使いすぎには注意!歯間ブラシの選び方と使い方

更新日:2017/08/23 公開日:2016/02/24

歯間ブラシ

歯間ブラシは、歯と歯の間が大きく開いている場所に溜まった歯垢(プラーク)を除去するのに有効なアイテムです。ここではドクター監修の記事で、歯間ブラシの特徴、正しい使い方および手入れの方法、その効果について解説します。

歯ブラシで歯を磨くときにあわせて使いたいのが、歯間ブラシです。歯間ブラシを上手に活用し、歯と歯の間の歯垢(プラーク)を除去することで、虫歯や歯周病の予防のほか早期発見が可能になります。

歯間ブラシの特徴

歯間ブラシは歯周病の治療器具として開発されました。歯周病や加齢によって歯茎が下がり、歯と歯の間に大きくすき間ができている場合に使用することで効果を発揮します。歯間ブラシの形状は、金属ワイヤーでナイロン製の毛をねじってまとめ、それをプラスチックの柄に取り付け小さなブラシ状にしたものです。歯ブラシだけでは磨き残してしまいがちな歯と歯の間の歯垢(プラーク)を効率的に除去します。

歯間ブラシはプラーク除去に効果的

歯と歯の間にすき間が空いていると、そこにプラーク(歯垢)が溜まりやすくなります。プラークとは細菌のかたまりで、このプラークを放置しておくと歯茎が炎症を起こし、膿が溜まったり出血が起こりやすくなったりします。さらに悪化すると歯を支える骨である歯槽骨(しそうこつ)が侵され、歯が抜け落ちてしまうこともあります。プラークを取り除くためには毎日の歯磨きが重要ですが、それだけではなかなか取り除けないため、歯間ブラシやデンタルフロスの使用が有効となってきます。正しく歯間ブラシを使用することで、歯間のプラークは8割~9割除去できるといわれています。

歯間ブラシの種類

I字型とL字型の違い

歯間ブラシには、前歯に適した「I字型」と、奥歯に適した「L字型」の2タイプがあります。前歯にはどちらの型でもそのまま使えますが、奥歯にI字型をそのまま用いるとうまく磨けません。ブラシの根元にあるプラスチック部分から先端を、L字型になるまでしっかり折り曲げて使いましょう(メーカーによって折り曲げる位置に多少の違いがあります)。歯間ブラシは鉛筆のように持ち、力の入れすぎに注意してください。

ブラシのサイズ

歯間ブラシの大きさにはSSSからLまで幅広いサイズがあります。ブラシが小さすぎると歯垢(プラーク)が取りきれず、大きすぎると歯茎に傷をつけるおそれがあります。初めて歯間ブラシを使う方や歯間が狭い方には、ブラシの最小通過径が0.8mm以下の「SSS」サイズと、0.8~1.0mmの「SS」サイズが適しています。最小通過径1.0~1.2mmの「S」サイズは、少し歯茎が下がっている部分に。1.2~1.5mmの「M」と1.5~1.8mmの「L」サイズは、歯茎の退縮が進んでいる場所や歯列矯正装置の周囲に適しています。

歯間ブラシの選び方

歯間ブラシは、無理のない動きができるものを選ぶことが大切。ブラシを挿し込んでスカスカする場合はブラシが小さく、芯部分の針金が歯に当たる場合はブラシが大きすぎます。前歯と奥歯で歯茎の状態が異なるときは、ブラシを使い分けるとよいでしょう。

歯間ブラシの正しい使い方

I字型タイプ

I字型を前歯に使う場合には、歯と歯の間にゆっくりと挿し込み、前後に数回やさしく動かします。奥歯に使う場合には、歯間ブラシのプラスチック部分からブラシを90度に折り曲げてから、歯と歯の間にゆっくりと挿し込んでください。左右に数回やさしく動かして汚れを取り除きます。口は小さめに開け、歯間ブラシで頬の内側を押し出すようにすると動かしやすくなります。

L字型タイプ

前歯、奥歯のどちらに使う場合も、歯と歯の間にゆっくりと歯間ブラシを挿し込みます。ブラシの動かし方は、前歯は「前後に数回」、奥歯は「左右に数回」を心がけてください。奥歯に使うときはI字型と同様に、口を小さめに開け、歯間ブラシで頬の内側を押し出すように入れます。

挿し込むときのポイントは、歯と歯の根元に「直角に入れる」を意識することです。角度が合っていないと歯茎を傷めたり、歯間ブラシの針金が折れたりします。歯間ブラシに慣れてきたら、奥歯のケアの際には内側からも挿し込んで動かしてみましょう。歯垢(プラーク)をよりしっかり取り除くことができます。

歯間ブラシはどのような場合に有効?

