魚の目(うおのめ)は芯をとるべき?セルフ対策と注意点

更新日:2017/04/11 公開日:2015/10/27

魚の目(うおのめ)の予防・対策

魚の目というと、芯を取らなくてはならないイメージがありますが、場合によっては、芯を取らなくても治ることがあります。そこで今回はセルフケアの際の注意点や病院での魚の目の治療法などを、ドクター監修のもと解説します。

魚の目ができても、症状がそれほどひどくなければ、病院へは行かず、セルフケアで済ませる人が多いかもしれません。しかし、セルフケアには十分な注意が必要です。そこで今回は、魚の目のセルフ対策と注意点などさまざまなポイントをご紹介します。

魚の目とは

「魚の目」とは、足裏や足指の皮膚の角質が、部分的に分厚くなってできる皮膚の病変のことです。「タコ」も、同じように角質の増殖、硬化によってできる皮膚の病変ですが、魚の目は、芯があり痛みをともなうことが多く、タコは、芯がなく痛みあまり感じないことが違いとしてあげられます。

また、魚の目は、中心にできる芯の部分が、まるで魚の眼のように見えることから、「ウオノメ」と呼ばれますが、正式には、「鶏眼(けいがん)」と言います。

魚の目ができる仕組み

皮膚というと、1枚の皮のように見えますが、上から「表皮」「真皮」「皮下組織」という3つの層でできており、表皮の一番外側には、「角質層」があります。この角質層は、皮膚の一番外側を覆うものであり、体内の水分が蒸発するのを防いだり、外部からの物理的な刺激や紫外線、ウイルス、菌などから体を守ったりするバリアとして機能しています。

そして、この角質層は、サイズや形が足に合わない靴を履いていたり、歩き方にくせがあったりして、圧迫や摩擦などの刺激が加わり続けると、厚く硬くなり、皮膚の内部を守ろうとします。

魚の目の場合は、皮膚への刺激が1点に集中することで、角質層が皮膚の内部に向かって、円すい状に肥厚していくので、硬い芯ができていきます。そしてこの芯が、神経のある真皮層にまで到達すると、歩くたびに神経が刺激され、痛みを感じるようになります。

また、魚の目には、中心に芯ができるということ以外にも、正常な皮膚との境界がはっきりしていて、面積が比較的小さいという特徴があります。

魚の目の原因

魚の目ができる主な原因としては、次のことが考えられます。

・サイズの合わない靴

・ハイヒールや先の細い靴

・開張足

・歩き方のくせ

・足の冷え

・糖尿病

※魚の目の原因と症状について、詳しくは『医師に聞く!魚の目(うおのめ)の原因と症状の現れ』をご参照ください。

魚の目が痛いときの応急処置

魚の目が痛いときは、患部にドーナツ状の保護パッドを貼り、摩擦や圧迫を防げば、痛みを軽減することができます。保護パッドは、足指用や足裏用など、いろいろな種類があるので、自分の症状に合うものを探してみましょう。

また、魚の目が痛いという人は、靴が足に合っていない可能性もあるので、今履いている靴のサイズや横幅、かかとのフィット感などを再度確認し、自分の足に合った靴を履くことも大切です。

※魚の目の応急処置について、詳しくは『魚の目(うおのめ)が痛い!そんな時の応急処置法とは』で紹介していますので、ご覧ください。

軽い魚の目は削らずに治る可能性も

魚の目は、角質が皮膚の内側に向かって肥厚していき、先の尖った円すい状の芯のようになって食い込んでいくので、進行するに連れて、歩くたびに痛みを感じるようになります。

角質の肥厚がそれほど進行していなくて、痛みがあまりないのであれば、市販の魚の目用の保護パッドを患部にしばらく貼っておけば、軽い魚の目なら、自然に治ります。また、正しい歩き方を実践したり、自分の足に合った靴に変えたりするのも効果的です。

芯を取るときの注意点

魚の目が進行して、芯が皮膚の奥に食い込んで痛いという場合は、芯を取り除く必要があります。ただし、自分でカミソリやカッターを使って削るのは、おすすめできません。なぜなら、カミソリなどで削ると、そこから細菌などが入りやすく、足やリンパ節の炎症を起こすことが少なくないからです。

芯が食い込んでしまった魚の目を自分で治療するなら、カミソリなどで削るよりも、角質をやわらかくする「サリチル酸」が入った魚の目用の市販薬を使うことをおすすめします。

市販薬には、パッドタイプや液体タイプなどがありますが、たとえばパッドタイプの場合は、入浴後に足をよくふいて患部にパッドを貼り、数日そのままにしておきます。そして、サリチル酸が皮膚に浸透して、皮膚が白く、やわらかくなったら、痛みを感じない程度に、ピンセットなどで、患部の周囲から削るのです。

ただし市販薬を使う場合も、一度で芯が取り除けない場合は、無理に取ろうとしないようにしましょう。その場合は、もう一度新しいパッドを貼り直し、患部をやわらかくしてから削ります。

