熱性けいれんに見られる症状

更新日:2017/09/14 公開日:2016/04/12

熱性けいれんの基礎知識

子供が発症することが多いといわれている熱性けいれんですが、具体的にどのような症状が現れるのでしょうか。ここでは、ドクター監修のもと熱性けいれんの種類と症状、そしてほかの病気との関係性などをまとめていきます。

熱性けいれんを起こした場合に現れる症状や、ほかの病気との関係について解説します。

熱性けいれんとは?

熱性けいれんとは、主に、生後6か月~5歳までの乳幼児期に起こる、通常は38℃以上の発熱にともなう発作性疾患のことで、特に1~2歳の児に多くみられます。髄膜炎などの中枢神経感染症や代謝異常、その他の明らかな発作を起こす原因と考えられる病気が認められないもので、また、過去もしくは現在にてんかんがある場合を除きます。

発作性疾患とは、けいれん性のものだけでなく、脱力、一点を凝視する、眼球上転のみなどの、非けいれん性の症状だけの場合も含んでいます。

※疾患(しっかん)とはいわゆる病気のことです。

熱性けいれんの頻度は、諸外国では2~5%と報告されていますが、日本人はやや多く、7~11%に見られるとの報告が多くあります。熱性けいれんの再発率は25~40%で、再発するときは、初回発作から1年以内が70~75%とされています。3回以上くりかえすのは全体の9%程度であるため、過半数は再発しないといわれています。しかし、次の条件に当てはまる場合は再発率が50%に上がります。

  • 1歳未満で初めて熱性けいれんを起こした場合
  • 熱性けいれんを起こした家族がいる場合

熱性けいれんが起こる原因は?

結論から言うと、熱性けいれんの原因は解明されていません。子供の脳の発達の未熟が原因のひとつとしてあげられていて、発熱時に脳の神経細胞が興奮しやすい状況にあるためとされていますが、明確な発生のメカニズムはわかっていません。

突発性発疹の原因であるヒトヘルペスウイルスのように、神経親和性が高いウイルスに感染したときに熱性けいれんが起こりやすいため、原因としてウイルスの関与も指摘されています。

また、両親のいずれかが熱性けいれんを起こしたことがあると子供も熱性けいれんが起こりやすいといったことから、遺伝的要因も考えられていて、遺伝子の存在も指摘されています。

感染症や予防接種が原因になることも

次のような感染症による発熱がきっかけで発作が起こることがあります。

  • インフルエンザウイルス
  • エンテロウイルス(コクサッキーA群やヘルパンギーナ)
  • 突発性発疹

発熱の原因として肺炎や尿路感染症など早急な処置の必要性がある病気が疑われる場合は、検査を行う必要があります。

また、熱性けいれんを起こしたことがある場合、予防接種による発熱で熱性けいれんがみられることもあります。

熱性けいれんの原因について、詳しくは『熱性けいれんの原因となりえる病気とは』をご覧ください。

けいれん性と非けいれん性での症状の違い

熱性けいれんは、乳幼児の38℃以上の発熱にともなって見られる「発作性疾患」を言いますが、この「発作」には、「けいれん性」と「非けいれん性」のものがあります。

けいれん性熱性けいれんの症状

けいれん性熱性けいれんでは、自分の意思と関係なく筋肉が急に収縮をくりかえしたり硬直したりする状態があります。具体的には、意思とは無関係に、体や手足が、急激に収縮しガクガクと震えたり、硬直してつっぱたりする症状が見られます。

非けいれん性熱性けいれんの症状

非けいれん性熱性けいれんでは、突然に、力が抜けて脱力したり動作が止まったり、一点をジーと凝視したり、眼球の上転(目が上につる、白目になる状態)のみが見られます。

複雑型と単純型での症状の違い

また、熱性けいれんには「単純型」と「複雑型」があり、それぞれ症状が異なります。

複雑型熱性けいれんの症状

複雑型熱性けいれんは、

  1. 半身や片手だけなど、体の一部分だけがガクガクと震えたり硬直したりする発作や、突然に一点をジーと見つめたり、突然止まるなどの発作
  2. 15分以上持続する発作
  3. 1回の発熱で通常24時間以内に複数回反復する発作

上記3項目のうちひとつ以上の症状が見られるものを言います。

単純型熱性けいれんの症状

単純型熱性けいれんは、発作の形が複雑型熱性けいれんで紹介した3項目のいずれにも該当しないものを言い、短時間の全身性の発作で、意識がなく、全身がガクガクと震えたり、つっぱって硬直したりするけいれんの症状がみられます。

また、発作時には、呼吸はいきむように遅くなったりあるいは多呼吸になったり、チアノーゼ(皮膚色が紫色になる)が見られることもあります。ときには嘔吐することもあります。さらに、発作の後にも、ボーと意識がはっきりせず、問いかけに反応しない時間があるなど、しばらくの間、体の一部に麻痺が残る場合もあります。

熱性けいれんが長く続くときは

熱性けいれんは、一般的には5分以内で終わり、けいれんが止まった後はけいれん前の状態にすぐに戻ることがほとんどです。しかし、けいれんが長く持続し、複数の発作が連続して起こることによって30分以上けいれんが持続することがあります。

熱性けいれんが5分以上続くときは、30分以上持続する可能性が高くなります。そのため、5分以上けいれんがあるときは、けいれんを止める治療を開始したほうがよいとされています。

  • 唇が紫になったり、呼吸が乱れたり、意識を失うなどの症状が現れても落ち着きましょう。
  • 衣類のボタンを外してゆるめましょう。特に首回りをしっかりとゆるめることがポイントです。
  • 頭部を少しだけ後方にずらして呼吸しやすい状態を作りましょう。
  • 頭部を胴体よりもわずかに低くし、横向きに寝かせましょう。顔もしっかり横を向かせて吐しゃ物でのどを詰まらせないようにします。
  • 鼻の穴や口の周りに吐しゃ物が付いた場合は拭き取りましょう。
  • 薬や飲み物を飲ませてはいけません。
  • 歯を食いしばるのを止めさせようと口の中に手や箸・タオルなどを入れてはいけません。けいれんが起こったときに舌などを噛んでいなければ、その後けいれん中に噛むことはなく、むしろ口に物を入れようと口を無理に開けようととしたときに噛んでしまうことがあります。
  • 大声で名前を呼んで発作を止めようとしたり、体を揺さぶってはいけません。
  • 体温や発作がどれだけ続いているか時間を測り、どこに発作が起きているのか、そのほかに症状はないかをよく見ておくことは、その後の治療に役立ちます。
  • けいれんが持続するときは、救急車を呼ぶなど、医療機関への受診手順をとりましょう。

熱性けいれんの対処法について、詳しくは『熱性けいれんが起きたときの対処法』をご覧ください。

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