ナルコレプシーは意外と子どもに多い?

更新日:2016/12/09 公開日:2015/10/28

ナルコレプシーの基礎知識

ナルコレプシーは、子どもの発症が多いと言います。発症しやすい年齢の子どもについては、周囲の人が正しく対処してあげることが大切です。ドクター監修のもと、子どものナルコレプシーと、その対応について解説します。

ヘルスケア大学参画ドクター

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ナルコレプシーは年齢に関係なく発症する病気ですが、特に10代から20代前半にかけて発病しやすく、子どもに多いという傾向があります。しかし、急な眠気に襲われる症状は、状況によっては理解されないケースが多く、このような場合、周囲の大人が異変に気づき、病気をしっかり理解することが、本人にとって大きな手助けとなります。

子どもの異変を見逃さないためにも、子どものナルコレプシーの症状や特徴を知っておきましょう。

ナルコレプシーの発症が集中している10代

ナルコレプシーの発症のピークは14~16歳といわれており、中年以降の発症はほとんどありません。思春期に多い病気ということから、脳の性的成熟との関係も考えられています。

睡眠をしっかりとっているにもかかわらず昼間に強烈な眠気に襲われて授業中や試験中に居眠りをしてしまう子どもは、ナルコレプシーの可能性があります。しかし、「夜ふかしをしているせいだ」とか「単なるなまけだろう」という周囲の無理解によって、病気の可能性を見落とされ、叱られるだけで終わっているケースも少なくありません。本来ならば、周囲の大人が異変に気づき、専門医の診断を受けさせなければならないものなのです。

特に、年齢の低い子どもの場合は、眠気に襲われる感覚を適切に対処できないこともあり、不機嫌や集中力低下、多動として現れることもあります。このようなケースでは、周りから見ていても眠気を感じていることがわかりにくいので、注意が必要です。

ナルコレプシーの発症を予防するには?

睡眠のリズムは、年齢とともに変わっていきます。生まれたばかりの赤ちゃんにはレム睡眠もノンレム睡眠もほとんど同じ割合で現れますが、少しずつレム睡眠の時間が減っていき、10歳くらいまでにノンレム睡眠の占める割合が多くなっていきます。それ以降は、睡眠時間とともにノンレム睡眠とレム睡眠の両方がゆるやかに減少していきます。

子どもは、すぐに熟睡状態に入り、深い眠りの時間が長く続きます。成長ホルモンは眠りの深いときにたくさん分泌されるため、「寝る子は育つ」という有名な言葉もできたほどです。ところが、思春期には第二次性徴による身体的変化に加えて進学問題などの精神的ストレスが高まる時期でもあります。また、つい夜ふかしをしてしまう年頃でもあるでしょう。このような精神的ストレスと睡眠・覚醒リズムの乱れは睡眠を妨害し、入眠時レム睡眠(浅い睡眠)を引き起こします。入眠時レム睡眠は健常な人にも起こることがありますが、ナルコレプシーの症状である睡眠麻痺(金縛り)や入眠時幻覚の原因にもなります。

ナルコレプシーの発症を防ぐためにも、子どもは少なくとも1日に7時間は睡眠をとる必要があります。そのうえで、体内時計のリズムを整えるための規則正しい生活習慣を心がければ、睡眠不足による昼間の眠気も解消できます。

ただし、ナルコレプシーを発症してしまうと、夜にしっかり睡眠をとり、朝もきちんと起きられるにもかかわらず、昼間にくり返し強い眠気に襲われてしまいます。この病気の有病率は世界的に1000~1500人に1人といわれており、中学生の年代で発症することがほとんどです。子どもの異変にいち早く気づくためにも、中学生をお持ちの親御さんや学校の先生は、このような実態についてしっかり理解しておきましょう。少しでも病気が疑われる場合は、専門医を受診して適切な検査を受けることをおすすめします。

この病気・症状の初診に向いている科 脳神経外科