ケース別に見る誤飲したときの適切な対処法

更新日:2016/12/09 公開日:2016/05/23

赤ちゃんの窒息・誤飲

子供が誤飲した場合は、適切な処置を施す必要があります。応急処置で吐かせるのか、吐かせる前に受診した方がよいのか、誤飲した物によって異なります。ドクター監修の記事で、誤飲した場合の対処法を誤飲物別に紹介していきます。

子供が何を誤飲したのかによって対処法が異なります。事態を悪化させないためにも、それぞれの対処法を知っておきましょう。

誤飲した場合まずは症状、状態を確認する

子供が誤飲したら、まずはその症状を確認しましょう。急に咳きこみ始め、息苦しそうに、顔色が悪いなどの症状がある場合は、窒息を起こしかけている可能性があります。口の中を確認して、奥まで入っていなく異物が見える場合は、体を横向きにし、口の中に人指し指を入れ、頬の内側に沿わせ、奥にある異物を掻き出しましょう。

次にケース別に応じてご紹介していきます。

おもちゃを誤飲した場合の対処法

おもちゃを誤飲した場合は、まず子供をうつ伏せにします。そして、下向きに抱えて背中を叩きましょう。呼吸をしていない、異物が出てこない場合は、救急車を呼びます。また、呼吸困難や咳きこむといった症状が表れた場合、異物が気管に入っている可能性があり、数日後に呼吸障害を起こす場合もあるためすぐに受診しましょう。

ピーナッツを誤飲した場合の対処法

もっとも重大な事態となりやすいのが、ピーナッツの誤嚥(ごえん)です。ピーナッツは、硬くて表面が滑らかであるため、気道に入りやすいのです。そのうえ、ピーナッツから出る脂肪酸が原因で、肺炎を起こして呼吸困難になったり、ピーナッツが少しずつ膨らんで気管を塞ぎ、それによって窒息することもあります。さらに、ピーナッツはレントゲンに写らないため、医師が気づかない可能性もあります。診断が出た後は、全身麻酔で気管支鏡を用いてピーナッツを取り除きます。ピーナッツの欠片が肺の奥に入ってしまった場合は、取り除けずに肺を部分的に切除して対処する場合もあります。3~5歳以下の子供には、ピーナッツは与えない方が安全でしょう。また、遊びながらピーナッツを食べるのは非常に危険なので、絶対に止めてください。

タバコを誤飲した場合の対処法

タバコは毒性が強く、子供の場合の致死量はタバコ半分~1本です。特にニコチンが溶け出している水を飲んだ場合は、体に吸収されるまでが早いため、少しでも早く適切な処置が必要になります。タバコを吐かせることは、ニコチンなどが体に吸収するのを少しでも減らすことができるので、有効な処置だと言えます。ただし、牛乳など飲料を飲ませると、逆に吸収率を高めて症状を悪化させる恐れがあるため避けましょう。水に浸かっていたタバコを食べたり、その水を飲んでしまった場合は、すぐに受診しましょう。また、2cm未満の乾いたタバコを食べた場合や、誤飲したタバコのほとんどを吐いた場合は、そのまま4~5時間ほど、様子を見ましょう。その際には、顔色の変化や吐き気などに注意してください。

灯油やガソリンを誤飲した場合の対処法

灯油やガソリンもタバコと同様に危険性が高いため、誤飲した場合はすぐに受診してください。しかし、タバコとは逆に吐かせてはいけません。吐いた際に気道内に誤嚥する可能性が高いためです。

薬品を誤飲した場合の対処法

次の薬品を誤飲した場合は、すぐに受診しましょう。

  • マニキュア液・マニキュア除光液
  • ネズミ駆除剤
  • 手造り石けんなどの材料として使用する苛性ソーダ
  • ウジ駆除用の殺虫剤
  • ペースト・クリーム・泡・スプレーの脱毛剤と除毛剤

