敗血症の原因とは

更新日:2017/03/23 公開日:2016/03/30

敗血症の基礎知識

敗血症は、感染症の原因である細菌やウイルス、真菌が、血液中に侵入することがきっかけですが、すべての人が敗血症を発症するわけではありません。ドクター監修のもと、敗血症の原因と発症リスクが高くなるケースについて解説します。

丸茂恒二先生

この記事の監修ドクター

丸茂医院 院長
丸茂恒二先生

敗血症の多くは特定の細菌やウイルス、真菌などによって起こるといわれています。ここでは、敗血症の発症の原因と、発症リスクが高くなる場合について解説します。

敗血症とはどのような病気か

敗血症は、細菌や真菌への感染が原因で全身に炎症が起きる全身性炎症反応症候群(SIRS)のひとつです。突然の発熱や体温の低下、悪寒、心拍数や呼吸数の増加、白血球の増加ないし減少など、全身に症状が現れます。悪化すると内臓の機能不全や血圧の低下を招き、死に至る可能性もある病気です。

敗血症の原因は細菌などの感染

敗血症は感染症が原因でなります。特に多いのは連鎖球菌、黄色ブドウ球菌、大腸菌、緑膿菌、肺炎菌などによる感染症です。そのほか、ごくまれにカンジダなどの真菌などのケースも見られます。敗血症につながる感染は主に、肺、腹部、もしくは尿路であることが多い傾向にあります。しかし、すべての場合が該当するわけではありません。

敗血症を疑われる症状が見られる場合は、原因菌を検索するために血液や尿、膿などの検体を用いて培養検査を行います。敗血症の症状は急速に悪化するため、検査結果を待たずに、問診から得た情報から投薬治療を開始することが多いです。感染源から原因を予想し、広い範囲で効果のある複数の薬剤を組み合わせて投与されます。

敗血症になりやすい人

病原菌が血液に侵入した結果、必ず敗血症になるわけではありません。しかし、免疫力が低下している人は敗血症のリスクが高くなります。たとえば、新生児や妊婦、高齢者、ステロイドなど免疫系を抑制する薬を服用している方、がんやエイズなどの免疫系の病気を治療中の方がそれにあたります。また、糖尿病や肝硬変などの特定の慢性疾患をもつ方も、敗血症のリスクが高まると言えます。

医療器具を身体に入れている人も要注意

免疫が落ちている方以外にも、医療器具を身体に入れている人も敗血症のリスクが高いと言えます。たとえば、静脈や尿路にカテーテルを挿入している方、ドレナージや気管内チューブを使用している方です。その他、滅菌されていない注射の使用や人工関節、人工心臓弁などを使用している方などもあげられます。

症状の現れ方

敗血症では、初期症状として発熱や発汗、脈や呼吸が早くなるといった症状が現れます。重症化したり、血圧が下がる敗血性ショックが起きたりした場合には、血圧の低下のほか、錯乱や意識レベルの低下が見られます。そして、手足が冷たくなり、青白くなって、チアノーゼなどが起きてきます。また、内臓の機能不全が起こると、その臓器に固有の症状が現れます。

検査と診断

敗血症は、早期に診断し、ただちに治療を開始することが大切です。敗血症を含むSIRSの診断指標として、以下の4つがあげられます。

  • 体温が38℃以上ないし36℃以下であること
  • 心拍数が1分間に90回以上であること
  • 呼吸数が1分間に20回以上であること
  • 末梢血白血球数が12000/㎥以上ないし4000/㎥以下であること

上記の4つのうち、2つ以上の基準を満たしていて、さらに感染症や感染症の疑いがある状態が敗血症とされています。

血液検査では白血球数のほかに、血小板数の減少や乳酸の増加、酸素濃度の低下、尿素窒素の増加、CRPの増加、プロカルシトニンの上昇、エンドトキシンの増加なども認められます。また、血液培養で細菌の検出を見るのも重要です。

そのほかに新しい検査方法として、血液を用いてプレセプシン値を測定する方法が報告されています。測定が簡単で、採血を行ってから測定結果が出るまでの時間も短いことから、今後期待される検査方法といわれています。

敗血症の治療方法

敗血症の治療でもっとも重要なのは、原因となっている感染症の治療です。細菌が原因の場合は抗生物質、ウイルスが原因であれば抗ウイルス薬、真菌が原因の場合は抗真菌薬というように、原因菌に応じた薬が投与されます。また、敗血症の原因が、腹腔内の膿瘍や消化管にあいた穴などの場合は、手術が必要となります。

敗血症のときは末梢血管の拡張や血管内の水分・養分が血管外にもれる血管透過性亢進(こうしん)が起こることが多いので、生理食塩水や乳酸リンゲル液などの輸液も行われます。

また、重症の敗血症の場合や敗血症性ショックが起きている場合には、集中治療室で治療を行います。状況に応じて昇圧のための循環作動薬の投与や人工呼吸器の装着、血液浄化法が行われます。また、赤血球輸血が検討されるケースもあります。

敗血症の治療期間

敗血症の治療にかかる期間は、患者の容体によって異なります。軽症であれば数週間以内で治療可能なケースが多くなりますが、敗血性ショックが起きた場合には、数週間から数か月の治療期間を要する場合もあります。

免疫力が落ちている方や、カテーテルなどの医療器具を体内に入れている方で、急な体温の上昇や下降、心拍数や呼吸数の増加がある場合には、早急に診療を受けましょう。

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