やけど治療に使う軟膏・ドレッシング材とは?

更新日:2016/12/09

物理・化学的皮膚障害

やけどの治療には軟膏が使われますが、軟膏にはどんな効果があるのでしょうか? ここでは、ドクター監修のもと、軽症のやけど治療に使う軟膏と、ドレッシング材という絆創膏について、わかりやすく解説します。

稲葉岳也先生

この記事の監修ドクター

いなばクリニック 院長
稲葉岳也先生

入院が必要ない軽症のやけど治療の基本となるのが、軟膏療法です。軟膏には、やけどに対してどのような効果があるのでしょうか? ここでは、やけど治療に使う軟膏と、軟膏の代わりに使用されるドレッシング材について、詳しく解説します。

軟膏はやけど表面を保護するのに役立つ

軟膏は、皮膚に直接塗って使う治療薬です。油脂性のワセリンなどをベースにしているものを軟膏と呼び、油脂と水が混ざった柔らかい塗り薬はクリームと呼ばれます。軟膏は水をはじき、皮膚を保護する作用があるため、やけど治療に役立ちます。

やけどが真皮にまで達し、水ぶくれができるII度熱傷では、やけど直後の皮膚表面に傷を治す成分を含む滲出液(しんしゅつえき)がしみ出ているため、滲出液をできるだけ保持することが大切です。油脂性の軟膏を厚めに塗ったガーゼでやけど部分を覆うことで、滲出液を保持し、治療に適した湿潤環境を保つことができます。

しかし、滲出液が少ない場合はガーゼがやけどの傷口に貼り付き、治療の妨げになることもあります。また、ガーゼは1~2日に1回交換しなければならないため、そのたびに患者さんが痛い思いをしなければならないというデメリットもあります。

II度熱傷の治療に適したドレッシング材

軟膏を塗ったガーゼの代わりになるものに、ドレッシング材という絆創膏があります。ドレッシング材でやけど部分を覆うことで、湿潤環境を保つことができ、傷口への刺激が緩和されるため、痛みを軽減する効果もあります。また、傷口が外部にさらされないため、感染予防にもなります。ドレッシング材を適切に使用すれば、処置の回数を減らせるため、患者さんの負担を軽減できます。

ドレッシング材は、皮膚が壊死しておらず、感染のリスクが少ない浅達性II度熱傷の治療に適しています。深達性II度熱傷では、皮膚が壊死しかけているため、そのままドレッシング材で覆ってしまうと感染のリスクが高まるおそれがあります。そのため、深達性II度熱傷にドレッシング材を使う場合は、壊死組織を除去してから使用します。III度熱傷は、通常は手術の適応となるため、ドレッシング材を使って治療することはほとんどありません。やけどの深さについては、『やけどの深さ・広さの分類と治療法』で詳しく解説していますので、そちらをご覧ください。

目立ちにくいタイプなど、種類が豊富

ドレッシング材には、ポリウレタンフィルムやハイドロコロイド、ハイドロジェルなど、さまざまな種類があります。感染のリスクが少ない浅達性II度熱傷では、薄型で粘着性のあるハイドロコロイドなどが適しています。皮膚の色に近いため、顔などに貼っても目立ちにくく、薄くて柔軟性があるので関節部分などにも使いやすいというメリットがあります。深達性II度熱傷では、滲出液が多いため、ファイバードレッシング材などが適しています。ただし、ファイバードレッシング材は、やけど治療には保険適用外です。

メリットの多いドレッシング材ですが、使用中に滲出液の量が増えてきたり、傷口の周辺が赤くなってきたりしたら、感染している可能性が考えられるため、軟膏療法に切り替える必要があります。

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