めまいはどんな病気で起こる?めまいの種類と対処法

更新日:2016/12/09

めまいを引き起こす病気

めまいは、寝不足や疲労など生活習慣が原因となって起こる場合もありますが、なんらかの病気によって引き起こされている場合もあります。ここでは、症状のひとつとしてめまいが起こることのある病気について、ドクター監修の記事で解説していきます。

星長啓介先生

この記事の監修ドクター

ほしなが耳鼻咽喉科 院長
星長啓介先生

めまいは疲れや寝不足によって起こることもありますが、なんらかの病気の症状のひとつとして現れることがあります。病気によって引き起こされるめまいには、どのようなものがあるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

めまいの種類と対処法

めまいには、大きく分けて、「回転性のめまい」「浮動性のめまい」そして「立ちくらみのようなめまい」があります。

回転性のめまい(耳鼻咽喉科のめまい)

自分や地面が回っているように感じるめまいです。

回転性めまいは、突発的に起こることが多く、あまり長くは続きません。耳鳴りや聞こえにくさをともなうことが多いのも特徴です。

回転性のめまいの原因は、耳の器官である耳石器や三半規管の異常です。回転性のめまいを感じる場合には、メニエール病、前庭神経炎などの病気の可能性があるので、一度耳鼻科を受診しましょう。突発性難聴を発症する際にも、片側の難聴と回転性のめまいを感じることがあります。また、小脳梗塞や脳出血などの脳の病気により、平衡感覚に関わる脳での計算ができなくなり、回転性のめまいを感じることもあります。

浮動性のめまい

雲の上を歩いているような、ふわふわ体が浮く感じがするのが浮動性めまいです。めまいがひどい場合には、まっすぐ歩けないこともあります。このタイプのめまいは、慢性的に発生し、横になって休んでも軽減しないなど長く続くことが多いです。回転性のめまいとは異なり、耳鳴りではなく肩こりや後頭部の頭痛をともなうことが多いのも特徴です。

浮動性のめまいの原因は、高血圧や精神的なストレスによる自律神経の乱れや、長時間の同一姿勢による神経の圧迫があります。また、最近では、スマートフォンを長時間使うことで肩がこりかたまり、浮動性のめまいを感じる人もいます。

頚椎の変形から椎骨脳底動脈の血液の流れが悪くなり、ふわふわしためまいがすることもあります。

原因がストレスの場合は、ストレスの根本を取り除くことで緩和されることが多いです。意識的にリラックスできる環境を整えることも症状の緩和につながります。お風呂に入り、肩までゆっくりつかることも血行がよくなります。デスクワークの方は肩甲骨まわりをストレッチする事をおすすめします。

めまいとともに手足がしびれる、手に力が入らない、意識がぼんやりする、耐えられないほどの頭痛などの症状がでた場合は、脳になんらかの異常がある可能性があります。脳梗塞や脳出血などの重大な病気の可能性もあるので、早めに神経内科あるいは脳外科を受診しましょう。

立ちくらみのようなめまい

お風呂上がりや、イスなどから立ち上がった際に起こる、目の前が暗くなりクラッとするめまいです。ひどい場合には失神してしまうこともあります。このめまいの原因としては、思春期の自律神経の失調症など血圧の異常が考えられます。貧血や、ホルモンバランスの乱れの症状として出現することもあります。また、強いストレスを感じている場合にも、立ちくらみのようなめまいが起こることがあります。

緊張によるものや、2、3分程度横になっていたら回復するものに関しては、緊急性はありません。しかし、頻繁に起こる場合や症状が改善しない場合は、脳の病気や心臓病、消化器の出血などの重度の貧血によって引き起こされている可能性もあります。このような場合は、一度内科専門の医療機関を受診しましょう。

めまいをともなう病気

具体的にどのような病気があるのか、以下で詳しく解説します。

●良性発作性頭位めまい症(BPPV)

寝床から起き上がる、体操で頭を後ろに倒すなど、頭の位置を動かしたときに回転性めまい(自分や周囲がグルグル回っているようなめまい)を感じる病気です。吐き気や嘔吐をともなうこともありますが、難聴、耳鳴りはありません。じっとしていれば数秒から数十秒ほどの短時間で軽快します。

その後もめまいは繰り返し起こりますが、何度か経験するうちにだんだん症状が軽くなり、数週間後には自然に消失します。めまいの原因としてよく見られる病気で、たいていの場合1~2回の通院でよくなります。

メニエール病

始めは数週間や数か月に1度めまいを感じるくらいの頻度であったものが、次第に難聴や耳鳴り、耳が詰まったような閉塞感をともなうようになってきます。めまいは激しい回転性で、吐き気や嘔吐をともなうこともあり、数十分から数時間続き、次第に回復します。

台風や低気圧が近づいてくると、耳閉鎖感とめまいを感じる場合が多いです。

しかし、自然に症状が治まったからといって放っておくと症状が進み、聴力に障害が出始めます。重度になると全く聞こえなくなることもあるので注意が必要です。

前庭神経炎

突然激しい回転性のめまいを生じます。吐き気や嘔吐をともない冷や汗を感じることもありますが、難聴や耳鳴りはありません。めまいは数日あるいは2週間以上も続きます。その後、徐々に回復してきますが、足がふわふわするような浮動性のめまいが、長い場合は半年以上も続きます。

