ひっかき傷などの外傷を早く治すには?

更新日:2016/12/09

物理・化学的皮膚障害

ひっかき傷や刃物で切った傷などの外傷は、日常的によく起こるけがです。こうした傷を早く治すには、どのような処置を行えばよいのでしょうか? ここでは、ドクター監修のもと、正しい外傷の処置について解説します。

稲葉岳也先生

この記事の監修ドクター

いなばクリニック 院長  稲葉岳也先生

一口に外傷といっても、ひっかき傷から刺し傷、切り傷まで、その種類はさまざまです。医療機関にかかるほどではない軽い外傷は、日常的によく起こるけがですが、そうした傷を早くきれいに治すには、どのような処置をとればよいのでしょうか? ここでは、正しい外傷の処置についてわかりやすく解説します。

医学では「傷」をどう分類する?

傷のことを、医学用語では「創傷(そうしょう)」と言います。創傷にはさまざまな種類がありますが、傷の形態で分類すると、以下のようなタイプに分けられます。

  • 擦過傷(さっかしょう):すり傷。皮膚の損傷の程度は浅く、すぐに治ることが多い。
  • 切創(せっそう):切り傷。傷口がきれいで、傷の周りの組織の損傷が少ない。
  • 割創(かっそう):重い物に皮膚を打ち付けてできた傷で、頭部や額、膝などに多い。
  • 裂創(れっそう):皮膚が引き裂かれるようにしてできた傷で、傷の周りに擦過傷ができることが多い。
  • 挫創(ざそう):損傷が皮膚だけでなく、皮下組織や筋肉、骨にもおよぶ傷。

傷の範囲が広い場合や挫創のような重症の傷の場合は、医療機関を受診する必要があります。軽いすり傷や切り傷の場合は、特別な治療をしなくても数日で自然と治癒することがほとんどです。

傷口は消毒せずに水道水で洗浄

比較的軽い傷でも、細菌に感染してしまうと治りが遅くなり、傷が悪化することがあります。感染予防のためには傷口を消毒したほうがよさそうですが、現在では、傷口の消毒は必要ない、というのが一般的な考え方になっています。

消毒薬には組織毒性があるため、細菌の増殖を抑える一方で、正常な組織を損傷し、結果的に感染を引き起こすおそれがあります。傷口を生理食塩水で洗浄した場合と、ポピドンヨード溶液などの消毒薬で洗浄した場合の感染率を比較したところ、有意な差はなかったという試験結果も報告されています。こうしたことから、傷口は水道水や生理食塩水で洗浄すれば十分と言えます。

早く治すには、傷を乾燥させないことが大事

傷を早くきれいに治すには、傷の表面は乾燥させず、湿潤環境を保つことが大切です。傷を覆い、湿潤環境を維持する創傷被覆材(そうしょうひふくざい)は、傷を早く治すのに有用です。感染を防いだり、痛みを和らげたりする効果もあります。

創傷被覆材には、ハイドロコロイドやハイドロジェル、ポリウレタンフォームなどさまざまなタイプがあります。ハイドロコロイドの創傷被覆材は、薬局で市販品を購入することもできます。効果を上げるためには適切に使用する必要があるので、添付の説明書をよく読んで使いましょう。また、転んでできたすり傷は、傷口に砂などが付着していることもあるので、水道水で十分に洗い流してから使用するよう注意しましょう。

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