鉄のサプリメントの選び方・注意点とは

更新日:2017/05/02 公開日:2016/04/26

鉄分を摂取する方法

鉄不足を解消するために鉄のサプリメントは手軽で便利です。しかし、サプリメントならば何でもよいわけではありません。サプリメントの選び方や注意点、飲み方の工夫などについて、栄養学に詳しいドクター監修の記事で解説します。

鉄サプリメントの選び方・飲み方の重要性

健康のために鉄を含むサプリメント(栄養補助食品)を飲んでいる方は多いと思います。しかし、鉄であれば何でもよいというわけではありません。鉄をサプリメントで摂取する場合の注意点や、サプリメントを選ぶ際のポイントについて解説します。

そもそも鉄とは

鉄は、人体に必要なミネラルの一種です。鉄不足と言うと、皆さんは貧血が頭に浮かぶかもしれません。たしかに、鉄は赤血球の主要成分であるヘモグロビンを構成する成分であり、体中に酸素を運ぶための重要なポイントです。しかし、それは鉄が持つたくさんの役割のひとつに過ぎません。ヘモグロビン値が正常でも、鉄が不足することで体や精神にさまざまな症状がみられます。

鉄の種類

食物から摂取できる鉄分には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2種類があります。

ヘム鉄と非ヘム鉄の大きな違いは、体内における吸収率と、含まれている食品です。ヘム鉄は動物性食品に多く含まれており、単体での吸収率は10~20%となっています。非ヘム鉄は植物性食品に多く含まれている栄養で、単体での吸収率は1~6%とヘム鉄よりも低いことが特徴です。

鉄の適正量と過不足による影響

鉄の摂取基準量

厚生労働省で定めている鉄の1日あたりの推奨摂取基準は、18歳以上の男性で7.0mg~7.5mg、18歳以上の月経のある女性で10.5mgとなっています。また、妊娠中の女性は、妊娠初期では上記に加えて2.5mg、妊娠中期以降では15.0mg多く摂取することが推奨されています。

ですが、鉄の適正量は、人によって異なります。サプリメントで鉄を摂る場合、便が黒くなる少し手前、または便が黒くなるかならないかの量がよいでしょう。

鉄が不足すると体に現れる影響

鉄が不足すると、めまいや肩こり、イライラをはじめ、さまざまな心身のトラブルが現れます。鉄が不足したときに起きる不調については、『鉄分不足が引き起こす体の不調・症状とは』で詳しく解説しているのでご覧ください。

鉄の過剰摂取について

「鉄の過剰摂取は体に悪い」という話が出回っていますが、これには大きな間違いがあります。体には、大量の鉄を食事やサプリメントなどから摂ったとしても、栄養素を吸収する腸管内で制限するシステムが備わっているのです。

鉄の過剰症は、たしかに体への悪影響がありますが、過剰症になる原因は治療時による非生理的な摂取によって起こります。

鉄不足の判断

血液検査でわかる血清フェリチン(貯蔵鉄)、MCV(平均赤血球容積)などを参考にして、鉄欠乏の程度を評価します。血清鉄の値だけで、鉄欠乏の評価はできません。

ヘモグロビンは正常ですが、フェリチンが低値でキレやすいという有経の女性が典型例です。このような方は、鉄を補ってフェリチンやMCVの値が改善してくると、鉄欠乏にともなうイライラが目立たなくなってきます。

TIBC(総鉄結合能)の増加も大切な鉄欠乏の指標になります。

血液中に存在する血清鉄は、トランスフェリン(Tf)と呼ばれるタンパクと結合した状態で存在しています。

通常トランスフェリンは、約1/3が鉄と結合し、残りの約2/3が鉄と結合していない状態で血液中に存在しています。

TIBCは、血液中のトランスフェリンが鉄と結合できる総鉄量を表しています。

そのため、TIBCの増加や減少はトランスフェリン(Tf)の増減を反映しています。

TIBCは、体内の鉄が不足した状態で増加し、炎症などで低下します。

ただし、タンパク質代謝が著しく低下しているときは、鉄欠乏でもTIBCが教科書通りに上昇しないこともありますので解釈に注意が必要です。

鉄をサプリメントで摂取するときのポイント

必要な栄養素全て食事から摂取できたら理想的ですが、多忙で不規則な生活を送る現代人には難しいこともあるでしょう。このような場合は、サプリメントを活用すると効率よく鉄を摂取することができます。

鉄のサプリメントを選ぶ基本

コンビニでも手軽に買えるサプリメントですが、鉄であればなんでもよいわけではありません。原料がきちんと記載されており、成分が正確に表示されているサプリメントを選ぶようにしましょう。また、鉄の種類や配合比率などにも注意が必要です。

鉄サプリメントを選ぶポイント(1)「ヘム鉄」を選ぶ

ヘム鉄とは、前述したように、赤身の魚や肉などの動物性食品に多く含まれる鉄分のことで、高い吸収率が特徴です。ヘム鉄を含む天然素材を使ったサプリメントがおすすめですが、天然素材ならなんでもよいわけではありません。日ごろの食事と同様、サプリメントに使われる原材料の原産国にもこだわりましょう。

鉄サプリメントを選ぶポイント(2)ビタミンCと組み合わせる

ヘム鉄配合と記載があっても、含まれる鉄分のほとんどが非ヘム鉄のサプリメントもあります。非ヘム鉄は、ビタミンCと組み合わせることで吸収効率があがります。

ヘム鉄のサプリメントはいつまで飲む?

医療機関で定期的に血液検査をしてもらい、フェリチン、MCV、MCH、MCHC、Fe、UIBC、Hbなどを参考に医師と相談の上、炎症の有無など総合的な解釈のもとに「フェリチン」が理想値になるまで服用するのがよいでしょう。

鉄不足に関する血液検査については『血液検査でわかる鉄不足の判断』で詳しく解説しています。

特に女性は鉄が不足していないか定期的に検査を

女性は、月経による経血とともに鉄分が定期的に体外へ排出されてしまいます。また、ダイエットにより食事の量が減ったり動物性食品を減らしがちであることも鉄が不足になりやすい理由といえるでしょう。鉄が不足し、貧血になると子宮や卵巣機能にも影響を及ぼし、不妊などにもつながってしまうこともあります。有経の女性は血液検査によりフェリチンやMCVなどの鉄のマーカーをチェックしておくとよいでしょう。

有経女性の鉄不足の方の多くの方は、ヘモグロビンは正常であり、貧血はないことを知っていおいていただきたいと思います。