居眠りをくり返す病気「ナルコレプシー」と「睡眠時無呼吸症候群」の違い

更新日:2016/12/09 公開日:2015/10/28

ナルコレプシーの基礎知識

日中に激しい眠りに襲われて居眠りをしてしまう病気「ナルコレプシー」と「睡眠時無呼吸症候群」の違いについて、ドクター監修の記事で解説します。一見同じように見える病気ですが、原因も治療法も全く異なります。

ヘルスケア大学参画ドクター

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昼間に強烈な眠気に襲われる主な病気には、「ナルコレプシー」と「睡眠時無呼吸症候群」があります。「昼間の強烈な眠気」という点では同じですが、眠気が生じる仕組みや症状は同じではありません。その違いについて解説します。

発作的に猛烈な眠気に襲われる「ナルコレプシー」

ナルコレプシーの場合、通常では考えられない状況で発作的に眠り込み、10~20分ほどの居眠りをくり返すことがあります。たとえば、歩いているときや食事中、会話中、試験中、車の運転中など、複雑な行動をしているときでも耐えがたい眠気に突然襲われてしまうのです。この眠気は自分の意志だけで抑えられるものではないので、当然、学校や会社などでも発作が起こり得ます。そのため、社会生活に深刻な影響を及ぼすことがあります。

また、ナルコレプシーは睡眠発作だけでなく、強い感情の変化によって体の力がガクンと抜けてしまう情動脱力発作をともなうことも多いです。ほかにも、寝入りばなに鮮明な幻覚を見る入眠時幻覚や、意識ははっきりしているものの手足が動かせなくなる睡眠麻痺(金縛り)が起こることもあります。

ナルコレプシーの発症は10代~20代前半に多く、中年以降に発症するケースはほとんどありません。原因は解明されていませんが、覚醒状態から急にレム睡眠に入るという特徴があることはわかっています。残念ながら、根本的な治療法も確立されていません。しかし、薬によって症状を抑えることはできるので、症状が疑われる場合は専門医の診断・治療を受けましょう。

寝不足による強い眠気が生じる「睡眠時無呼吸症候群」

睡眠時無呼吸症候群とは、寝ている最中に呼吸が弱まる、もしくは一時的に停止する病気です。睡眠中にのどの筋肉がゆるんで舌根などが落ち込み気道をふさいでしまう「閉塞性」と、脳から呼吸するようにという指令が一時的になくなって無呼吸になる「中枢性」に分けられます。

たとえば、閉塞性睡眠時無呼吸症候群の特徴は、激しいいびきと無呼吸をくり返すこと。呼吸が止まるたびに覚醒してしまうため、睡眠はどうしても浅くなってしまいます。そして、自覚しないうちに熟睡障害が起きているというわけです。

このように、知らないうちに睡眠不足となっている睡眠時無呼吸症候群では、重症患者の約3割に昼間の強い眠気がみられます。寝不足による居眠りや集中力低下が起こることもあります。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群になりやすい人には、あごが小さい、下あごが引っ込んでいる、気道が狭い、扁桃腺や舌が大きいといった特徴があります。特に、太った中高年男性に多く見られます。自覚のない病気ですから、このような条件に当てはまる人は十分に気をつけましょう。睡眠時無呼吸症候群の場合、CPAPという機械やマウスピースを用いた治療法があります。心不全や脳梗塞の原因ともなる病気ですので、適切な治療を受けるようにしましょう。

このように、ナルコレプシーと睡眠時無呼吸症候群は原因も治療法も異なります。昼間に強い眠気があるからといって自己判断でどちらの病気かを決めつけず、専門医の診断を必ず受けてください。

この病気・症状の初診に向いている科 脳神経外科

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