敗血症の治療

更新日:2016/12/15

敗血症の基礎知識

敗血症の治療は病原体に対する投薬治療が基本です。その他、症状に合わせてさまざまな治療方法を組み合わせて行います。ここでは、ドクターの監修のもと、敗血症の原因と治療方法について詳しく解説します。

丸茂恒二先生

この記事の監修ドクター

丸茂医院 院長  丸茂恒二先生

敗血症の治療は全身の炎症を引き起こす病原体に対して投薬治療を行います。また、症状に合わせて輸液治療や人工呼吸管理など、さまざまな治療方法を組み合わせて行います。ここでは、敗血症の治療方法について解説します。

原因となる細菌やウイルスに適した投薬治療が重要

敗血症は風邪などの感染症から発症すると考えられています。敗血症は急速に悪化する可能性が高いため、その感染のもとになる細菌・ウイルス・真菌などの病原体の特定をするために、血液培養検査を行います。しかし、敗血症はただちに治療を開始する必要があるため、詳細な検査結果を待たずして、問診をもとにした投薬治療を行います。

敗血症の治療で、どの薬を用いるかは感染がどの部位から始まったかによって検討されます。原因が菌であった場合は抗生物質、ウイルスであった場合は抗ウイルス剤、真菌が原因であった場合は抗真菌薬を使用します。血液培養検査がでるまでの初期の投薬治療では、さまざまな可能性を考慮して、数種類の薬を同時に使用します。その後、検査結果がわかり次第、もっとも効果的な薬剤を用いた投薬治療に移行します。

敗血症が重症化した場合の治療法

敗血症において、臓器障害をともなう症状を重症敗血症と呼びます。さらに、適切な輸液療法を行ったにもかかわらず、持続的な血圧低下が見られる場合は敗血症性ショックと呼ばれる危険な状態になります。重症敗血症や敗血症性ショックと判断される場合は、集中治療室での治療を必要とします。

敗血症が重症化した場合に見られる呼吸不全、肝不全、腎不全などの臓器不全に関しては、人工呼吸管理、血液浄化療法などが必要になる場合があります。血液浄化療法は血液を取り出して、透析・ろ過・吸着・分離などの方法を利用して有害物質を除去した後に身体に戻す方法です。単純血漿交換療法、血液ろ過透析(とうせき)法など、さまざまな血液浄化療法があります。

これらの治療中に血圧の低下が見られる場合は、随時、昇圧剤、輸液治療、酸素投与などを行います。

その他の治療法

敗血症の治療は、原因となる病原体(細菌、ウイルス、真菌)に効果のある薬物治療を行うことが基本です。また、敗血症の原因が身体の中の膿瘍(のうよう:うみが溜まった状態)の場合は、手術によって膿(うみ)を取り除く必要があります。免疫機能の低下によって、医療器具などからの感染した場合は、これらを取り除く必要もあります。これらの手術を必要とする敗血症の場合は、症状が重症化することが多い傾向にあるため、早期の治療は非常に大切です。

また、敗血症の治療にあわせて各種合併症に対する予防治療も重要になります。治療の方法としては、人工呼吸管理、血糖値コントロール、栄養管理、ステロイド投与、免疫グロブリン投与、血液浄化法、タンパク分解酵素阻害薬投与などです。これらはドクターの判断によって適切な治療法を検討し、実施されます。

敗血症は、早期に治療を開始することが重症化を避け、回復までの道のりを短くする重要なポイントです。風邪や下痢などの感染症が現れた際に、悪寒やふるえをともなう高熱など、いつもと違う症状が見られる場合は、敗血症のおそれがあるため、先延ばしせずに早めの受診をおすすめします。