症状が違う!大人のRSウイルス感染症の症状と注意点

更新日:2017/03/29 公開日:2016/01/22

RSウイルス感染症の基礎知識

2歳までの子供の多くが感染するといわれているRSウイルス。大人が感染しても風邪に似た症状でおさまることがほとんどですが、持病が悪化するケースもあります。ドクター監修のもと大人のRSウイルス感染について解説してきます。

免疫力の弱い子供が感染しやすいRSウイルスですが、大人にも感染するのでしょうか?

RSウイルス感染症とは

RSウイルスのRSとは、respiratory syncytial=呼吸器の合胞体の略です。ウイルスが感染した際、呼吸器の細胞が合わさって1つになるため、そういわれています。感染によって、のどや気管など呼吸器に症状が現れます。

大人もRSウイルスに感染するのか

肺や気管などの呼吸器が感染するRSウイルスは、2歳までにほとんどの乳幼児が感染するといわれています。RSウイルスは感染と発症をくりかえしていく中で、体内に抗体は作られていきますが、抗体自体に十分な防御効果がないため、何度も感染してしまう可能性があるのです。それでもRSウイルスに対する免疫があるため、ほとんどの人は感染しても咳や鼻水、発熱などの症状が出たあとは、数日経過すると症状は軽くなっていきます。しかし、免疫力が弱まっている高齢者の場合や持病を持っている人がRSウイルスに感染するとインフルエンザと同じような致命率を引き起こす危険性があるので注意が必要です。

※高齢者のRSウイルス感染症については、『死亡率が高い!?高齢者のRSウイルス感染について』をご覧ください。

大人と子供のRSウイルス感染症の違い

子供のRSウイルス感染症の症状

RSウイルスの主症状は、鼻水が出る、38~39℃の発熱がある、咳が出るなどです。

生後1歳までの乳幼児は半数以上、2歳までにほぼ全員が、少なくとも1度はRSウイルスに感染するといわれていますが、免疫力のない乳児は症状が重くなりやすいので注意が必要です。特に、出産が早まったことにより小さい状態で生まれてきた低出生体重児、心臓や肺に病気を持っている乳児、免疫不全やダウン症などの乳児は、感染予防に努めましょう。

大人の場合風邪と思い過ごしやすい

大人がRSウイルスに感染した場合は、ほとんどが風邪に似た咳、痰、鼻水、熱などの症状のみで、数日経過すると自然に治っていきます。このため、症状がおさまるとただの風邪だったと思い過ごしてしまうことも多いでしょう。しかし、RSウイルスは感染後、体外からウイルスが排泄される期間は7~21日と、体外に出す時間が長い特徴があるため、周囲にウイルスを撒き散らし、感染が広がるおそれがあります。

また、呼吸器などに病気がある人、免疫力が弱い人などは、RSウイルスに感染することで肺炎などを引き起こし、重症化してしまう危険性もあるので軽視しないようにしましょう。

喘息とRSウイルスの関係性

RSウイルスが、喘息の引き金となるというレポートが海外で報告されているそうです。たとえばスウェーデンでは、3歳までにRSウイルスがきっかけによる細気管支炎が発症した場合、7歳半までに喘息になる可能性は発症しなかった子供の10倍以上になるという報告があります。

※喘息とRSウイルスの関係性については、『RSウイルスが喘息の発症の引き金になる?』をご覧ください。

RSウイルス感染症の注意点と対処法

RSウイルスはインフルエンザなどと異なり、ワクチンなどで予防することができません。さらに、ウイルスを撃退する特別な治療もなく対症療法が一般的となっています。多くの場合はRSウイルスに感染しても風邪に似た症状でおさまりますが、まれにRSウイルスの感染がきっかけになり、もともと持っていた病気が悪化してしまうこともあります。特に、タバコの吸い過ぎなどが原因で肺気腫を患っている人は要注意です。RSウイルスが呼吸器に感染して、肺炎が発症すると、肺気腫を悪化させてしまい、肺炎が治ってももとの状態には戻らないケースもあるのです。症状が悪化した場合は我慢せずすぐに医師に相談するようにしましょう。

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