肩こりを治したい!原因と症状、対処法まとめ

更新日:2017/07/26 公開日:2015/12/02

肩こりの基礎知識

肩こりがあると仕事や家事にも影響し、毎日つらいですよね。そのストレスによって、さらに重症の肩こりを引き起こしてしまうことも。ここでは、肩こりの症状と原因をドクター監修の記事で詳しく解説していきます。

肩こりになると、どのような痛みがあらわれるのでしょう。主な症状と、肩こりを引き起こす原因、自宅でできるセルフケアや病院での治療について解説します。

肩こりとは?

肩こりとは、肩から首の周辺の筋肉が緊張し、重苦しく感じる状態のことを言います。「痛い」「重い」「苦しい」「だるい」「張っている」「ジンジンする」「冷たい」など、人によって、感じ方もさまざまです。

さらに、感じ方だけでなく、肩こりになる原因も人によって異なります。長時間の無理な体勢や、肥満、なで肩といった体型の問題、生活習慣、老化、ストレスなど、いろいろな理由から肩こりは起こるのです。肩こりの原因が一人ひとり違うとなると、対処法もおのずと変わってきます。それぞれの原因に合った治療・対処を行うことが大切です。

肩こりの主な症状

肩こりは、背中の一番表面の筋肉である僧帽筋(そうぼうきん)エリア、とくに肩上部から痛んで慢性化する場合が多く、進行すると痛みを感じる部位が広がっていきます。筋肉が緊張している状態が長く続くとインナーマッスルにまで「こり」が拡大し、筋肉がこわばって芯からくる重い痛みを感じるようになります。

部位によっても痛みの感じ方が異なります。首から肩上部にかけてのこりは、重い物が乗っているような違和感、肩甲骨と脊柱の間のこりは、肩甲骨の内側の際に鉄板のような硬いものが入った感じの痛みであることが多いようです。

ちなみに、重い痛みを放っておくと、緊張性頭痛や顔面、上肢(肩から手の部分)の関連痛が併発することもあるので注意が必要です。頸部全体の筋肉が緊張し、頭痛、目の奥の痛み、肩から手の痛みしびれなども起こる可能性があります。

肩こりの原因

肩こりの大きな原因として4つのことがあげられます。

ずっと同じ姿勢を保っている

長時間本を読んだり、デスクワークをしたりしているとき、ほとんどの人が首を前に突き出し、両肩がすぼんだ姿勢になっています。この姿勢では首から肩の筋肉が緊張し、疲労が生じるため、血流が悪くなり肩こりを起こしてしまいます。

眼精疲労

細かい文字を読み続けていると、目やその周りの筋肉が緊張し、首や肩も同じように緊張することで、肩こりになります。また、まばたきの回数が減るとドライアイになり眼精疲労を起こし、肩こりの原因になることもあります。

運動不足

血液は心臓のポンプ作用により全身に運ばれていますが、実は心臓だけでなく、筋肉の収縮と弛緩の作用にも同じく血液をめぐらせる働きがあります。筋肉は血液を送るポンプの役割があるので、運動不足になると、筋力が低下し、血液を送り出す力が不足するため、血流が悪くなります。すると、新鮮な酸素や栄養分が十分に伝わらず、疲れやすいうえ、肩こりになりやすい体になってしまいます。

ストレス

日々のストレスは強く感じれば感じるほど全身の筋肉が緊張し、肩こりの原因である抗重力筋の緊張も免れません。さらに、強いストレスは血管自体を収縮させてしまうので、筋肉の中で血流障害が起こり、筋肉疲労から肩こりになるのです。

ほかにも、肩が前方に捻りこむまき肩や、側彎症など姿勢が悪かったり、肥満、体の冷え、枕が合っていない、メガネの度があっていない、老化による筋肉量低下、四十肩、貧血、低血圧、内臓疾患、かみ合わせなど首、肩以外の体の不調も肩こりの原因となります。