マニキュア液は3ml、除光液は1mlでも飲んだ場合は、吐かさずにすぐに受診が必要です。気化した蒸気を吸引した場合は、新鮮な空気を吸わせて、そのまま様子を見ます。

風邪薬や睡眠薬、ビタミン剤などは、口の中に残っている薬を指でぬぐい取り、水や牛乳を飲ませて吐かせましょう。そして、散らばっている薬や吐いたものを医師に見せます。

食べた量によって対処法が異なる薬品類

ナフタリン・しょうのう

舐めただけの場合は、水を飲ませて様子を見ます。この時、牛乳を飲ませてはいけません。少しでも食べた場合は、すぐに受診しましょう。

化粧品のクリーム

少量であれば水分をとらせて様子を見ます。大量に食べた場合は受診が必要です。

石けん

少量であれば、水や牛乳を飲ませて様子を見ます。嘔吐やのどの痛みなどの症状がある場合は、受診が必要です。また、大量に食べた場合は、吐かせてから受診しましょう。

少量であれば心配が少ない物

次の物は、少量であれば心配が少ないです。ただし、気道に詰まっていない場合や、子供の様子に変化が無い場合に限ります。異常があれば受診しましょう。

  • クレヨン
  • 石けん
  • 化粧品
  • 絵具
  • シャンプー
  • シャボン玉
  • 墨汁
  • 線香
  • シリカゲル
  • 粘土

尖った物は吐かせないこと

尖った物を誤飲した場合、吐かさずに受診しましょう。無理に吐かせると胃や食道を傷つける可能性があります。また、ボタン電池は胃の粘膜を傷つける危険があるため、病院で適切な処置を受けましょう。

子供が何を誤飲したのか、まずはそれを確認することが重要です。薬に限らず、誤飲した物の種類がわかるように、容器や吐いたものは医師に見せましょう。

急いで救急車を呼ぶ必要があるケース

次のような場合に無理に吐かせると、窒息を起こしたり、肺や食道を傷つける恐れがあるため、吐かせずに早急に受診しましょう。特に1~3の場合においては、すぐに救急車を呼びましょう。

  1. 意識が無い
  2. 痙攣をおこしている
  3. ガソリンや石油など揮発性のものを飲んだ
  4. 強酸性や強アルカリ性の漂白剤やカビ取り剤などを飲んだ
  5. がびょうやホチキスの針など鋭利な物を飲んだ

誤飲した子供の意識がない場合

救急車を手配するよりも先に心肺蘇生を行う必要があります。赤ちゃん以外に2人いる場合は、1人は救急車の手配を、1人が心肺蘇生を行いましょう。

心肺蘇生は以下の手順で行います。

(1)気道を確保する

固い床に仰向けに寝かせ、頭を後ろに反らせて下あごを持ち上げます。口に詰まっているものは掻き出します。このときに、子供の体を強く揺さぶったり、顔を叩くなどしてはいけません。

(2)人工呼吸を行う

呼吸をしていない場合は人工呼吸も行います。子供の口と鼻に同時に2回息を吹き込み、胸が上がるかも確認します。

(3)心臓マッサージを行う

人工呼吸を行っても呼吸が戻らない場合は心臓マッサージを行います。子供の左右の乳首を結ぶラインより指1本分下あたりに中指と人差し指の2本を置き、胸の厚さの1/3程度沈むまで、1分間に100回の速度で30回行います。

誤飲した子供の意識がなく、呼吸もしていない場合、救急車が来るまでに適切な処置をするかどうかで生存率が変わります。子供を救うためにも、処置の方法を知っておきましょう。

誤飲した際の対処法についてまとめ

赤ちゃんや子供が異物を誤飲した場合、一刻も早く適切に対処する必要があります。あらかじめ、対処法を知っているかどうかで赤ちゃんや子供の命を守れるかどうかが決まると言っても過言ではないでしょう。