ドライマウスに効果がある「唾液腺マッサージ」

更新日:2017/07/26 公開日:2016/04/21

口腔ケアの基礎知識

高齢になると話す機会が減ったり、口から食事を摂れなくなったりすることで、唾液の分泌が少なくなります。口の健康維持に欠かせない唾液の分泌を促す「唾液腺マッサージ」について、ドクター監修の記事で解説します。

唾液の分泌を促す「唾液腺マッサージ」は、口の中にある3か所の唾液腺をやさしく押しながら行います。口の中の自浄作用や乾燥の予防に効果があるほか、咀嚼(そしゃく)や嚥下(えんげ)の機能回復、筋肉がほぐれることによるリラックス効果など、メリットの多いケア方法です。

唾液の分泌が低下すると起こるドライマウスとは

高齢者は、話す機会が減ることで口を動かすことが少なくなり、唾液を分泌する唾液腺も機能が低下し、唾液の量が減りやすい傾向にあります。さらに、口からの食事ができなくなると、口の中が乾燥するドライマウスの症状が進みます。ドライマウスは、強い口臭や虫歯などの原因になると考えられています。

ドライマウスの原因

ドライマウスが進行していくと、口内のネバつきや口臭などがひどくなり、さらに進んだ場合には、物が食べられないほどの舌の痛みが出るケースもあります。

ドライマウスを引き起こす原因は、以下のものが考えられています。

  • ストレスや加齢による唾液分泌量の低下
  • 糖尿病、高血圧などの病気
  • 糖尿病治療薬や血圧降下薬など、薬の副作用
  • 口呼吸
  • シェーグレン症候群、自己免疫疾患

このような原因によって引き起こされるドライマウスを、唾液腺を刺激することで唾液の分泌を促進させ、予防・改善を目指すのが「唾液腺マッサージ」です。

唾液腺マッサージの効果

唾液腺マッサージは、唾液の分泌で口の中の自浄作用が促されるだけでなく、口の中の健康にもさまざまな効果をもたらします。具体的には、ドライマウスによる痛みの緩和、咀嚼や嚥下の機能回復、口の周りの筋肉がほぐれることによるリラックス効果、会話がしやすくなる、といった効果があります。

唾液腺マッサージの方法は3種類

唾液腺マッサージでは「耳下腺(じかせん)」、「舌下腺(ぜっかせん)」、「顎下腺(がっかせん)」の3か所をマッサージします。他の人にマッサージを行う場合は、マッサージを行うことを必ず声かけをしましょう。

耳下腺のマッサージ

上の左右の奥歯のあたり(レモンや梅干しといったすっぱいものをイメージすると唾液が出てくる場所)に耳下腺はあります。ここに人差し指を当てながら指全体を使い、やさしく円を描くようにマッサージします。

舌下腺のマッサージ

舌の付け根のあたり、下あごのとがった部分の内側に舌下腺はあります。このくぼみを両方の親指でグッと押し上げてマッサージします。

顎下腺のマッサージ

あごの骨の内側の左右のやわらかい部分に、顎下腺があります。そこに両手の指をあて、耳の下からあごの先まで順番にマッサージします。

唾液腺マッサージは唾液の分泌を促すものですから、食前に行うことをおすすめします。マッサージの強さは軽く指で圧迫する程度で、それぞれ5回10回行うと効果的です。あまり強くすると痛みがでるので、注意して行いましょう。

歯科医に相談しながら無理のないケアを

ドライマウスは日常のケアを心がけることで、予防したり改善したりすることができると考えられています。ただし、なかなか改善しないドライマウスについては、歯科医に相談するようにしましょう。

ご自身・ご家庭でいわゆるマッサージや指圧(ツボ押し)などをする際の注意点

  1. 1.マッサージや指圧などは身体に影響を及ぼす行為です。ご自身・ご家庭で行う場合は、部位の把握や力の加減が難しく、身体への影響には個人差があります。
  2. 2.病気やケガ、痛みがある場合は、マッサージや指圧などをするまえに医師の診断やアドバイスを受けましょう。
  3. 3.食後、飲酒時、妊娠中など、普段と異なる体調の際は、自己判断によるマッサージや指圧などは避けましょう。
  4. 4.マッサージや指圧などをしたことで体調が悪くなったり、痛みなどが出た場合は、すぐに医師に相談しましょう。また、症状が改善しなかったり悪化したりするようなら、医療機関を受診しましょう。

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