はしか(麻疹)の予防接種とワクチン

更新日:2016/12/09 公開日:2016/01/09

はしか(麻疹)の治療と予防

はしかを確実に予防するためには、はしかワクチンを2回接種することが勧められています。でも、なぜ2回も接種しなくてはならないのでしょうか。今回は、はしかワクチンの2回接種が必要な理由などをお話していきます。

はしかのワクチンの2回接種の必要性や、はしかワクチンの種類をご紹介していきます。

はしか(麻疹)の予防接種の必要性

はしかは、はしかウイルスへの感染で発症する感染症です。はしかは、大人や、5歳未満の子供が重症化しやすい病気です。それだけでなく、体力を消耗して抵抗力が落ちてしまうので、命にかかわる合併症を引き起こすこともあります。

実は、日本国土における土着ウイルスは現在完全に排除されており、国内での感染者は海外から持ち込まれたウイルスによるものです。

また、2006年からは、はしか・風疹の混合ワクチンの定期接種が導入され、1歳のときと、小学校入学前の1年間に受ける機会があります。その成果もあって、現在では、はしかにかかる子供の数が減少していますが、ワクチンを受けていなかった年長児や、過去にワクチンを接種したことがある大人が、海外から持ち込まれたウイルスによってはしかに感染する例もあります。ちなみに、2014年の報告では、はしかの発症年齢は5歳未満と20代の成人にピークがあるようです。

なぜ、過去にワクチンを接種した大人が、はしかにかかってしまうのでしょうか。これには、ワクチンの普及や国内の土着ウイルスが完全に排除されたことによって、はしかの流行が減少したことが関係しています。というのも、自然のはしかウイルスに接する機会が少ないと、予防接種でせっかくつくられた免疫が、時間の経過とともに低下してしまうことがあるからです。

また、ワクチンを接種した当日や翌日に、風邪で高熱を出すと、ワクチンによる免疫が十分につかないことがあります。これは高熱を出すと、「インターフェロン」などのウイルスの増殖を抑える物質が血液中に分泌され、ワクチンウイルスの増殖が妨げられてしまうのが原因です。

しかし、ワクチンは、2回接種すれば、1回目で免疫がつかなかった人や、時間の経過とともに免疫が低下してしまった人にも、しっかり免疫をつけることができます。一度もワクチンを接種したことがない人はもちろんですが、2回目の接種がまだの人も、血液検査をして抗体有無を確認し、必要と診断されたら、ワクチンを接種するようにしましょう。

麻疹ワクチンの種類と効果

現在、はしか予防に用いられているのは、「生ワクチン」だけです。これは、病原性を弱めたウイルスを接種することで、そのウイルスを体の中で増殖させ、免疫力をつけようとするもの。その病気にかかったのと近い状態で、免疫をつけられるという特徴があります。

そして、国産のはしかのワクチンには、はしかだけを予防する「単独ワクチン(乾燥弱毒性麻疹ワクチン)」と、はしか・風疹を予防する「混合ワクチン(乾燥弱毒性麻しん風しん混合ワクチン)」があります。

どちらのワクチンも、接種して約2週間後に免疫がつくられ、20〜30年くらい免疫が持続すると考えられています。また通常、1回目のワクチンでは95%の人に、2回目のワクチンでは99%の人に免疫をつくとされています。

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