また市販薬を使っても、なかなか魚の目が治らない場合は、必ず病院を受診しましょう。

病院での一般的な治療法

魚の目の痛みの原因は、皮膚に食い込んでいる角質の芯なので、病院では、これを取り除くことが治療の目的になります。

芯を取り除くために、もっとも一般的に行われているのは、カミソリなどで芯を削る処置、または、角質を柔らかくする作用がある「サリチル酸」が配合されスピール膏を使った治療です。ただし、魚の目が大きくて、芯が深い場合は、一度では取り除けないので、何度かこの治療をくりかえすこともあります。

魚の目が重症の場合は、メスでの除去やレーザー治療などが行われることもあります。

サリチル酸配合の貼り薬(スピール膏)

薬を使って角質をふやけさせたあと、魚の目の芯ごと取り除くという治療法です。

炭酸ガスレーザー

局所麻酔をしてから、炭酸ガスレーザーを用いて、魚の目を根元からくり抜く方法です。魚の目のレーザー治療といえば、一般的にこの方法のことを言います。

※魚の目の病院での診断や、詳しい治療法については、『魚の目(うおのめ)の病院での診断と治療方法』で、また、治療にかかる期間や治療中の痛みについては、『魚の目(うおのめ)を除去するのにかかる期間や痛みについて』でも解説しています。

魚の目は手にもできる?

魚の目を治すためには、芯を完全に取り除く必要があります。しかし、手に魚の目ができているという人は、むやみに触らないほうがよいでしょう。というのも魚の目は、通常、大人の足の裏や足の指にできることが多いので、手にできているものは、似ているように見えても、魚の目ではない可能性が高いからです。

手にできやすいでき物(1)イボ

魚の目と間違えやすい手のでき物の1つは、「イボ」です。イボには、いろいろな種類がありますが、手足にできやすいのは、ウイルス性のもので、正式には「尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)」と言います。これは、「ヒトパピローマウイルス」というウイルスが、皮膚の小さな傷口などから侵入し、感染することで発生します。魚の目が足にできやすいのに対して、尋常性疣贅は、手足のほかにも、外傷を受けやすいひじやひざなどにもできます。

魚の目は、表面に波のような模様があり、中心に硬い芯がありますが、尋常性疣贅の場合は、表面がボコボコしていて、盛り上がっているのが特徴です。また、基本的には、痛みやかゆみはありません。

手にできやすいでき物(2)タコ

もう1つ、魚の目と間違えやすい手のでき物に、「タコ」があります。魚の目とタコは、できるメカニズムは同じです。ただし魚の目の場合は、角質層が皮膚の内側に向かって肥厚していくのに対して、タコは、外側に向かって肥厚していきます。このためタコは、周囲よりも軽く盛り上がって硬くなっているのが特徴で、黄色みを帯びて、なめらかな表面をしています。また、魚の目の場合は、周囲との境界がはっきりしていますが、タコの境界は不明瞭で、芯もありません。

魚の目は子供にもできる?

そもそも魚の目は、足の裏や足指にできる硬い皮膚病変で、通常は大人にできます。足の皮膚の一部分に、圧迫や摩擦などの機械刺激が長期間にわたって繰り返し加わり続けると、これ以上ダメージを受けないように皮膚表面の角質層が厚く硬くなって、芯を持つようになります。こうした「魚の目のできるメカニズム」から考えても、まだ足の皮膚が比較的やわらかい9歳以下の小さな子供の場合は、魚の目はできにくいと言えます。

実際、子供の足にできる魚の目のようなものはウイルス性のイボであることが多く、正式には「尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)」と言い、ヒトパピローマウイルスというウイルスの感染によってできます。

※子供の足にできた魚の目状のできものについて、見分け方や対処法は、『子どもは要注意!魚の目(うおのめ)と間違えやすいウイルス性のイボとは?』をご覧ください。

本当に魚の目なのかよく確認を

魚の目のセルフケアで、もう1つ注意しなくてはならないのが、本当に魚の目かどうかをよく確認するということです。というのも、症状が似た足の病変に、ウイルス性のイボである「尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)」があるからです。

魚の目は角質なので、やわらかくして削れば出血しませんが、イボは皮膚が盛り上がっているだけなので、削ると、点々と赤い出血があります。また、ウイルスがひろがると、ほかの部分にも、イボができてしまうこともあります。

魚の目は、通常、大人の足の裏や足指にできる5〜7mm程度の硬い角質の塊で、中心に芯があるのが特徴です。そして、圧迫や摩擦によってできるので、骨が出っ張っている部分によくできます。

それに対して尋常性疣贅は、数mmから1cmくらいまでの大きさで、表面が硬くごつごつして盛り上がっています。基本的には、痛みやかゆみがありませんが、中には押すと痛いものもあります。また、小さな傷口からウイルスが侵入することでできるので、外傷を受けやすい場所なら、どこにでもできる可能性があります。

このように、尋常性疣贅は、魚の目と見た目が違いますが、小さくて痛いものだと、区別がつきにくいこともあるようです。自分では判断がしづらかったり、魚の目のセルフケアをしてもなかなか治らなかったりする場合は、やはり病院を受診しましょう。

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