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関節リウマチの特徴とは?薬で治る?妊娠への影響は?

更新日:2018/02/14 公開日:2015/11/24

関節リウマチの基礎知識

関節リウマチは手足の指や関節に腫れ・痛みが起き、進行すると関節が変形し曲げたり動かしたりすることができなくなってしまう病気です。関節リウマチの特徴や症状、診断基準、治療についてドクター監修のもと解説します。

短くポイントをまとめると
関節リウマチはめずらしい病気ではなく、特に30歳~50歳代の女性に多い。
特徴的な症状は関節の痛みや腫れ。進行すると関節が変形し動かなくなるが、早期に治療すれば改善する。
妊娠希望および妊活中・妊娠中の場合も早期に治療することが大事。

関節リウマチの特徴のイメージ画像

関節リウマチは日本でおよそ60万人以上がかかっているといわれ、決してめずらしい病気ではありません。高齢の方がかかるイメージがありますが、実は30歳~50歳代の女性の発症が多い病気です。関節リウマチは症状が進行すると、関節が変形し曲げたり動かしたりすることができなくなってしまう病気ですが、症状が軽い段階で治療すれば症状がほぼ出なくなる状態まで改善することができます。初期の段階から特徴的な症状があらわれるので、どのような症状が出るかを知り、早めに対処できるようにしましょう。

指や関節が痛い!関節リウマチの特徴

体を動かすために重要となる骨や関節、筋肉などが炎症を起こしてダメージを受ける病気全般を「リウマチ性疾患」と呼びます。そのなかで、多くの関節に炎症があらわれるものが「関節リウマチ」です。

関節リウマチの原因

完全には原因は特定されていませんが、多くの遺伝子が関係し、ストレスや腸内環境、ウイルス感染などの外的な要因が加わることで起こる免疫の暴走(過剰反応)と考えられています。

※関節リウマチの原因について詳しい内容は、『関節リウマチの原因と症状が出るメカニズム』をご覧ください。

関節リウマチの特徴的な症状

関節リウマチの初期に見られる症状から、進行した時に見られる症状、さらに悪化した時の症状を順番に解説します。

初期症状
手の指や手首が腫れ、運動時や運動直後に痛みがあったり、押したときに痛み(圧痛)を感じます。
朝起きたときに指が動かしにくく、使っているうちにだんだん動かせるようになる「朝のこわばり」と呼ばれる症状があらわれます。最初は数分程度この状態が続きますが、しだいに長くなり数時間以上続くようになります。
発熱、疲労感があらわれることもあります。
足の指や足首、膝、肩などにも症状が出ることがあります。
炎症が進行した場合
腫れや痛みのある箇所が増えてきます。
初期では運動時や運動後、押した時に痛みを感じる程度であったのに対し、安静にしている時や就寝時でも痛みが起こるようになります。
関節の動く範囲が狭まり、動かしにくくなります。
さらに炎症が悪化した場合
さらに多くの関節に症状があらわれます。
軟骨や骨が変形し、関節を動かすことがますますつらくなります。重症な方はベッドから起き上がるのも困難といった状態が続きます。

関節リウマチは症状が進行してしまうと治療が難しくなるため、早い段階での治療が大切です。これらの症状に思い当たるところがあれば、早めにリウマチの専門医の診察を受けましょう。では、関節リウマチの診断はどのようにおこなわれるのでしょうか。

関節リウマチの診断基準はどんなもの?

関節リウマチの標準的な診断基準として、2010年にアメリカとヨーロッパのリウマチ学会が合同で発表した分類(診断)基準があります。病院での検査が必要な項目があるのでセルフチェックに使うことはできませんが、どのような診断項目があるのか紹介します。

  1. 関節の腫れが1箇所以上にみられること(その腫れは別の病気が原因となっていないこと)
  2. 下の表の合計点が6点以上となること
腫れや痛みのある関節数
大関節1箇所:0点
大関節2箇所以上:1点
小関節1~3箇所:2点
小関節4~10箇所:3点
11箇所以上(少なくとも1つは小関節):5点
血清学的検査(免疫機能を調べる検査)
リウマトイド因子、抗CCP抗体ともに陰性:0点
リウマトイド因子、抗CCP抗体いずれかが低値の陽性:2点
リウマトイド因子、抗CCP抗体いずれかが高値の陽性:3点
症状が持続している期間
6週間未満:0点
6週間以上:1点
炎症反応
CRP、赤沈(ESR:赤血球が管の中で沈む速度)が正常値:0点
CRP、赤沈が異常値:1点

