くも膜下出血の後遺症は?

更新日:2016/12/09 公開日:2016/04/19

くも膜下出血のよくある疑問

くも膜下出血を発症すると、命が助かっても重い後遺症が残る可能性があります。くも膜下出血の代表的な後遺症について、ドクター監修の記事でお伝えします。脳にはあらゆる神経が集まっているので、後遺症も多岐にわたります。

仙石祐一先生

この記事の監修ドクター

仙石クリニック 院長
仙石祐一先生

くも膜下出血は重い後遺症が残る可能性がある病気です。

くも膜下出血の代表的な後遺症

脳には運動や言語、感覚などの機能をつかさどる神経が集まっているため、くも膜下出血によりさまざまな後遺症が残る可能性があります。代表的な後遺症を紹介していきましょう。

水頭症

脳を覆っているくも膜と軟膜の間にあるくも膜下腔という空間には、無色透明な脳脊髄液(のうせきずいえき)が流れています。しかし、くも膜下出血が起こると、くも膜下腔に血液が流れ込み、脳脊髄液の吸収障害が生じ、脳室に脳脊髄液が溜まってしまうことがあるのです。これが、水頭症の起こる原因です。出血量が多いほど水頭症になる可能性は高いといわれています。

水頭症になると、物忘れや無気力が目立つようになり、歩行障害や尿失禁が起こることもあります。

脳の中に溜まっている脳脊髄液をおなかの中に流し込むシャント術を行うと、症状は改善します。

運動障害

体の左右どちらかに麻痺が生じる「片麻痺(かたまひ)」が起こる場合があります。麻痺の程度は人によって異なりますが、リハビリテーションをくり返し行っていくうちに、7~9割の人が歩行できるようになるといわれています。

リハビリテーションでは、いすに座る、床から立ち上がる、手すりや杖を利用して歩く、階段の上り下りなど、退院後の生活を考えた訓練が行われます。

嚥下障害

嚥下障害は、舌やのどを動かすために必要な筋肉が麻痺するために起こります。飲み物や食べ物をうまく飲み込むことができなくなるため、気管や肺に飲食物が入ってしまうことがあります。そのため、肺炎にも注意しなければなりません。

言語障害

話す・聞く・読む・書くという言語機能のすべてになんらかの障害があらわれます。大脳の左半分が損傷することによって起こるのが一般的です。相手の話している言葉が理解できないケースもあります。

感覚障害

くも膜下出血が起きた場所とは反対側の半身に、感覚の低下が見られます。たとえば、右側の脳にくも膜下出血が発生した場合には左半身の感覚が鈍くなります。痛みやしびれなどの症状もともなうでしょう。

人格・精神面の変化

くも膜下出血を発症する前とは別人になったように、人格や性格が変わる場合があります。感情をコントロールできなくなり、人とのコミュニケーションに問題が生じるケースも少なくありません。うつや認知症を引き起こすきっかけにもなります。

排泄障害

排尿や排便をコントロールできなくなります。尿や便をもらすことが増えるほか、排尿困難や頻尿、下痢、便秘なども起こります。

視野障害

見える範囲が狭くなり、日常生活に支障がでることが多くなります。視覚には問題がないため、自覚しにくいという問題があります。そのため、単独で行動すると危険なことがあります。

重篤な後遺症を防ぐためにも脳ドックで予防を

くも膜下出血を発症した人の約50%が初回の出血で命を落とすといわれています。命が助かったとしても、20%の人に重い後遺症が残るのもくも膜下出血という病気の恐ろしいところです。治療をしても、元の仕事に問題なく戻れる人は30%前後ともいわれています。

くも膜下出血の主な原因である脳動脈瘤の発見には、脳ドックも未破裂脳動脈瘤の有無を調べる有用な手段の一つと考えます。但し、未破裂脳動脈瘤が発見されたからといって、治療の対象とならないものもあります。まずは専門医によく相談してください。

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