頻繁に尿もれしてしまう原因は?

更新日:2017/03/23 公開日:2016/02/22

そのほかの尿の異変・トラブル

男女問わず、多くの方が悩んでいる尿もれ。尿もれは、生活するうえで困る症状ですが、恥ずかしさなどから我慢してしまう人も少なくありません。気になる尿もれの種類や原因について、ドクター監修の記事で詳しくお伝えします。

尿もれの原因はさまざま

尿もれ、もしくは尿失禁は、自分の意志とは関係なく尿がもれ、社会的・衛生的に支障をきたすようになった状態のことを指します。尿失禁には、大きく分けて「腹圧性尿失禁」「切迫性尿失禁」「溢流性(いつりゅうせい)尿失禁」「機能性尿失禁」「反射性尿失禁」の5つのタイプがあります。

腹圧性尿失禁

咳やくしゃみ、重い荷物を持つなどのお腹に圧力がかかる動作をすることで、尿がもれてしまうものを指します。膀胱や尿道の働きはほぼ正常ですが、骨盤を支えている骨盤底筋のゆがみや、膀胱や尿道の位置が下がってしまうために起こります。

切迫性尿失禁

急な尿意を我慢できずに、もらしてしまうタイプの尿失禁です。排尿をコントロールする神経に異常が起き、尿が少ししか溜まっていないのに膀胱が勝手に収縮してしまう、膀胱の過活動(過活動膀胱)が原因です。過活動膀胱が進むと切迫性尿失禁を生じます。

溢流性(いつりゅうせい)尿失禁

膀胱が満タンになっているのに尿意を感じない、または尿が出しづらく残尿が多くなることで、少しずつ尿がもれるのがこのタイプ。溢流性失禁の背景には、膀胱収縮障害や膀胱の出口閉塞などの排尿障害があります。

機能性尿失禁

運動機能障害や認知症などが原因で尿をもらしてしまうものです。排尿機能自体は正常ですが、歩行障害や認識力・判断力の低下で起こります。

反射性尿失禁

脊髄(せきずい)や脳の障害により、膀胱に尿がたまると反射的に排出してしまう尿失禁のことです。尿意を感じないため、コントロールすることができません。

女性に多い尿もれとは

高齢者を除いた女性にもっともよく見られる尿もれは、「腹圧性尿失禁」といわれています。

骨盤底筋のゆるみが原因

腹圧性尿失禁の主な原因は、「骨盤底筋」のゆるみです。骨盤底筋は、骨盤の中で内臓などを支え、尿道括約筋(かつやくきん)などとともに、尿道を閉める役割をします。骨盤底筋のゆるみにより、膀胱や尿道の位置がお尻の方へ下がったり、尿道が正常に支えられず不安定になったりします。そのため、腹圧がかかったときに尿道をしっかり閉じることができなくなり、尿もれが起こりやすくなるのです。

骨盤底筋がゆるむ原因1:妊娠・出産

骨盤底筋がゆるむ最大の原因は、妊娠や出産です。妊娠中の子宮の重みは骨盤底に負担をかけ、さらに、分娩時には骨盤底や尿道周辺の筋肉や靭帯が引っ張られ、伸びたりゆるんだりしてしまいます。出産までのあいだに腹圧で尿を絞り出すくせがつくことも、原因のひとつとして考えられます。実際に、腹圧性尿失禁の9割以上が出産経験者だといわれています。

骨盤底筋がゆるむ原因2:加齢

また、加齢も大きな原因のひとつとなります。特に、閉経前後は女性ホルモンが低下するため、尿もれが悪化しやすい傾向にあります。症状が軽い場合は、骨盤底筋を鍛える「骨盤底トレーニング」で改善が期待できます。症状の程度によっては、手術が必要となることもありますが、体への負担が少なく治療効果も高い手術法も出てきています。

また、加齢とともに「切迫性尿失禁」の割合が増えてきます。膀胱が勝手に収縮してしまうのにはさまざまな原因があります。寒さ、冷たい水の使用、水の音を聞いた時の刺激などがあげられます。そのほか、脳出血や脳梗塞の後遺症、パーキンソン病などの神経の疾患が原因になることもあります。

切迫性尿失禁には、膀胱の収縮を抑える薬による治療が効果的です。軽症の場合は、尿がある程度溜まるまで我慢し、膀胱にためられる尿量を大きくする「膀胱トレーニング」などの方法もあります。さらに、「腹圧性尿失禁」と「切迫性尿失禁」の両方の要素を含んだ、混合型の尿失禁の場合もあり、両方のタイプの尿失禁の治療が必要になるケースもあります。

男性に多い尿もれとは

男性は加齢とともに「前立腺肥大症」の頻度が増えてきます。

前立腺は生殖器のひとつで、直腸と恥骨の間にあり、膀胱の出口で尿道を取り囲んでいます。前立腺肥大症では、尿が出にくい、頻尿などの症状があります。尿が出にくく、排尿後に膀胱内に尿が多量に残るようになると、「溢流性尿失禁」が起きます。

また、前立腺肥大症では過活動膀胱を50~70%に合併します。過活動膀胱が進むと切迫性尿失禁をきたすようになります。また、女性同様に、脳出血や脳梗塞の後遺症、パーキンソン病などの神経の疾患が切迫性尿失禁の原因になることもあります。尿もれが進むと日常生活を送るのが困難になります。症状が軽いうちに適切な治療を行い、悪化を防ぎましょう。

手軽にできる尿もれ対策とは?

ここでは、特に女性の尿もれ防止に役立つ骨盤底筋を鍛えるトレーニングを紹介します。日常のさまざまなシーンで、少しずつ取り入れてみましょう。

以下の体操は1セットにつき、「締めて、ゆるめる」という動き5回速いスピードで繰り返し、締めたまま5秒キープするのを5回繰り返します。筋肉の状態で個人差がありますが、1日10~40セットを目安に行いましょう。

就寝前後に

仰向けの姿勢になったら足を肩幅に開き、ひざを軽く立てます。仰向けの状態のままで肛門と膣を締め、胃のほうに持ち上げるようにし、ゆっくりと5つ数えます。その後、ゆっくり肛門と膣に入った力をゆるめましょう。

デスクワークの息抜きに

足と腕を肩幅に開き、手を机について全体重を両手にかけるようにします。背中を伸ばしたときに顔を上げ、肛門と膣を締めるようにします。その後、胃のほうに持ち上げるようにして、5つ数えましょう。5つ数え終わったら、徐々に肛門と膣に入った力をゆるめていきます。

これは電車やバスなどの移動中にも取り入れられる体操です。

イスに腰掛けた状態で、床につけた足を肩幅に開きます。背中は真っすぐの状態で、顔と視線は前を見るようにしましょう。お腹に力を入れないように気をつけながら、肛門と膣を締めて胃のほうに持ち上げるようにして5つ数えます。そして、肛門と膣を徐々にゆるめていきます。

新聞を読みながら

就寝前はもちろん、自宅で新聞を読む際にも取り入れられる体操です。

床にひざをつき、四つん這いの体勢になります。クッションや枕などの上にひじを立て、手にアゴを乗せるようにします。その状態のまま、肛門と膣を締め胃のほうに持ち上げるようにして5つ数えましょう。

この病気・症状の初診に向いている科 泌尿器科

ヘルスケア大学へのご意見・ご感想

このページはお役に立ちましたか?
皆様のご意見・ご感想をお聞かせ下さい。

※いただいたご意見・ご感想に対してのお返事は差し上げておりません。

公式アプリ

fem.
fem.

毎日1つ。ドクター監修の簡単ヘルスケア・ビューティー習慣!