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糖質制限ダイエットで口臭・体臭がきつくなるって本当?

更新日:2018.04.24
公開日:2015.12.26
ドクター画像
この記事の監修者
東戸塚メディカルクリニック 院長 北川光一

糖質制限の食生活をしばらく続けると、体臭が気になることがあります。このにおいの原因は、糖質制限によって産生されたケトン体ですが、予防や対策が可能です。糖質制限による体臭の対策について、ドクター監修の記事で解説します。

糖質制限の食事を続けていると、口臭や体臭がきつくなったかなと思うことがあり、家族などに指摘されて初めて気づく人もいるようです。なぜそのようなことが起こるのか、仕組みと対策を紹介します。

糖質制限における体臭の原因「ケトン体」

エネルギー源としての血中のブドウ糖を使い切ってしまうと、蓄えられている体脂肪が分解されて、新たなエネルギー源となります。この時に肝臓で産生され、血液中に放出される物質をケトン体と言います。

血液脳関門をすり抜けられる栄養素はブドウ糖だけです。つまり、ブドウ糖は脳の唯一のエネルギー源。しかし、空腹や飢餓の状態においてケトン体は、ブドウ糖の代替として脳のエネルギー源になることができるのです。血中のケトン体濃度が標準値を超えた状態を「ケトーシス」と言います。

ケトン体を構成する物質は、アセトン、アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸です。このなかのアセトンが体臭や口臭に影響するとされ、「ケトン臭」「アセトン臭」と呼ばれています。甘ずっぱいツーンとしたにおいが特徴です。揮発性があるため、体臭として排出され、呼気に混じると口臭になります。特に運動不足の際にアセトン臭が生じます。

糖質制限中のケトン臭を防ぐには

ウォーキングなどの有酸素運動や、基礎代謝を高める筋力トレーニングなどをダイエットにとり入れることが、ケトン臭の発生を抑えることにつながるという意見もあります。これは、筋肉でケトン体を燃焼できるためとされています。

一方で、ケトン体は酸性の物質です。そのため、アルカリ性食品を食べることにより、体を弱アルカリ性に傾けると体臭が改善する可能性が示唆されています。アルカリ性食品としては、野菜、バナナなどの果物、ワカメなどの海藻類、大豆製品などがあげられます。

クエン酸も、体臭の対策としてしばしば取り上げられます。クエン酸を含むのは、レモンやグレープフルーツなどのシトラス系の果物や、酢や梅干しからも摂ることが可能です。生姜なども汗腺機能を高め、血行をよくするため、効果が期待できます。

せっかく素敵な体を手に入れようとしてダイエットしても、体臭がただようようでは魅力半減です。しっかりと予防・改善の対策を実践しましょう。

糖質制限による健康影響についての注意事項

糖質制限の効果や安全性については諸説あります。例えば、効果に関して、63名の肥満の男女を低炭水化物食群とカロリー制限低脂肪食群に分けて行った研究で、6か月後では低炭水化物食群の減量幅が大きかったが、1年後になると両者の違いは見られなかったとしています[1]。また、日本糖尿病学会は運動療法と総エネルギー摂取量の制限を重視し、糖質制限に関して、「総エネルギー摂取量を制限せずに、炭水化物のみを極端に制限して減量を図ることは、その本来の効果のみならず、長期的な食事療法としての遵守性や安全性など重要な点についてこれを担保するエビデンスが不足しており、現時点では薦められない」としています[2]。当コンテンツはあくまでも糖尿病などのリスクを持たない健康的な人を対象としていること、また、健康的な人の場合でも糖質制限を取り入れることでの長期的な効果や、健康への影響について否定的な意見があることにご注意ください。

参考文献

  1. [1]Gary D. Foster, et al. A Randomized Trial of a Low-Carbohydrate Diet for Obesity, N Engl J Med 2003; 348: 2082-2090
  2. [2]日本糖尿病学会. "日本人の糖尿病の食事療法に関する日本糖尿病学会の提言" 日本糖尿病学会. http://www.jds.or.jp/modules/important/index.php?page=article&storyid=40(参照2017-06-29)

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