全身の力が抜ける脱力発作の原因はナルコレプシーかも

更新日:2016/12/09 公開日:2015/10/28

ナルコレプシーの基礎知識

ナルコレプシーが原因となる「情動脱力発作」について、ドクター監修の記事で解説します。ナルコレプシーの代表的な症状でもありますが、実際にどのような状況で、どのような状態になってしまうのでしょうか?具体例を交えながらご紹介します。

ヘルスケア大学参画ドクター

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ナルコレプシーの代表的な症状には、昼間の耐えがたい眠気とともに「情動脱力発作」もあります。発症するとどのような状態になるのでしょうか?具体例も交え、詳しく解説します。

情動脱力発作はナルコレプシーの特徴的症状

情動とは、喜怒哀楽などの一時的な感情のことです。このような感情が強く現れたときに全身の力が抜けてしまう発作のことを「情動脱力発作」と言います。

発作が起きている間は、意識はしっかりと保たれているのですが、力を入れることができません。しかし、数秒から数分たつと回復し、自然と力を入れられるようになります。発作をおさえようと気持ちが焦るほど生じやすい傾向があり、その場合には20~30分ほど続いてしまうこともあるとされます。

発作の現れ方と程度は人それぞれで、頬やあごの筋肉がゆるんでろれつが回らなくなる人もいれば、首がガクンと前に垂れ下がったり、手足に力が入らなくなる人もいます。重症のケースでは、身体全体が崩れてその場に倒れ込むこともあります。また、1日に数回起こる人もいれば1週間に数回程度の人もいるなど、頻度も異なります。

ナルコレプシーが原因による脱力発作の例

実際に情動脱力発作が起こりやすいのは、次のような状況とされています。

・テレビを見て大笑いしたとき

・映画で期待していた場面になったとき

・友達との会話中におもしろいジョークを言ったとき

・友人に偶然出会って感激したとき

・釣りをしていて獲物がかかったとき

・マージャンで難しい役がそろったとき

・スポーツやゲームで最高のプレイができたとき

・言い合いをして怒りの感情が高まったとき

・急に大きな音がして驚いたとき

てんかんの発作と似ていますが、ナルコレプシーの脱力発作の場合には意識がはっきりしているという特徴があります。つまり、発作中も周囲の話が理解できる状態にあるというわけです。ただし、中にはそのまま寝入ってしまい、入眠時幻覚や睡眠麻痺が続いて起こるケースもあります。

このような発作はナルコレプシー特有の症状ですが、軽い情動脱力発作は健常な子どもにも起こることがあります。これは生理的な反射ですから、睡眠障害とは関係ありません。

情動脱力発作をともなうナルコレプシー患者は、喜怒哀楽といった強い感情変化を避けるようになりがちで、他人と接触しないように行動する傾向があります。コミュニケーションがぎこちなくなるため、勘違いされることも少なくないと言います。そのため、ナルコレプシー患者の周囲の人たちは、情動脱力発作について正しい理解を持つことが大切です。

この病気・症状の初診に向いている科 脳神経外科