更年期にピルを飲み続けても大丈夫?

更新日:2016/12/09 公開日:2016/03/28

更年期のよくある疑問

日常的に服用しているピルを更年期に入ってもそのまま飲み続けていてよいのでしょうか? 副作用の有無や、更年期障害の症状緩和に用いられるホルモン補充療法との違いについて、ドクター監修の記事で詳しくお伝えします。

ヘルスケア大学参画ドクター

この記事の監修ドクター


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更年期におけるピル服用について解説します。

ホルモン補充療法のホルモン剤とピルの違い

日本人女性が閉経を迎える平均年齢は50歳といわれています。この前後10年間(45歳~55歳)を更年期と呼びます。この期間は、女性ホルモン〈エストロゲン)の分泌量が低下していくため、心身にさまざまな症状が出てきます。

更年期障害とは、女性ホルモンの量が急激に減ることによって、イライラやほてりなどの症状が起こることです。ひどい場合には、日常生活や社会生活に支障をきたすことがあります。そんな更年期障害の症状を緩和する治療として、ホルモン補充療法(HRT)があります。

ホルモン補充療法とは、体内で急激に減少していく女性ホルモン(エストロゲン)をホルモン剤で補充することで変化を緩やかにし、減少したホルモン環境に身体を適合させていくという治療です。日本では、飲み薬、貼り薬、塗り薬が医師の処方薬として健康保険適用となっています。

ホルモン補充療法の目的は、必要最小限のエストロゲンを補充することです。エストロゲンだけの補充では、子宮体がんなどの増加をともなうことがあるため、黄体ホルモン(プロゲステロン)も併用するのが原則です。

どのホルモンをどれだけ補充するかは個人差があるので、自分の身体に合うものを医師と相談してください。

ホルモン補充療法と同じエストロゲンとプロゲステロンを含んだ混合ホルモン剤として、避妊目的や月経トラブルのときに使用するピルがありますが、含まれている量は同じではありません。ピルに含まれているエストロゲンは、ホルモン補充療法で使用するホルモン製剤の5倍以上も強くなっています。

また、ホルモン補充療法では原料は自然のものから作られたホルモンを使用する場合が多いですが、ピルは人工的に合成されたホルモンを使用している場合が多いという違いもあるので、使用には注意が必要です。

更年期にピルを飲み続けても平気?

前述のとおり、ピルとホルモン補充療法で使用されるホルモン剤では、含まれているホルモンの量が違います。ピルはエストロゲンの量が多い分、効果が期待できますが、更年期に内服すると子宮内膜増殖症や子宮筋腫の増大などのホルモン系の病気の発症率が高まる恐れもあります。

更年期にそのまま飲み続けるのは避けた方がよいと言えるでしょう。また、閉経後も長期間、ホルモン量の多いピルを継続使用すると、ホルモン過多となり、乳がんや血栓症などのリスクが増えるので注意してください。

ただし、30歳代後半から40歳代前半の月経痛、不正出血、自律神経失調症などには、低用量ピルの使用は有効とされています。

更年期を迎える前からピルを使用していると女性ホルモンの量が安定するため、ホルモンの減少する度合いが緩やかになり、更年期に至るまでの道のりを穏やかにすることができるのです。更年期にさしかかる時期は低用量ピルを使用し、40歳代中頃からはホルモン補充療法に切り替えていくというのも一案です。

ピルからホルモン補充療法へ切り替えるタイミングは、40歳代中頃位で、まずはピルを1週間休薬しホルモン値を測定します。閉経が近いかどうかを評価したうえで医師と相談しながら移行するという流れが一般的です。

ピルもホルモン補充療法も、自己判断で服用を続けるのは危険です。閉経時期が近づいたら必ず医師に相談して、指示を仰ぐようにしましょう。

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