あくまでも基準であり、この基準にあてはまらないケースもありえます。医師による問診、身体所見が診断するうえで重要となります。

もし関節リウマチと診断された場合、治るのか、治療法はどのようなものか気になるでしょう。次からは、関節リウマチの治療について解説いたします。

関節リウマチはうまいタイミングで適切な治療を開始すれば治る確率が高くなる

ここでいう「治る」とは、以下の状態を意味します。

  • 通院や薬の使用は必要だが健康な方とほとんど変わらない生活を送ることができる
  • 薬の使用も必要でない状態

関節リウマチの原因には多くの遺伝子が関係していることはわかっています。しかし、現状では遺伝子にアプローチするといった関節リウマチの根本的な治療法はまだ確立されておりません。そのため、本当の完治(遺伝子的完治)は難しいとしても、症状の進行具合に応じた適切な治療を行うことで、症状の軽減や症状がほとんど見られない状態まで改善できるケースは増えています。

関節リウマチの主な治療法

生活習慣の改善
特定の関節を使いすぎない、十分な睡眠・休養、食事などの指導をする。
薬物療法
早期の段階で積極的に使用し、炎症の進行を抑える。
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、ステロイド剤、疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)の3種類が主体、近年では早期に生物学的製剤が使用されるケースが増えている。
手術療法
現在では、薬物治療で変形の進行を止められるようになったことにより手術するケースは激減している。
リウマチ患者の関節の手術は、一般の関節手術と違った面があり、いろいろなリスクをともなう。
薬物療法では十分に改善できない場合や、手術することで日常動作が行いやすくなる可能性のある場合などに、医師の判断で行うことがある。
リハビリテーション
症状の改善、可動域・筋力の保持で生活に支障のない状態を目指す。

妊活中・妊娠中でも関節リウマチは治療できる?治療による影響はない?

妊娠を希望されている方や妊活中または妊娠中の方で関節リウマチを気にされている方の中には、治療を受けることはできるか、また治療が妊娠に影響したり、母体やおなかの赤ちゃんに影響したりしないのか気になることでしょう。

妊娠を希望していたり、妊活中・妊娠中であったりしても関節リウマチの治療を受けることは可能です。この場合も治療開始をなるべく早く開始することが基本です。リウマチの専門医が治療開始の最適なタイミングを判断します。

妊娠希望および妊活中の関節リウマチの治療

関節リウマチを患う女性は、子作りに励んでも妊娠に至るまでに健康な女性より時間がかかる場合が多いことがわかっています。関節リウマチにかかっていることによる妊娠・出産への不安や治療薬の影響が要因として考えられています。また、症状が進行しているほど妊娠しにくいという研究結果も報告されています[1]。

リウマチ治療薬には、胎児への影響が懸念され妊娠前に使用を中止した方がよいとされている薬があります。しかし、妊娠を優先して薬の使用を中断すると症状の進行を抑えられないだけでなく、妊娠しにくくなることにもつながります[1]。治療方法と妊娠計画を医師と相談の上、安心して妊娠にのぞめる状態を目指しましょう。

妊娠中の関節リウマチの治療

関節リウマチ自体は胎児の先天異常に影響しないといわれています[2]。しかし、関節リウマチにかかっている妊娠女性には、早産または胎児の発育が遅れることが報告されています[3]。特に症状が重かったり、ステロイド治療を受けていたりする女性に多く見られます[4]。また、妊娠中は関節リウマチの症状が落ち着くことがありますが、それを治ったと思って放置したり、治療を中断したりしてしまうと、出産後に再び症状があらわれ症状が悪化するケースもあります。

関節リウマチの症状が軽い状態または落ち着いている状態で妊娠を迎えることが大切です。そうすれば薬の使用も制限でき、おなかの赤ちゃんへの影響など不安を軽減できるでしょう。早く対処することで心穏やかに妊娠期間を過ごすことができます。

まとめ

関節リウマチは悪化すると関節が動かせなくなる怖い病気と思われていますが、治療法も進歩し、症状がほぼ出なくなる状態まで改善することもできます。放置せずに早い段階で診断を受け、症状を進行させないことがなにより大事です。

参考文献

  1. [1]舟久保 ゆう. 関節リウマチの治療と妊娠の両立, 日本臨床免疫学会会誌 2015; 38(1): 45-56
  2. [2]Norgaard M et al. Rheumatoid arthritis and birth outcomes, J Intern Med 2010; 268(4): 329−337
  3. [3]Wallenius M et al. Pregnancy and delivery in women with chronic inflammatory arthritides with a specific focus on first birth., Arthritis Rheum 2011; 63(6): 1534-1542
  4. [4]de Man YA et al. Association of higher rheumatoid arthritis disease activity during pregnancy with lower birth weight: results of a national prospective study., Arthritis Rheum 2009; 60(11): 3196-3206

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