アガリクスが癌(がん)にいいって本当?

更新日:2016/12/09 公開日:2015/12/17

アガリクスの基礎知識

キノコの一種であるアガリクスは、俗に「免疫力を高める」、「癌を抑制する効果がある」などといわれていますが、果たして本当なのでしょうか。専門家の監修のもとに解説します。

アガリクスは、俗に「癌(がん)に効く」などといわれています。果たして本当なのでしょうか。

アガリクスが癌によいといわれている理由

アガリクスの特徴のひとつが、β-グルカンと呼ばれる多糖体を豊富に含んでいる点です。β-グルカンは、免疫機能をつかさどる白血球の一種のマクロファージや、腫瘍細胞やウイルス感染細胞の拒絶で重要な役割を果たすNK(ナチュラルキラー)細胞、白血球のT細胞やB細胞の働きを活性化したり、免疫の関連物質であるインターフェロンの生成を促す作用があります。

NK細胞やT細胞などの免疫細胞は、体内に侵入したウイルスや細菌などを攻撃して病気の発症を防ぐほか、体内で発生した癌の細胞も攻撃します。つまり、免疫細胞を活性化することで、癌細胞の増殖を抑えられ、それが抗癌作用につながると考えられています。

そのため、免疫細胞を活性化するβ-グルカンを豊富に含み、免疫力を高める効果があるとされるアガリクスには「癌を抑制する効果」があるといわれているのです。

栽培方法によって変わるアガリクスの含有成分

また、ビタミンDが含まれていることも関係していますが、ビタミンDは自然露地栽培したアガリクスにのみ含まれます。ビタミンDのもつ働きのひとつに、細胞の分化や増殖の調整があります。多くの癌細胞にビタミンDの受容体が認められており、ビタミンDが癌細胞の増殖の抑制や分化の誘導をすることが研究によってわかっています。

また、ビタミンDは遺伝子に働きかけ免疫力を増強したり、がんを抑制する可能性も指摘されています。

このビタミンDとβ-グルカンが豊富に含まれることの相乗効果で、癌の抑制効果が期待できるとされているのです。

アガリクスの効果に明確なエビデンスは少ない

「免疫力を高める」、「癌を抑える効果がある」などといわれるアガリクス。しかし、国立健康・栄養研究所では、「アガリクス(KA21=ブラジル産自然露地栽培)で免疫細胞が活性化した」、「品質管理されたアガリクスで、免疫細胞が活性化、抗がん剤の副作用(食欲不振、脱毛、全身倦怠感など)が軽減された」といった臨床試験結果が掲載されてはいるものの、対象が少人数などの理由で「さらなる検証が必要である」とまとめられています。

また、これらのデータはあくまで免疫細胞の活性化を評価したもので、ヒトを対象とした厳密な臨床研究(ランダム化比較試験:略称RCT)で、アガリクスの抗癌作用を証明した報告は1例もないのです。

抗癌作用に関しては、細胞試験や動物試験での効果は認められているものの、あくまでも細胞試験、動物試験での結果であり、ヒトに対しての明確な機能性は表現できず、「アガリクスが癌に効く」とは言いきれないのが現状です。

また、アガリクスを含む製品には、製品により品質に大きな違いがあることから、厚生労働省では「製品毎の安全性については、その製品の製造者・販売者に問い合わせるなどしていただき、慎重に判断してください」としています。このように、アガリクスの効果に関しては、さまざまな見解があります。摂取するに際しては、その点も踏まえることが大切です。