母乳ってどうやって作られるの?母乳のメカニズム

更新日:2017/09/14 公開日:2016/04/24

母乳育児の基本

母乳はどのようにして出るのでしょうか。また、なぜ白いのでしょうか。母乳にはさまざまなホルモンが関わっており、そのバランスは妊娠中と出産後で大きく変化します。その仕組みをドクター監修の記事で、解説します。

母乳がどのようにして作られるのか、そして母乳が作られるまでのホルモンバランスの変化について解説していきます。

母乳とは?

女性は妊娠によって乳腺組織が発達し、ホルモンの変動により母乳が分泌されるようになります。母乳は血液から作られます。毛細血管から乳腺に血液を取り込み「母乳」となるのです。このとき、タンパク質、栄養、白血球などは乳腺に取り込まれますが、血液中の赤血球は吸収されないため、母乳は赤くなりません。初乳は黄味がかった色をしていますが、産後10日くらいから白い母乳になります。

通常、乳管開口部の数は15~20本ほどです。乳房が小さい、実母の母乳が出にくかったなどといったように、母乳がちゃんと出るか不安を持つ人もいます。しかし、乳房は乳腺のほかに多くの脂肪組織でできているため、乳房の大きさと母乳の量は関係なく、遺伝も実証されていません。

妊娠中は母乳を分泌する準備期間

妊娠中に胎盤から分泌される代表的な女性ホルモンであるエストロゲンが、母乳の通る乳管を発達させます。エストロゲンとともにプロゲステロンというホルモンが、母乳を分泌する腺房(せんぼう)を発達させます。妊娠していない間は、脳の神経伝達物質で「快楽ホルモン」ともいわれるドーパミンの分泌によってプロラクチンの分泌が抑制されています。しかし、このドーパミンがなんらかの影響によって抑制されると、妊娠していなくても母乳が出ることがあります。

出産後、母乳が出るメカニズム

出産すると胎盤が体外に娩出されることによって、胎盤から出ていたエストロゲンとプロゲステロンが体内で急激に減少します。それにより、母乳を分泌することを抑えこんでいたプロゲステロンの抑制が弱まり、乳腺に働きかけるプロラクチンや射乳反射を起こすオキシトシンが分泌されます。オキシトシンは乳首を吸ったり、乳房をしぼったりすることによって、分泌が増加します。オキシトシンが分泌されると、母乳は乳腺の乳管を通り、乳頭から分泌されます。

最初は透明水様〜帯黄色の初乳が出ます。出産後1~4日に分泌される初乳は、免疫力や栄養分がとても高い母乳です。母乳をつくるプロラクチンの濃度は、分娩時が最大で、その後は授乳によって徐々に減少していきますが、赤ちゃんが乳首を吸うことで分泌が促進されていきます。そのため、分娩後早期に授乳を開始することは、初乳の栄養を摂取するためにも、プロラクチンなどのホルモンが十分に分泌されるためにも必要です。

赤ちゃんを守るという気持ちをはぐくむ「母性ホルモン」といわれているプロラクチンと、母親に幸福感を与える「しあわせホルモン」といわれるオキシトシンのふたつのホルモンは、赤ちゃんが乳首を吸う刺激でたくさん分泌されるため、始めは母乳が出にくい人も、乳首を吸わせているうちに少しずつ量が増えていきます。

母乳と関係がある生活習慣など

赤ちゃんを健康的に育てるために必要な母乳ですが、なにかしらの事情で母乳が出にくくなることもあります。ここでは母乳と関係がある生活習慣などについて確認をします。

貧血により母乳が出にくくなる

母乳は血液からできていることはすでに説明済みです。そして、もし母親が貧血気味であると、母乳を作るだけの血液が足りなくなってします。その結果、母乳が出にくくなる可能性があるようです。

母乳と貧血については、『母乳が出ない原因(1)貧血』をご覧ください。

食事によっても母乳に影響が出る

血液のもとにもなる食事のバランスが崩れれば、母乳が出にくくなってしまう可能性が高まります。もし、母乳が出にくいのであれば1日3食、バランスのいい食事を心がけましょう。これにより母乳に必要な栄養素を補給でき、質も量もよい状態の母乳が出るようになると考えられています。

食事については、『母乳が出ない原因(2)食事』をご覧ください。

ストレスによって母乳が出にくくなる

ストレスも母乳を作るのに影響が出ます。母乳の生成にはいくつかのホルモンがかかわっていることは説明済みですが、ストレスを受けると「オキシトシン」の分泌が弱まってしまいます。これにより母乳が出にくくなってしまうのです。赤ちゃんと一緒にお昼寝するなどできるだけ休養し、ストレスをためないようにしましょう。

母乳とストレスについては、『母乳が出ない原因(3)ストレス』をご覧ください。

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