死亡率が高い!?高齢者のRSウイルス感染について

更新日:2016/12/15

RSウイルス感染症の基礎知識

アメリカでは、RSウイルス関連による死亡率は乳幼児よりも高齢者の方が多いという調査結果が出ています。最近では日本でも注意喚起が増えてきた高齢者のRSウイルス感染について、その特徴と危険性をドクター監修のもと解説します。

乳幼児が注意すべきとされていたRSウイルスですが、近年、高齢者への注意喚起が増えてきています。高齢者のRSウイルス感染にはどのような危険が潜んでいるのでしょうか。

高齢者のRSウイルスの感染率

最近では乳幼児だけではなく、高齢者がRSウイルスに感染してしまうケースも重要視され、注目が高まってきています。特に病院や介護施設などで、RSウイルス感染者が発生した場合、集団感染してしまう危険性もあるからです。アメリカの疾病対策センター(CDC)によると、アメリカでは、RSウイルスに関連して亡くなる1歳未満の子供は10万人あたりで5.4人。これに対して65歳以上の高齢者の死亡率は10万人あたりで29.6人と、子供に比べて5倍以上高い推計が出ているのです。日本でも高齢者のRSウイルス感染については、さまざまな研究機関やメディアで注意を呼びかけています。

高齢者のRSウイルス感染症の特徴・症状

大人や高齢者がRSウイルスに感染すると、鼻汁、発熱、咳嗽といった風邪のような症状のほかに、喀痰や喘鳴、呼吸困難などが現れることがあります。

一般的に高齢者は、肺や心臓、腎臓などの機能が低くなりがちです。そこで、RSウイルスに感染すると、気管支に炎症を起こしてしまい、肺機能が悪化してしまうのです。肺が正常に機能しなくなると、血液中の酸素濃度を保てなくなってしまい、時には人工呼吸器を付けなければいけないほど、呼吸機能が保てなくなる場合があります。

また、高齢者のなかでも、長年喫煙をしていたことにより、気管支の壁が壊れ酸素と二酸化炭素の交換がうまくできない病気である“肺気腫”を発症している方は、RSウイルスに感染すると重症化に陥る危険性があります。慢性呼吸器疾患を併発している高齢者は、RSウイルスに感染しないように細心の注意を払う必要があるのです。

高齢者がRSウイルス感染症を発症した際の注意点

高齢者は乳幼児と同じように身体の免疫力が低いため、RSウイルスからの感染を防ぐには、マスクを着用しうがいや石けんによる手洗いを頻繁に行うことが重要です。また、介護施設の中でたくさんの人が触れる手すりやドアノブなどは、消毒液を使用してこまめに消毒するように心がけましょう。万が一、RSウイルス感染が疑われる症状を高齢者が発症した場合は、速やかに治療を行い、他の高齢者との接触を極力避ける必要があります。集団感染を防ぐためには、迅速な対処が求められます。介護する方々はもちろん、高齢者の方もRSウイルスに関する正しい知識を持つことが大切となってきます。

この病気・症状の初診に向いている科 内科