やけどの初期治療と治療に使われる外用薬

更新日:2016/12/09 公開日:2016/04/18

物理・化学的皮膚障害

入院を必要としない軽症のやけどでは、どのような治療が行われるのでしょうか? ここでは、ドクター監修のもと、軽症のやけどの初期治療と治療に使われる外用薬について、わかりやすく解説します。

やけどには、入院治療が必要な重症のやけどと、通院で治療する、あるいは、医療機関にかからずにすむ軽症のやけどがあります。ここでは、入院を必要としない軽症のやけどの初期治療と、治療に使われる外用薬について、わかりやすく解説します。

入院を必要としないやけどの程度とは?

やけどは、皮膚が損傷を受けた深さによって、I度熱傷、浅達性(せんたつせい)II度熱傷、深達性(しんたつせい)II度熱傷、III度熱傷に分類されています。やけどの分類については、『やけどの深さ・広さの分類と治療法』でくわしく解説していますので、そちらをご覧ください。

I度熱傷は、表皮の部分のみが損傷したやけどで、赤みや痛みの症状は数日で治まります。浅達性II度熱傷は、水ぶくれができるやけどで、通常は1~2週間で治り、やけどの跡は残りません。深達性II度熱傷になると、水ぶくれの底の真皮が白っぽくなり、治るまでに3~4週間かかります。III度熱傷では、皮膚が壊死して白色や黄褐色に変色したり、皮膚が炭化したりするため、治るまでに数か月かかります。入院を必要としない軽症のやけどは、I度熱傷、面積が全身の15%未満のII度熱傷、面積が全身の2%未満のIII度熱傷を指します。

治療にはワセリンなどがベースの軟膏を使う

やけどの治療に使われる外用薬には、やけどに特化したものがあるわけではなく、傷や床ずれなどの皮膚の損傷を治療する際に使われる外用薬を、やけどの深さや皮膚表面の状態に応じて使い分けます。浅達性II度熱傷までなら、体が本来持つ治癒力によって跡が残らず治るので、薬は治癒力をサポートし、妨げにならないようなものを選びます。I度熱傷、II度熱傷の初期治療と治療に用いる外用薬は、以下のとおりです。

I度熱傷の初期治療

皮膚の表面が赤くなるものの、細菌に感染するリスクはないため、特別な治療は必要ありません。やけどした部分をよく冷やしたあと、炎症を抑えるためにステロイドを含む軟膏を塗る場合もあります。紫外線に当たると炎症性の色素沈着を起こしやすいため、やけどした部分を陽に当てないように注意しましょう。

II度熱傷の初期治療

II度熱傷の治療では、体が本来持つ治癒力を妨げない環境を整えることが重要です。そのため、やけどした部分の表面を保護し、湿潤環境を保持する目的で、ワセリンなどがベースとなっている軟膏を厚めに塗る治療法が推奨されます。感染や汚染が心配される場合は、抗生物質を含む軟膏を使うこともあります。そのほか、傷の治癒に関わる細胞の増殖を促す、bFGF(塩基性線維芽細胞増殖因子)を主成分とするスプレー式の外用薬(トラフェルミン)も、II度熱傷の治療に有効だといわれています。

重要なのは、やけど部分を乾燥させないこと

II度熱傷の治療で肝心なのは、やけどした直後から湿潤環境を維持し、新しい表皮の再生を促進することです。傷の治りを促進する作用のあるトラフェルミンを使用することで、やけどの跡が軽くなることもわかってきていますが、やけど部分が乾燥した状態で使用したのでは、効果が弱まってしまいます。感染のおそれがないやけどの初期治療では、滲出液(しんしゅつえき;血液成分が血管の外にしみ出した液体のこと)を保持して治療することが大原則です。

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