胎児におこりうる不整脈「胎児頻脈性不整脈」とは

更新日:2016/12/09

不整脈の基礎知識

胎児に起こる胎児頻脈性不整脈について、ドクター監修の記事でお伝えします。胎児の不整脈は大人の不整脈と違った特徴があります。正しい知識を身につけて適切な検査・診断・治療を受けられるようにしておきましょう。

母親のお腹の中にいる胎児にも不整脈が起こることがあります。

胎児頻脈性不整脈とは

胎児の心拍が異常に早くなることを胎児頻脈性不整脈と言います。心拍数が1分間に180回以上になったら胎児頻脈性不整脈と考えてよいでしょう。

脈が速い状態が長く続くと、心臓のポンプ機能が衰えて血液をうまく送り出せなくなります。そのため、胸やお腹に水がたまったり、皮膚がむくんだりしてしまうことがあるのです。その状態が悪化すると、全身がむくむ胎児水腫になる可能性もあります。

また、心不全を起こして胎児の心臓の機能が低下する恐れや、最悪の場合では胎児が亡くなってしまう子宮内胎児死亡にいたることもあるので注意が必要です。

胎児頻脈性不整脈の検査・診断方法

胎児頻脈性不整脈に関する専門的知識のある医師による検査を受ける必要があります。胎児頻脈性不整脈の可能性がある場合には、早めに適切な検査を受けて正確な診断をしてもらいましょう。

胎児頻脈性不整脈の診断に必要なのは、超音波検査です。超音波検査によって心房や心室が収縮している回数やタイミングなどを確認し、心房粗動か上室性頻拍のどちらであるかを判断します。

胎児頻脈性不整脈の治療法

検査により胎児頻脈性不整脈と診断された場合、母体に脈を遅くする作用のある抗不整脈薬を与える方法があります。母体が服薬することで、胎盤を通して薬を胎児に届けることができるからです。この治療法で、胎児の心臓のポンプ機能が高い確率で改善することがわかってきました。ある報告によると、約8割の胎児に効果があったといわれています。

とはいえ、この治療法が有効であるか、また安全であるかに関しては臨床試験が継続されている状況です。つまり、まだ治療法として確立しているとは言いきれない状態なのです。

胎児頻脈性不整脈は治療をしなくても自然に治まる可能性もあります。しかし、不整脈が続くと危険な場合があるので治療が必要となるでしょう。出産を早めて治療を行うケースもあります。

この病気・症状の初診に向いている科 循環器内科