子供に生じる小児白血病とは

更新日:2017/02/28

白血病の基礎知識

小児白血病とは、子供に生じる「小児がん」の中でも、もっとも発症頻度の高いがんといわれます。その約7割を占めるのが急性リンパ性白血病です。この小児白血病についての概要や原因、症状などを、ドクター監修の記事で解説します。

大利昌久先生

この記事の監修ドクター

おおり医院 院長  大利昌久先生

小児白血病(しょうにはっけつびょう)とはどのような特徴がある白血病なのか、その原因と症状について解説します。

小児白血病とは

小児白血病は、子供がかかる「小児がん」の中でも、もっとも頻度が高いがんです。小児がんの中では、約40%を占めるといわれています。小児白血病の中では、急性リンパ性白血病が約70%、急性骨髄性白血病が約25%を占めています。

一般的に白血病とは、骨髄でつくられる血液細胞が赤血球や白血球、血小板に成熟したり、分化したりせず、若いうちに骨髄に蓄積することにより、正常に血液が作れなくなる病気です。そして、血小板が足りなくなり、出血した血液が止まりにくい、あざができやすいなどの症状が生じてきます。これが小児に起きるものを総称して「小児白血病」と呼びます。

急性リンパ性白血病の治癒率は80%台といわれており、急性骨髄性白血病は化学療法によっては約90%の子供が、病状が治まる状態にまで回復するといわれています。

白血病の種類

白血病は、その造血の過程や進行によって、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病の4種類に分かれます。それぞれの特徴については、『白血病の種類』の記事をご覧ください。

小児白血病の原因

急性リンパ性白血病はリンパ系、急性骨髄性白血病は骨髄系の、それぞれの若い白血病細胞が、成熟・分化しないことで、骨髄内で無秩序に増加することで起きる病気です。

原因は多くの場合、特定できないといわれています。考えられることとしては、放射線被爆、遺伝的なもの、ウイルスなどがあります。中でも明らかになっているのは、遺伝子異常が原因であるということです。乳幼児に急性リンパ性白血病が発症する多くの場合、胎児のときに遺伝子異常が起きています。さらに、幼児期に発症するものは、生後に2度目の遺伝子異常が起こるのが原因といわれています。

小児白血病の症状

小児白血病の症状は、血小板の減少によって生じる出血班やあざ、鼻出血、出血した血液が止まりにくい、発熱、顔色が悪い、貧血などの、造血が正常に行われないことによる症状が主です。また、白血病細胞が増殖して、各臓器に広がっていくことで起きる、リンパ節の腫れ、胃痛、関節痛、肝臓や脾臓の腫れなどがあります。

小児白血病の治療

小児白血病は、次の3段階を踏んで化学療法が行われます。

寛解導入法(かんかいどうにゅうほう)

白血病の治療は、まず「寛解(かんかい)」という一時的、もしくは継続的に症状が軽減した状態を目指して行います。

急性リンパ性白血病の治療では、まず寛解を目指し、ステロイド剤(副腎皮質ホルモン)と抗がん剤を3~4種類、4~6週間に渡って投与します。これを寛解導入法と言います。

強化療法(きょうかりょうほう)

完全寛解の状態に至っても、再発するリスクがあります。それを防ぐために、寛解の程度を深めるのがこの強化療法です。

維持療法(いじりょうほう)

強化療法の後は、外来治療で維持療法を行います。ここでは、飲み薬の抗がん剤が用いられます。この段階では、学校生活を送りながらの治療が可能です。

造血幹細胞移植(ぞうけつかんさいぼういしょく)

これら3段階の化学療法を行っても、効果がない場合などに、造血幹細胞を移植して治療を行う「造血幹細胞移植」が行われます。たとえば骨髄移植、末梢血幹細胞移植、臍帯血移植などがあります。

詳しい治療法については、『急性リンパ性白血病の治療について』『造血幹細胞移植(骨髄移植を含む)とはどのようなもの?』をご覧ください。

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