傷跡を消すには、どんな薬が効果的?

更新日:2016/12/09

物理・化学的皮膚障害

傷の治りが遅く、赤い傷跡が残ってしまった場合、それを消す方法はあるのでしょうか? ここでは、ドクター監修のもと、皮膚が盛り上がって目立つ傷跡に対する薬物療法について、詳しく解説します。

稲葉岳也先生

この記事の監修ドクター

いなばクリニック 院長  稲葉岳也先生

やけどやすり傷などの傷が治ったあとに、赤く盛り上がった傷跡が残る場合があります。このような傷跡は肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)やケロイドと言いますが、ケロイドが傷の範囲を越えて広がっていくのに対し、肥厚性瘢痕は傷の範囲内にとどまります。ここでは、肥厚性瘢痕に対して有効な薬物療法について、詳しく解説します。

炎症が続くことで赤く目立つ傷跡ができる

やけどなどの傷を負っても、傷跡が残る場合と残らない場合があります。皮膚の表面だけが損傷した浅い傷は、治りが早いため、たいていの場合特別な治療をしなくても跡が残らずに治ります。一方、皮膚の深い部分まで損傷した場合は、治るまでに時間がかかり、傷跡が残ることが多くなります。

傷の治りが遅いということは、その間、傷口の炎症が続いているということです。炎症が持続したり、強い炎症が起こったりすると、損傷した部分を埋める膠原線維(コラーゲン)が過剰に作られ、赤く盛り上がった傷跡ができてしまいます。深い傷だけでなく、傷口が感染していたり、皮膚が引っぱられるなどの物理的な刺激が加わり続けたりすることでも、傷の治りが遅くなります。

傷跡は外用薬や内服薬で改善できる

肥厚性瘢痕を治療する方法には、薬を使う方法や、レーザー治療、手術などがあります。ここでは、薬を使う薬物療法について取り上げます。そのほかの治療法については、『赤く盛り上がった傷跡を消すには?』で解説していますので、そちらをご覧ください。

肥厚性瘢痕の薬物治療には、塗り薬などの外用薬、内服薬、注射療法があります。使用する薬の種類や治療の特徴は、以下のとおりです。

外用薬を使った治療法

炎症を抑える効果のあるステロイド薬は、肥厚性瘢痕の改善に有効です。ステロイドの外用薬には、軟膏やテープ剤などがありますが、テープ剤のほうが皮膚からのステロイドの吸収効率がよいため、範囲が限られていればテープ剤が推奨されます。また、ヘパリン類似物質を含む外用薬には、線維芽細胞の増殖を抑制したり、炎症を抑えたりする作用があるため、肥厚性瘢痕の治療や予防に効果があります。

内服薬を使った治療法

アレルギー反応を引き起こす物質が肥満細胞から放出されるのを抑制したり、線維芽細胞のコラーゲン産生を抑制したりするトラニラストという薬の服用が、肥厚性瘢痕の改善に有効だといわれています。また、傷跡を目立たなくする手術をしたあとにトラニラストを服用することで、肥厚性瘢痕の再発を防止できるという報告もあります。

注射療法

ステロイド剤を肥厚性瘢痕に直接注射する方法も、症状の緩和に有効です。ただし、注射は痛みをともなううえ、皮膚の萎縮(いしゅく)や色素沈着などの副作用もあります。ケロイドの治療には推奨されるものの、肥厚性瘢痕の治療では、ほかの方法では効果がない場合に行うべきとされています。

早くキレイに治すには、医療機関で治療を

肥厚性瘢痕の治療に使われる薬の中には、薬局で手に入る市販薬もあります。ただし、症状の程度は人によってさまざまなため、適切な治療によって短期間で治すためには、医師による診察・治療が必要です。傷跡が気になる場合は、皮膚科や形成外科を受診しましょう。

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