また、欧米人と比べて日本人は首から肩にかけての骨や筋肉が細いにもかかわらず、頭が大きいため、肩こりを起こしやすいといわれています。

肩こりを解消できるセルフマッサージ

肩こりが簡単に解消できるセルフマッサージには、次のようなものがあります。

鎖骨マッサージ

鎖骨の下にあるくぼみを押さえて、肩を上下させたりくるくると回したりすることで、胸部一帯にある筋膜がほぐれて肩がすっきりします。

(1)親指以外の4本の指をそろえ鎖骨の下のくぼみに当てて、中指に力を入れて押す。

(2)鎖骨の下を押したままで肩を上下する。10回繰り返したら、鎖骨に沿って場所を少しずらして3セット行う。

(3)次に、鎖骨の下を押したまま、肩をくるくると回す。これも押す場所を鎖骨に沿ってずらして3セット、各10回ずつ行う。

肩こりほぐしマッサージ

(1)腕の力を抜いてだらんと下げ、肩のほぼ中央、筋肉が盛り上がったところのツボ(肩井、ケンセイ)を反対側の手指で押さえる。

(2)ゆっくり深呼吸を行う。息を吐くときに肩井を押す。これを3回くりかえす。

(3)再度、ゆっくり深呼吸を行ったら、肩井を押しながら息を吐き、腕をゆっくりと前に上げていき、真上まで上げて後ろへぐるっと回す。これも3回くりかえす。

(4)肩井の周囲を軽く6回ほど揉んで筋肉を柔らかくする。

(5)反対側も同様に行う。

首まわりマッサージ

(1)首を横にひねった時に、ひねった方向の反対側の首すじの鎖骨から耳の下に出る筋肉(胸鎖乳突筋)の下のほうを反対側の親指と人差し指で軽くつまむ。

(2)深呼吸したら、息を吐くときにつまんでいる部分を引き上げる。

(3)少し上に移動し、筋の真ん中あたりをつまみ、同じように深呼吸をして、息を吐くときにつまんでいる部分を引き伸ばす。次に、さらに上、エラのあたりも同様にマッサージする。

(4)最後に筋の下から順に軽くつまんで離す、という動作をくりかえしながら上へ移動し、エラの後ろまで続ける。これを3回くりかえす。

病院での肩こりの治療

肩こりには、ほかの病気に関連して発症するケースもあるので、つらい肩こり、頭痛、手や腕の痛みやしびれ、口が開きにくいなどの場合は、病院での検査を受けたほうがよいでしょう。病院にかかる場合、整形外科や神経内科、脳神経外科などで肩こりやそれにともなう症状を詳しく検査することが可能です。

何科を受診すべきか、また、病院以外で肩こりの治療ができる場所を探すには、

『整形外科?脳神経外科?肩こりを治す病院の選び方』で解説していますので、あわせてご覧ください。

肩こりで整形外科を受診した場合、問診や検査の結果、症状に合わせて以下のような治療を行っていきます。

マッサージ療法

肩こりの多くが血行不良からきているものです。マッサージ療法では、筋肉の血流を改善し、筋肉の緊張をやわらげることで肩こりを緩和させます。

温熱療法

血行をよくするには、温めることも有効です。温熱療法では、音波や温湿布などを使って患部を温めていきます。

運動療法

筋肉の緊張の改善に役立つのが運動療法です。肩こりに効くストレッチや日常生活の指導が行われます。

また、上記の治療で改善しない方が病院に来る場合がほとんどなので、薬物療法を併用してゆきます。肩こりの薬物治療で使われる薬としては、以下のようなものがあります。

筋弛緩剤

肩こりが出ているときは、肩周辺の筋肉が緊張し、血流も悪くなっています。この筋肉の緊張をほぐすために使われるのが筋弛緩剤です。筋弛緩剤は、手術の際にお腹の筋肉を完全にゆるめて手術をやりやすくする目的でも使われている薬です。肩こりの場合はこのような完全な筋弛緩は必要でなく、効果が緩やかなものが使われます。

鎮痛消炎剤

血流が悪くなっている部分に発生する、痛みを起こす物質に効果を発揮する、いわゆる「痛み止め」です。

局所麻酔剤

肩こりを起こしている部分の筋肉に局所麻酔剤を注射することで、筋肉の中の血管が拡がり、血流が改善されます。血流がよくなることで、こった部分の疲労物質や痛みのもととなる物質が洗い流され、肩こりが軽減します。

漢方薬

痛み止めである鎮痛消炎剤は、副作用として胃腸障害が出ることがあるため、胃腸が弱い人は使えない場合があります。そういった場合、漢方薬が処方されることがあります。漢方薬の扱いに慣れた先生も増えていますし、医療機関では保険も効きます。

長引く肩こりは医療機関の受診を

肩こりは、少し肩を回したり、軽い運動を行うことでよくなるものもあれば、このような対処法を行ってもなかなか改善されないものもあります。長くこりの症状が続くような場合や、ストレッチや軽い運動で改善しない肩こり、頭痛や目の痛み、嘔吐、手や上肢のしびれなどほかの症状があるときは、無理をせずに医療機関を受診してみましょう。

ご自身・ご家庭でいわゆるマッサージや指圧(ツボ押し)などをする際の注意点

  1. 1.マッサージや指圧などは身体に影響を及ぼす行為です。ご自身・ご家庭で行う場合は、部位の把握や力の加減が難しく、身体への影響には個人差があります。
  2. 2.病気やケガ、痛みがある場合は、マッサージや指圧などをするまえに医師の診断やアドバイスを受けましょう。
  3. 3.食後、飲酒時、妊娠中など、普段と異なる体調の際は、自己判断によるマッサージや指圧などは避けましょう。
  4. 4.マッサージや指圧などをしたことで体調が悪くなったり、痛みなどが出た場合は、すぐに医師に相談しましょう。また、症状が改善しなかったり悪化したりするようなら、医療機関を受診しましょう。

この病気・症状の初診に向いている科 整形外科