溶連菌とは?菌の特徴や引き起こされる病気について

更新日:2017/03/29 公開日:2015/10/30

溶連菌感染症の基礎知識

溶連菌感染症の原因となる溶連菌とはどのような菌なのか、ドクター監修の記事にてお伝えします。溶連菌の性質や溶連菌感染症についての説明のほか、溶連菌によって引き起こされる合併症の数々をご紹介します。

溶連菌とはどのような菌なのかについて、溶連菌が原因で引き起こされる病気とともにお伝えします。また、溶連菌感染症は重篤な合併症を引き起こす可能性もあるので注意をしてください。

溶連菌とは?

溶連菌は溶血性連鎖球菌(ようけつせいれんさきゅうきん)の略で、細菌学的な分類法によって付けられた名称です。血液中で赤血球を破壊するストレプトリジンOという毒素をつくる細菌で、溶血性という名前のとおり、血液を混ぜた培地の上で培養すると血液を溶かす溶血反応を示します。また、丸い玉が連なって増殖するという性質があることから、連鎖球菌と呼ぶようになったといわれています。

溶連菌は2種類ある

溶連菌にはα溶血とβ溶血をする2種類があり、人に感染症を起こす性質があるのはβ溶血A群・B群・C群・G群などです。溶連菌感染症の9割以上は、β溶血A群によるものです。また、一般的に溶連菌感染症として知られているのは、A群溶血性連鎖球菌(A群β溶血性連鎖球菌)が原因の感染症です。

溶連菌は体内に共存できる

名前だけ見るととてもおそろしい菌のように思えますが、実は意外とありふれた細菌で、体内で共存していくことが可能な場合もあります。このように溶連菌に感染しても症状が特に起こらないことを不顕性感染と言います。症状はないけれど、のどに溶連菌が存在している小学生は1割ほどいるとの報告もあります。

溶連菌が引き起こす病気

溶連菌に感染すると、発熱や咽頭炎、皮膚症状などを引き起こすことがあります。これが、溶連菌感染症です。溶連菌によって引き起こされる合併症には、主に次のようなものがあります。

粘膜の病気

  • 咽頭炎:咽頭に炎症が起こり、赤く腫れる症状。
  • 扁桃炎:38度以上の熱、咽頭の痛み、倦怠感などが起こる症状。
  • 猩紅熱(しょうこうねつ):寒気を感じた後に38~39度の高熱が出る症状。その後、赤い発疹が全身に広がることも。
  • 中耳炎:耳の痛みと発熱を起こす症状。進行すると耳だれがでる場合も。
  • 副鼻腔炎:副鼻腔に膿(うみ)がたまって粘膜が腫れあがる症状。

皮膚・軟部組織の病気

  • 伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん):「とびひ」と呼ばれる皮膚感染症。体に水疱ができ、かゆみをともなう。接触によって感染する。
  • 蜂窩織炎(ほうかしきえん):皮膚の深いところから皮下脂肪組織にかけての化膿性感染症。広範囲に赤く腫れ、熱感と痛みを持つ。深い潰瘍ができることもある。
  • 丹毒(たんどく):皮下組織よりも浅いところに起こる感染症。皮膚に赤い腫れが広がっていき、高熱や倦怠感もともなう。

その他の病気

  • 肺炎:発熱や咳、痰(たん)など風邪と似たような症状から始まる。呼吸困難を引き起こすことも。
  • 菌血症:血液中に細菌が流れ込んでいる状態。進行して敗血症になり、臓器不全をもたらすおそれがある。
  • トキシックショック症候群(TSS):非常に短い期間で思い病態を引き起こす敗血症※のひとつ。突然の高熱をともなった発疹や倦怠感、嘔吐、下痢などの症状が出る。すぐに治療をうけないと血圧低下などのショック症状にいたることも。

※(敗血症)~肺炎や腎盂腎炎(じんうじんえん)など、感染症を起こしている部位から血液中に病原菌が入り込み、重篤な全身症状が引き起こされる病気。

  • リウマチ熱:関節炎や心臓の弁膜障害の原因になります。
  • 急性糸球体腎炎:腎不全の原因になります。

溶連菌による合併症について

溶連菌感染症は重大な合併症を起こしかねない病気です。詳しくは『大人でも気をつけて!溶連菌感染症の危険な合併症』で説明していますが、下記のような合併症が生じる可能性をはらんでいます。

  • 急性腎炎(急性糸球体腎炎):腎臓の炎症により尿に血液が混じる
  • リウマチ熱:自己免疫疾患で、心臓弁膜症という病気の原因になる場合がある

溶連菌にかかったら早めの治療を受けましょう

溶連菌は溶血性をもつ細菌です。感染すると発熱や咽頭炎など、さまざまな病気を引き起こす可能性があります。ただし、溶連菌は抗生剤にとても弱い菌であるため、抗生物質が特効薬です。合併症を引き起こさないためにも早めに適切な治療を受けましょう。

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