耳鼻咽喉科のめまいの中でももっともも長期のめまい治療を要します。

突発性難聴

何の前触れもなく、ある日突然耳が聞こえにくくなります。めまいを伴わない突発性難聴もありますが、内耳に異常が起こる突発的難聴はめまいをともなうことが特徴です。以前は女性によく見られましたが、最近は男性の患者も多くなっています。難聴のほかに、めまいにともなう眼振が見られることもあります。

外リンパ瘻(ろう)

飛行機に乗る、鼻を強くかむ、水に潜る、重い荷物を持つ、大便でいきむなど耳の内圧の急激な変化によって内耳窓に小さな穴が開き(パチっと耳の中で音がして聞こえにくくなる)、髄液が内リンパ腔に漏れて起こります。回転性のめまいや難聴、水が流れる音のような独特の耳鳴り、耳の閉塞感が認められます。しかし、症状には個人差があり、耳の内圧の変化時にすぐ感じることもあれば数日後に現れることもあります。症状の程度も徐々に悪くなることが多く、耳鼻咽喉科での早期の診断と漏れた場所を塞ぐ手術にて回復する可能性がありますが、診断が遅くなると、高度の難聴が後遺症となります。

内耳炎

耳の中耳部分に炎症を起こす病気を中耳炎と言いますが、炎症が内耳部分に達すると内耳炎からめまいを感じるようになります。歩行時にふらついたり、まっすぐ歩けなくなったります。

脳卒中(脳梗塞・脳出血)

脳出血は、なんらかの原因で脳内の血管が破れ、脳内に出血した状態のことを言います。出血の圧により脳細胞がダメージを受けます。一方、脳梗塞は脳の血管が詰まる病気です。血管が詰まると血液の流れが極端に悪くなり、酸素や栄養素が運ばれなくなって脳組織が壊死します。ダメージを受けた脳細胞は再生することがないので、運動麻痺や言語麻痺などの後遺症が残ることが多く、重篤な場合は死に至るケースもあります。

脳出血や脳梗塞により平衡感覚の経路に障害が起こると、めまいが生じます。めまいは、短くても20~30分、長ければ2~3時間以上続きます。めまいの症状は発症した場所や程度によって異なり、激しい回転性のめまいが起こることもあれば、軽度のめまいのこともあります。

めまいにともない、意識障害やろれつが回らない場合は脳の病気の可能性があります。

椎骨脳底動脈循環不全症

脳幹や小脳に血液を送る椎骨動脈や脳底動脈の血流が悪くなることでめまいが生じます。首を大きく動かしたり、起き上がったりしたときなどのほかに、歩行中にも突然めまいが起こることがあります。症状は浮動性めまいや回転性めまいなどさまざまな程度のめまいで、20~30秒ほどで治まるケースが大半です。

低血圧(立ちくらみ感)

低血圧の方は、日常的にめまいを起こしやすいタイプです。血圧が下がると脳への血液循環が滞るため、脳が酸素不足となりめまいが起こることがあります。血圧に関係するめまいで多く見られるのが、立ち上がった瞬間に血圧が急激に下がる「起立性低血圧」でのめまい。普段私たちが「立ちくらみ」と呼んでいるものです。思春期の青少年や高齢者の方がなりやすく、朝ベッドから出た瞬間に頭がフラフラしたり、意識が遠くなったりするようなめまいが起こります。その場で座り込むとすみやかに回復するのが特徴です。

首の骨、筋肉、靭帯の異常・病気

首を回したときや後ろを振り向いた瞬間に、ふわふわするようなめまいや回転するようなめまいが起きる場合は首の骨や筋肉、靭帯の病気が原因となっている可能性があります。また、目を閉じるとめまいの感覚が強まることも多くあります。病院で詳しく検査すると、首のストレートネックや骨粗鬆症(こつそしょうしょう)やむち打ち症、後縦靭帯骨化症(靭帯が骨になって脊髄を圧迫する病気)などと診断されるケースがあります。

頚椎の中には脳の後半分を担う動脈が走っており、脳に酸素や栄養を届ける機能を担っています。したがって、首周り頚椎になんらかの異常が生じて椎骨動脈が圧迫などの、血行障害を起こしてめまいが出やすくなります。首の病気が根本的な原因になるため、後頭部から首にかけてのこりや痛みをともないます。

パニック障害、過換気症候群、うつ病

パニック障害や過換気症候群などの不安障害が、めまい感を引き起こす原因になる場合もあります。不安障害では、体のふらつき、気が遠くなるような感じ、といっためまい感と同時に、動悸や息切れ、発汗の症状もみられることがあります。耳鼻咽喉科の三半規管のめまいは回転性の(ぐるぐるまわる)めまいとは異なります。

上記であげたもののほかにも、脱水、糖尿病、自己免疫疾患、多血症、梅毒など、めまいを引き起こす病気は多岐にわたります。早期治療が重要な病気もありますので、たかがめまいと軽くみず、きちんと受診して原因を探ることが大切です。

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