肝硬変の治療法は?

更新日:2016/12/09 公開日:2016/03/25

肝硬変の検査・治療法

肝硬変そのものを治療する方法はほとんどなく、肝機能の維持や改善、合併症の予防や改善など肝硬変を進展させないための治療がメインです。薬物や食事療法、肝移植に関する解説について、ドクター監修の記事でご紹介します。

鶴町哲也先生

この記事の監修ドクター

鶴町クリニック 院長
鶴町哲也先生

肝硬変を根本的に治療することは難しく、主に薬物療法や食事療法によって肝硬変を進展させないようにすることが重要です。

各原因に対しての肝硬変の治療

肝硬変を進展させないようにする治療では、その原因となる病気に対する治療が必要となるため、原因により治療法が異なります。

B型肝炎ウイルスによる肝硬変の場合

核酸アナログ製剤といわれる抗肝炎ウイルス薬の内服による治療が行われます。この薬は、B型肝炎ウイルスの遺伝子であるDNAが複製されるのを阻害し、B型肝炎ウイルスの増殖を抑えることで、肝機能を改善します。

また、この薬は、自己判断により中止すると、肝機能の悪化や肝炎が重症化する可能性があるため、医師の指示を守るようにしましょう。

薬剤耐性株(変異株)が出現し、核酸アナログ製剤が効かない場合が出てきますが、それには新薬の開発や薬の併用による対応がとられています。B型肝炎ウイルスが原因の肝硬変では、B型肝炎ウイルスの有無を確実に調べる検査であるHBV-DNAが陽性であれば、治療対象になります。

C型肝炎ウイルスによる肝硬変の場合

C型肝炎ウイルスが原因の代償性肝硬変は、インターフェロン単独治療、インターフェロン・リバビリン併用治療、ペグインターフェロン・リバビリン併用療法などが行われます。2014年以降にはチャイルドAに限られますが、インターフェロンが不適格な場合、インターフェロンフリーの経口剤治療が健康保険で認められるようになりました。

※チャイルドAとは、アルブミン・ビリルビン・腹水・肝性脳症の有無・プロトロンビン時間の5つの指標から肝硬変の程度をスコア化した「チャイルドビュー分類」の中でもっとも症状が軽いものにあたります。

B型・C型肝炎ウイルスによる肝硬変の場合

B型・C型肝炎ウイルスによる肝硬変の治療では、ウイルスに対する薬の他に、肝機能改善のための肝庇護(かんひご)療法があります。肝庇護(かんひご)療法には、グリチルリチンやウルソデオキシコール酸などが使用され、肝機能の改善を助け、肝硬変の進行を抑えます。

栄養療法

肝硬変では肝臓の機能が低下し低栄養状態になりやすいため、適切な栄養療法が病状を進展させないためには大切です。

バランスのとれた食事、食物繊維を摂り便秘の予防をする、飲酒を控えることが肝硬変での食事のポイントですが、肝機能や病気の進行によりタンパク質や塩分などの摂取制限が行われることがあります。

肝硬変では肝臓がうまく機能しないため、エネルギー不足になることも少なくありません。肝硬変の場合、19時から朝7時まで12時間食事をとらないことは、健康な人が3日絶食したときと同様の負担があるといわれます。これは夜間のだるさ、足がつる(こむら返り)などの症状が現れる原因にもなります。そのため、夜間のエネルギー不足をなくすために夜食療法が行われるケースがあります。

夜食療法は非常に有用ですが、やり方を間違えると肝臓の負担を増やしてしまうことや肥満の原因にもなるため、医師や栄養士からの指導が必要です。

肝移植

肝移植は肝硬変や肝がんなどで他に治療法がない場合に行われ、病気の原因を取り除くための根治的治療法になります。

健康な肝臓を移植することで、移植後は健康な人と変わらず元気に生活を送ることができる可能性もあります。