歯周病の治療

歯科医院では、歯周病の治療のために歯間ブラシによるケアがすすめられます。歯肉の腫れ具合や骨の欠損状況から、適切なサイズの歯間ブラシを使用するようにしましょう。歯肉の腫れがプラークの除去によって減少し、健康な歯茎へと変化していきます。適切に使用すればおよそ2~3週間で効果があらわれます。

また、過去に歯周病になったことがある方にも歯間ブラシはおすすめです。一度歯周病になり、歯茎が下がったり、歯を支える骨が溶けたりといった症状が出たことのある方は、歯周病の進行が止まっても、健康な歯周組織の方と比べ清掃が難しくなっています。せっかく治った歯周組織の維持のため、また、再発予防のためにも歯間ブラシでのケアが大切になります。

歯間部の清掃

固定性のブリッジ(欠損した歯の両側の歯を削り、橋を架けたもの)では、歯間ブラシを使用したほうが効果的なものがあります。また、インプラントの連結冠(2本以上がつながって入っている場合)、デンタルフロスが入らない固定された歯間部の清掃に効果的です。

歯間ブラシを使用する際の注意点

歯間ブラシは、歯や歯茎の状態、使用する歯の位置などによって適切なものが変わってきます。適切なサイズや形状の歯間ブラシを使用しなければ、かえって歯のすき間を拡げてしまったり、歯に傷をつけたりしてしまいます。歯間ブラシを使用する際は、一度かかりつけの歯科医院を受診して歯や歯茎の状態を診てもらい、適切な歯間ブラシを選んでもらいましょう。

歯周病治療で歯間ブラシを使用する場合は、歯茎が次第に治り、形や状態が変わっていきますので、必ず歯科医師、歯科衛生士の指示に合わせた通院が必要です。通院時に歯茎の状態を診てもらい、適切な歯間ブラシをその都度処方してもらいましょう。

健康な歯茎の場合は使いすぎに要注意!

一番小さい歯間ブラシでも入らない、もしくは入りづらいような、歯と歯の間にすき間のない健康な歯茎では、歯間ブラシは逆効果になってしまうことがあります。きつくて入りにくい歯と歯の間にブラシを無理矢理入れると、最初は痛くて血が出ますがそのうち入りやすくなってきます。これは健康な歯間乳頭を歯間ブラシが削り取りケガを負わせた状態です。

歯間乳頭が無くなると歯と歯の間にすき間ができて食べかすやプラークが残りやすくなり、虫歯や歯周病の悪化につながります。長期に使用を続けるとすき間はさらに大きくなり、歯根が削れて細くなったり、歯が動いて噛み合わせまで変わったりしてしまうこともあります。また、詰めもの、被せものが外れたり壊れたりする可能性もあります。歯と歯の間にすき間がない場合は、歯間ブラシは使わず、デンタルフロスを使用するようにしましょう。食べかすをとるための爪楊枝代わりにする、といった安易な使い方は避けてください。

歯間ブラシは使い方を誤ると思わぬトラブルにつながります。歯間ブラシを使用する際は歯科医師に相談し、歯科衛生士の指導を受け正しく使用することをおすすめします。

歯間ブラシの交換頻度

歯間ブラシを交換するタイミングは歯周病の治療をしている方の場合、使い方や使用頻度によって異なりますが、治療初期(歯間ブラシを使うと歯茎が腫れて血が出ている)で約1週間。予防を目的とした使用でも約2週間を目安にしてください。使い古したブラシには雑菌が繁殖するので、長期間使い続けることはやめましょう。

歯ブラシの場合は、適切な使用でどのメーカーでも最長約1か月での交換を推奨しています。しかし、歯間ブラシの場合は構造がとても繊細なために消耗も激しく、劣化が早いのです。2週間たたなくても「ブラシの毛先が傷んでいる」、「ワイヤーに対してブラシの毛が倒れて戻らない」「ワイヤーが折れた」「ワイヤーにコシがなくなった」などの場合は、早めに交換するようにしましょう。

歯間ブラシ使用後のお手入れ

歯間ブラシを清潔に保ち長持ちさせるため、また、効果をしっかり得るためにも使用後は正しくお手入れしたうえで保管しましょう。使用後は歯ブラシ同様、流水でしっかりと洗って、よく水を切って保管します。風通しのよい場所でしっかり乾燥させると歯間ブラシ自体に雑菌が繁殖しにくくなります。高温のお湯などで消毒するとブラシ部分が変質して除去効果が落ちる場合があるので避けましょう。

歯間ブラシは正しく使用しなければかえって歯や歯茎のトラブルの原因となってしまいます。交換頻度や保管方法はもちろんのこと、歯間ブラシの使用や選択については、一度歯科医院で歯や歯茎の状態を診てもらい、歯科医師や歯科衛生士に指導してもらいましょう。

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