なので、実はそんなに劇的に痩せるということはありませんので、ジョギングと合わせてカロリー計算をし、食事の改善をすることが大切です。運動をしているからといってカロリーを摂取しすぎないよう注意しましょう。

(2)クールダウンをする

走り終わったあとは、筋肉に疲れを残さないようストレッチやアイシングなどをして、必ずクールダウンを行いましょう。

(3)ランニングシューズを履く

ジョギングは、地面を蹴って地面に下りるという動作のため、膝に大きな負担がかかります。ジョギングをする場合は衝撃を吸収するタイプのランニングシューズがよいです。靴によってはケガをする原因になりますので、初めての方はスポーツ店などで相談をして購入することをおすすめします。

有酸素運動に筋トレをプラスする際の注意点

さっそく、筋トレプラス有酸素運動でダイエットしようと思った方もいるかもしれませんが、しばらく運動の習慣がなかった人の場合、いきなり有酸素運動に加えて筋トレも行うと、体に負担がかかりやすく、疲れて三日坊主になってしまうこともあります。まずは有酸素運動だけ行って体を慣らしてから、少しずつ筋トレをプラスしていくとよいでしょう。

また、運動は継続することが大事です。一般的に運動は3日以上行わないと効果がなくなるといわれています。張り切って一度に高すぎる負荷をかけるより、定期的に行うことを意識しましょう。