夜尿症の原因として考えられるものとは

更新日:2016/12/15

夜尿症の基礎知識

夜尿症の原因は大きくふたつに分けられます。夜中の尿量が多すぎる場合と、膀胱に溜められる尿量が少なすぎる場合です。それぞれ、どうしてそのような状態になるのか、ドクター監修のもと夜尿のメカニズムを明らかにしていきます。

夜尿症には、夜間につくられるおしっこの量が多いことで起こる「多尿型夜尿症」と、膀胱の容量が小さいために起こる「膀胱型夜尿症」の大きくふたつのタイプがあります。それぞれの原因として、どのようなものが考えられているのかを紹介します。

多尿型夜尿症の原因として考えられているもの

夜間の尿量が多いため膀胱からあふれてしまう多尿型夜尿症。原因としては以下のものが考えられています。

抗利尿ホルモンの分泌が不十分

抗利尿ホルモンとは、尿量を抑制するホルモンのことで、体内の水分量を調節する働きがあります。通常であれば夜間の就寝時は抗利尿ホルモンが多く分泌され、夜間の尿量は昼間の60%程度に減ります。それによって朝までトイレに起きずに済むことができているのです。しかし、この抗利尿ホルモンが十分に分泌されないと夜間に尿が大量につくられてしまい、夜尿の原因となります。

水分の摂りすぎ

抗利尿ホルモンの分泌が正常でも、夕方以降に抗利尿ホルモンが対応しきれないほど多量の水分を摂れば夜尿の原因になります。

膀胱型夜尿症の原因として考えられているもの

膀胱の容量が低下し、少ない尿量でも膀胱が溜められずに排尿してしまうのが膀胱型夜尿症です。膀胱型夜尿症の原因としては以下のものが考えられています。

不安定膀胱

膀胱内のおしっこがまだ少量であるうちに膀胱が収縮してしまい、一部のおしっこが排出される、いわゆる「ちびり」が起こるのが不安定膀胱です。膀胱の収縮を制御しているのは大脳ですが、この部分の働きが未発達であるために起こります。幼児期は誰もが未発達であるため、みんなが不安定膀胱であると言えます。

過活動膀胱

おしっこの排出、蓄積は自律神経が制御しています。この自律神経がうまく働かないことが原因で、膀胱にはまだ余裕があるのに膀胱排尿筋が過敏に活動してしまうことを過活動膀胱と呼び、夜尿の原因となります。この場合、1回の夜尿の量は少なくなります。

神経因性膀胱

排尿のコントロールにかかわる大脳、脊髄、末梢神経などの神経系の障害が、夜尿症や尿漏れの原因となっていることがあります。神経系に障害が起こる原因として、脳卒中や認知症、生まれつきの病気である二分脊椎症、糖尿病による神経障害などがあげられます。

そのほか夜尿症の原因となると考えられているもの

睡眠の影響

睡眠の質が悪いと夜間につくられるおしっこの量をコントロールできない、または膀胱に溜められる量を増やすことができないという考えがありますが、現在はまだ研究段階です。

心理的ストレス

もう6か月以上夜尿が見られず、夜中のおもらしは卒業かと思われていたときにいきなり夜尿が再発することがあります。こういった場合には、なんらかのストレスが関わっていることが考えられます。感情をつかさどる視床下部は自律神経と深いつながりがあるので、ストレスを感じると自律神経の働きに影響が出てしまうのです。

膀胱や腎臓の異常

夜尿だけでなく昼間もパンツが濡れることがある場合は、膀胱や腎臓になんらかの病気が潜んでいることがあります。

このように、夜尿の原因にはさまざまなものが考えられ、複数の原因が重なっていることもあります。

夜尿症では、「子供の性格によるもの」「育て方に問題がある」などと言われることがありますが、こういった考えは間違いであることを知っておきましょう。

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