嚥下障害がある人に適した口腔ケア

更新日:2017/07/31 公開日:2016/04/21

口腔ケアの基礎知識

食事中や食後に、咳き込んだりむせたりするといった症状は嚥下障害(えんげしょうがい)の可能性があります。ドクター監修のもと、嚥下障害の人のための口腔ケアと誤嚥性肺炎の予防について解説します。

嚥下障害(えんげしょうがい)の症状や、口腔ケアの方法について解説します。

嚥下障害(えんげしょうがい)の症状

食事をしている最中や食後に、むせたり咳き込んだりする、食べているときにポロポロと口から食べ物がこぼれる、口の中にものが残っている、このような症状は嚥下障害の方によくみられます。

それ以外にも、「ご飯よりも噛まなくてよい麺類を好むようになる」「むせるために水分を摂りたがらないため尿量が減る」「脱水や低栄養状態になっている」「食べるとすぐ疲れる」「そもそも食べ物をとりたがらない」といった症状も嚥下障害が疑われます。

合併症として誤嚥(ごえん)性肺炎を起こしやすい

嚥下障害を起こしている方は「誤嚥性肺炎」を起こしやすい傾向にあります。食べ物が誤って気管に入りそうになったとき、これを排出する反射の働きが鈍くなり、細菌を含む食べ物や唾液が気管から肺に入ることで感染するのが誤嚥性肺炎です。

また、口から食べものを摂りにくい方でも誤嚥性肺炎は起こります。口を動かさなくなると唾液の分泌が減ってしまいます。唾液分泌の力が低下すると、口内の自浄作用が落ちて細菌が増えやすくなります。そのため、細菌をたくさん含んだ唾液を飲み込むときに誤嚥を起こし、誤嚥性肺炎を発症することがあります。

誤嚥性肺炎の症状とは

誤嚥性肺炎の主な症状は空咳や息切れ・発熱、肺雑音などですが、高齢者の場合は症状の訴えが少ないこともあるので、元気がない・倦怠感が続くなどの症状がある場合は注意しましょう。

嚥下障害がある方に対するケア方法

嚥下障害のある方にケアを行うときは、次の点に注意しましょう。

・テレビを消すなど、食事に集中できる環境をつくる

・食べる前に準備運動を行う

・食事の時間をあらかじめ決め、1日のリズムが崩れないようにする

・食事はゆっくり時間をかけて行う

・口の中に食べものを残さないよう、食後にお茶を飲ませる

睡眠中に無意識に唾液が気管に入ることを不顕性誤嚥(ふけんせいごえん)といい、それが原因で誤嚥性肺炎を起こすこともありますので、就寝前の口腔ケアは特に注意を払うようにしましょう。夜だけではなく昼寝の前も大切です。

嚥下障害のリハビリテーション方法

嚥下障害のリハビリテーションの内容は下記のとおりです。

・頬をふくらませたり、唇を横に広げたりして必要な筋肉を鍛える

・舌で唇をなぞる、舌を鼻に近づけるなど、舌の柔軟性を高める

・深い呼吸(腹式呼吸)を行う

・「ぱ」「ら」「た」「か」を大きな声で発音し、嚥下に関わる機能を訓練する

・舌または歯ブラシを使って歯茎を刺激し、嚥下に関わる神経や筋肉を活性化する

嚥下機能を医師や歯科医師に検査してもらうことも重要

飲み込む訓練を続けながら、食後に口の中に食べかすが残らないよう丁寧な口腔ケアを行うことが、嚥下障害のある方の誤嚥性肺炎予防には必要です。医師や歯科医師に嚥下機能を検査してもらうことも重要になります。心あたりがある場合は、一度病院を受診してみることをおすすめします。

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