PMSの軽減にピルがいいといわれる理由とメカニズム

更新日:2016/12/09 公開日:2015/12/16

PMS・PMDDの改善方法・対処法

PMSの治療では、低用量ピルや超低用量ピルを用いることがあります(治療目的で使うピルは経口避妊薬とは別のものになります)。低用量ピルはどのようなメカニズムでPMSの症状を軽減するのでしょうか。低用量ピルがPMSの軽減につながる理由とメカニズムについて解説します。

低用量ピルがPMSの軽減に効果を現す理由を確認しましょう。

ピルがPMSの症状を軽くする理由

PMSの症状は、排卵の前後に起こるエストロゲンとプロゲステロンの急激な変化が関係すると考えられています。そのため、PMSの治療は、エストロゲンとプロゲステロンに似た作用を持ったホルモンを含む低用量ピルを用いて、排卵を抑制することでホルモンの波を一定にさせ、PMSの軽減を目指します。

ピルによる身体の変化を見ると、女性ホルモンをピルから取り込むことによって、脳は女性ホルモンを分泌しないモードになり、卵巣を刺激するホルモンの分泌が低下します。すると、卵巣は刺激を受けないため、卵巣機能が休止モードに傾き、排卵が起こりません。

排卵が抑えられることによって女性ホルモンの波が、服用前の変動に比べてある程度一定になるため、PMSの症状が軽くなります。

低用量ピルの飲み方

ピルは毎日同じ時間に飲みましょう。低用量ピルには21錠タイプと28錠タイプの2種類があり、いずれも成分が入っているのは21日分のみです。28錠タイプの場合、21日間ピルを飲んだ後は、「プラセボ」と呼ばれるピルの成分を含まない偽薬(ぎやく)を7日間飲みます。一方、21錠タイプは3週間服用した後1週間薬を飲まずに過ごします。

ピルは次の月経のときに効果を感じる人もいますが、効果が現れるまでに2~3か月かかる人もいるため、焦らずに継続してみるといいでしょう。また、飲み忘れのないように注意しましょう。

ピル服用の効果やメリット

PMS以外のピルの効果

ピルを飲むと、生理痛の原因といわれるプロスタグランジンの分泌を抑えられるため、生理痛が軽減することもあります。また、子宮内膜があまり厚くならないので月経血が少なくなるのもピルの効果です。さらに、女性ホルモンのバランスが整うため規則的に月経が来るようになります。

その他のメリット

ピルによって肌トラブルが軽減し、精神的にも安定するほか、卵巣がんや子宮体がんなどのリスクを低下させるなどの報告もあります。

ただし、効果には個人差があるため、必ずしもすべての人にこういった効果が現れるわけではありません。

ピルの主な副作用と注意点

副作用としては頭痛をはじめ、吐き気や不正出血などが起こることがあります。また、ごくまれに血栓ができることがあります。副作用は服用を始めて3か月ほどの間に起こりやすいので、身体の変化にはとくに注意しましょう。

なお、ピルは乳がんの発生率を高めるという指摘もありますが、乳がんの発生リスクとピルの関連性については、現段階では否定的な意見が多いです。

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