盲腸(急性虫垂炎)とは

更新日:2016/12/15

盲腸の基礎知識

「盲腸」は普段、病名のように使っていますが、本来は臓器の名称です。正式な病名は「急性虫垂炎」と言います。実際はどのような病気なのか、ドクター監修のもと、病気の進行による分類とともに解説していきます。

川本徹先生

この記事の監修ドクター

みなと芝クリニック 院長  川本徹先生

盲腸(急性虫垂炎)について、どのような病気か、どのような種類があるか、詳しく解説します。

盲腸の虫垂で炎症が起きる病気

正式には「急性虫垂炎(きゅうせいちゅうすいえん)」と呼ばれる病気で、「盲腸」とは俗称です。本来、盲腸は臓器の名称で、右下腹部の小腸から大腸につながる末端部分にあります。急性虫垂炎は、盲腸のうちの「虫垂」という部位で炎症が起きる病気です。虫垂は7〜8cmほどの細長い袋状で、盲腸からぶら下がるような形で存在しています。昔は治療の遅れにより、炎症が盲腸まで達することが多かったため、「盲腸」と呼ばれるようなりました。

人が一生のうちに盲腸にかかる可能性は、およそ7%。もっともかかりやすい年代は、10〜30代といわれています。

虫垂は免疫に関係が深い臓器だといわれていますが、成人にとってはそれほど重要ではなく、盲腸の治療においては、切除されることがほとんどです。

はっきりとした原因は不明

盲腸の発症原因は、実ははっきりとはわかっていません。考えられる原因としては、細菌やウイルスの侵入、ストレスや生活習慣の乱れなどがあげられています。盲腸の原因について、詳しくは『ストレスが原因?盲腸(急性虫垂炎)はなぜ発症するのか』をご覧ください。

盲腸(急性虫垂炎)の分類

盲腸は時間の経過とともに進行し、進行の程度によって分類されます。炎症が進むと最終的には腹膜炎を発症します。

(1)カタル性虫垂炎

盲腸の初期段階。軽度の炎症が見られます。手術による治療を行うこともありますが、抗生物質による薬物療法も可能です。

(2)蜂窩織炎性(ほうかしきえんせい)虫垂炎

カタル性虫垂炎よりも進行した状態で、虫垂内部に膿が溜る、虫垂表面に膿があるなどの症状が見られます。手術による虫垂の切除が必要となります。

(3)壊疽性(えそせい)虫垂炎

虫垂組織の壊死により虫垂の壁が腐り、破れてしまった状態です。腹膜炎を併発する可能性があるため、早急に手術が必要となります。

(4)汎発性腹膜炎(はんぱつせいふくまくえん)

虫垂の壁が破壊されたことによって、膿が下腹部まで広がり、腹部全体に炎症が起こった状態です。最悪の場合は敗血症になって命に関わることもあります。

盲腸が、自然に治ることはありません。時間が経てば経つほど重症化し、症状が出始めて24時間で腸壁に穴があくケースも多く見られます。早い段階で治療を受けることが大切です。

盲腸(急性虫垂炎)の手術治療については『手術が必要となる盲腸(急性虫垂炎)の治療』を、薬物治療については『盲腸(急性虫垂炎)の治療法である「薬で散らす」とは』をご覧ください。

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