赤く盛り上がった傷跡を消すには?

更新日:2017/10/27 公開日:2016/04/18

物理・化学的皮膚障害

やけどなどの傷が治った跡や、手術後にできてしまった赤い傷跡(きずあと)。こうした傷跡を目立たないように改善する方法はあるのでしょうか?皮膚が赤く盛り上がった傷跡に対する治療法について、ドクター監修の記事で解説します。

やけどやすり傷などの傷を負ったり、手術をしたりした場合、傷がふさがった後に赤く盛り上がった傷跡(きずあと)が残ることがあります。このような傷跡は肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)やケロイドと言いますが、ケロイドが傷の範囲を越えて広がっていくことがあるのに対し、肥厚性瘢痕は傷の範囲内にとどまります。ここでは、肥厚性瘢痕に対して、有効な治療法について、詳しく解説します[1][2][3]。

薬以外にもさまざまな治療法がある

皮膚の表面だけが損傷した浅い傷では、跡が残らず治る場合がほとんどです。しかし、治りが遅い傷では、程度にもよりますが、傷を負った後に、傷口が赤く盛り上がってきます。炎症が引くと赤みは引いて、平らで目立たない傷跡になるまでに、時間がかかってしまいます[1][2][3]。

このような肥厚性瘢痕は、赤く目立つというだけでなく、痛みやかゆみをともなうこともあります。症状を改善するための治療法には、外用薬や内服薬を使った薬物療法や、レーザー治療、シリコンジェルシートによる保湿、圧迫療法、手術などがあります。

なお、薬物療法については、『傷跡を消すには、どんな薬が効果的?』で詳しく解説しているので、そちらをご覧ください[3]。

レーザー治療

色素レーザーには、肥厚性瘢痕の色を薄くしたり、平らにしたりする効果があます。また、かゆみや痛みなどの自覚症状を改善する効果も認められています。早期に治療したほうが効果は高くなりますが、肥厚性瘢痕に対するレーザー治療は保険適用外です。治療を行うかどうかは、医師の診察を受けたうえで、よく検討する必要があります。

圧迫療法

スポンジを当てて、テープで圧迫固定して、瘢痕のできた部分に圧をかけます。傷口を圧迫することで、瘢痕が新たにできて、傷口が固まってしまうのを防げます[3]。

シリコンジェルシート

傷跡に、粘着性のあるシリコンジェルシートを貼り付けるだけの、簡単な方法です。保湿効果があると考えられています[3]。適切に使用することで、肥厚性瘢痕の赤みや盛り上がりを改善できます。シリコンジェルシートは、粘着面を中性洗剤で洗うことで、くりかえし使用可能です。市販品もありますが、長時間貼り続けると接触性皮膚炎を引き起こすこともあるため、正しく使用して効果を上げるためにも、医師と相談して商品を選ぶとよいでしょう。

手術

肥厚性瘢痕によって、関節の動きが悪くなった場合には、手術によって取り除きます[3]。瘢痕を取り除いた上で、関節の動きを邪魔しないように皮膚を縫い合わせます。皮膚を縫い合わせるときには、皮膚の奥まで縫い合わせて瘢痕が大きくならないようにします。

どの治療法を選択するか医師とよく相談を

どの治療法が適しているかは、肥厚性瘢痕の状態や患者の年齢、体質などによって異なります。1つの治療法を単独で行うよりも、いくつかの治療法を組み合わせた方が、効果が高い場合もあるため、かかる期間や費用なども含めて、治療方針については医師と十分に話し合って決めましょう。

参考文献

  1. [1] DermNet NZ. "Keloid and hypertrophic scars" New Zealand Dermatological Society. https://www.dermnetnz.org/topics/keloids-and-hypertrophic-scars/ (参照2017-10-16)
  2. [2] デニス・L・カスパーほか編. ハリソン内科学 第5版. メディカル・サイエンス・インターナショナル 2016; 347
  3. [3] 宮地良樹ほか編. 美容皮膚科学 改訂2版. 南山堂 2009: 657-663

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