脱水症状ってどんな状態?原因と対処法

更新日:2017/04/11 公開日:2016/04/24

脱水症状の基礎知識

どのような状態を脱水症状と呼ぶのか、また、身体が1日に必要な水分量や、脱水症状になったときにあらわれる症状、脱水症状の対処方法について、ドクター監修の記事で解説します。

脱水症状とは、どのような状態なのでしょうか。

脱水症状とは

私たちの体の大半は、体液という水分で成りたっています。体液には血液、消化液、リンパ液、細胞と細胞の間を満たす組織間液などがあります。この体液は年齢によって違いがあり、成人で体重の6割、高齢者で5割、新生児では7~8割です。

体液は体内に入ってきた水分量と、体外へ出ていった水分量に変わりがないことでバランスが保たれています。このバランスが崩れて、体液が不足した状態を脱水症状と言います。

体の水分バランス

脱水症状はなぜ起こるのか?

人の体は毎日水分を失っています。その量は成人で1日に1500~2500mlが何をしなくても排出されます。その水分は、尿や便による排出が約1500ml、汗が約100ml、呼吸、皮膚、粘膜からなど、意識しないうち失われる不感蒸発が約900mlになります。

それに対して、1日で補給される水分は、飲み物から約1200mlです。食べ物に含まれて摂取する水分が約1000ml、体内でおこるエネルギー代謝の過程で発生する代謝水が約300mlになります。

こうして排出と補給のバランスが保たれているのですが、夏の気温の上昇や、激しい運動で多量の汗を流すことや、嘔吐、発熱、下痢などの体調不良により、多量の水分が失われると体液は減少してしまい、補給が追い付かないと脱水症状がおこります。

脱水症状が体に及ぼす影響

体の水分が不足すると、頭痛以外にも、めまい、吐き気、呼吸が乱れる、筋肉のけいれん、などが現れることがあります。これらの症状は、すでに脱水症が進んだ状態ですので、すぐに水分補給が必要です。

脱水症状の初期症状では、のどの渇き、大量の汗、疲労感、手足の冷え、軽い立ちくらみ、尿の色が濃くなる、などの変化があります。水分補給はのどの渇きを感じる前から行うと、脱水症状の予防になります。

人間の体の大半を占める水分は、細胞が生命を維持するために欠かせません。汗には体温調節の役割があり、夏の暑さや運動などで体温が上がると、汗をかいて熱を体外へ放出して体温を調節します。しかし、大量に汗をかくことは同時に大量の体液を失うことになり、体に変化が現れることになります。

詳しくは

『頭痛や吐き気、死に至ることも…気を付けたい脱水症状の徴候』もご覧ください。

脱水症状を起こす要因

脱水症は、体に入ってくる水分量と、出ていく水分量のバランスが崩れることでおこります。体内の水分量が不足する原因はさまざまですが、以下のようなときは、体の水分が多量に失われる危険があります。

・気温の上昇や激しい運動で大量の汗をかく。

・嘔吐、下痢、発熱などにより消化液や水分が体外に排出される。

・体調不良で水分や食事があまり摂れない。

・糖尿病や尿崩症により多量に尿が出る。

・利尿剤を服用している。

・脳血管障害や認知症により、のどの渇きを感じにくい。

これらの要因により体内の水分バランスが崩れ、水分不足に気づかずに脱水症を起こすことがあります。詳しくは、

『脱水症が起こるメカニズム』の記事をご覧ください。

脱水症状の種類

脱水症状は、失われた水分とそれに含まれる成分により、さまざまなタイプと症状があります。体の体液には水分だけでなく、ナトリウムやイオンなどの電解質も含まれています。

失った水分とその中にどれ位の電解質が含まれているかによって、脱水症状のタイプは、低張性脱水、等張性脱水、高張性脱水の3つに分類されます。さらに、失った水分の量で重症度は変化し、本人も気づかない前脱水から、命の危険に関わるものまであります。

脱水症状の対応方法

人の身体は水分が不足してくると、脳の指令により、のどの渇きを感じて水分補給を促します。そのため通常は簡単に脱水症状になることはありません。しかし、身体の機能が低下した高齢者は、のどの渇きが感じにくく脱水症になりやすいことがわかっています。

赤ちゃんや小さな子供も、体の機能が未熟なので注意が必要です。脱水症状の予防には定期的な水分補給を心がけましょう。また、暑い季節の外出や激しいスポーツの後は、水分だけでなく電解質も失っているので、水やお茶ではなく、経口補水液などで一緒に補給することが大切です。

胃腸障害などで発熱、嘔吐、下痢といった症状がある場合も、汗や排泄物によって多くの水分や電解質が失われるので注意が必要です。脱水症状の対応方法には、口から水分や電解質を補給する経口補水療法が有効ですが、口から飲むことが難しい場合や、意識がはっきりしないときなどは、すみやかに医療機関の受診をおこないましょう。

対処法については、

『自宅でもできる!脱水症状を起こしたときの対処法』にも詳しく記載しています。

脱水症状を予防するために

では、脱水症状を予防するにはどのような対策ができるのでしょうか。

体に水分補給が必要な理由として、脱水症状の予防、体温調整の役割、ミネラルの補給の3つがあげられます。のどの渇きを感じたときは、すでに脱水症状が始まっていますので、早めに水分補給することが大切です。また、冷たすぎる温度は、飲みにくく感じて水分摂取が進まなくなり、水温が高いと身体への吸収力が少なくなりますので、適温で水分を補給しましょう。

脱水症状を予防する水分補給の詳しいポイントについては、

『脱水症状予防のための正しい水分補給方法』もご覧ください。

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