妊娠中に行われる羊水検査のやり方、羊水検査でわかること

更新日:2016/12/09 公開日:2016/05/23

妊娠中の検査・健診

赤ちゃんを守り育てる羊水を採取して調べることで、染色体異常を調べることができます。しかし、完全に安全な検査という訳ではなく、リスクもともなう検査です。羊水検査とはどんな検査なのか、ドクター監修のもと解説します。

染色体異常を調べることができる羊水検査の方法と、そのリスクについて知っておきましょう。

羊水検査の目的

羊水には、胎児の皮膚や粘膜などの細胞が混じっています。これらの細胞に含まれる染色体を調べることで、ダウン症などの染色体異常を発見することができます。羊水検査は、染色体異常を確定的に診断できる数少ない検査のひとつです。

羊水の採取法「羊水穿刺」

おなかの表面から子宮の中へ、極めて細い針を貫通させ、針の中を通して羊水を15~20mlくらい採取します。胎児を傷つけないようにするため、超音波エコー検査で子宮内部を観察しながら行います。

穿刺(せんし)にかかる時間は15~20秒と短時間ですが、筋肉注射と同じぐらいの痛みをともなう検査なので、穿刺する前に局所麻酔します。採取した羊水中の細胞は少ないので、3週間ほど培養して細胞を増やしてから染色体を調べます。高齢出産や遺伝的リスクを抱える妊婦さんを中心に行われており、日本では100人に1人の割合で羊水検査が行われています。

羊水検査でわかる染色体異常

染色体は、常染色体の23対46本と性染色体の2本からなります。染色体の異常とは、通常は1対2本のところ1本だったり3本だったり、あるいは一部が欠損していたり、向きが逆になっていたりすることです。染色体は、人の身体を作る設計図の役割をするため、染色体に異常があると、赤ちゃんにさまざまな病気が起こるリスクがあります。

染色体異常で起こる障害

生まれてくる染色体異常でもっとも多いのが、21番目の染色体が3本ある「21トリソミー」が原因で起こる「ダウン症」です。発育・知能障害などを起こし、根本的な治療法はまだありませんが、同じダウン症であっても、心臓や内臓などの合併症の程度によって将来的な健康状態が変わってきます。検査前に必ずカウンセリングを受け、検査の意味や目的について十分納得した上で検査を受けるようにしましょう。万一予期せぬ結果が出たときにどのような心構えをしたらよいのかをよく考えたうえで、検査を受けることが大切です。他にも、18番や13番目の染色体異常などもありますが、染色体異常の多くは自然流産や死産、生まれてきても寿命が短いことが多いです。一般的に、染色体番号が小さいほど、赤ちゃんに重度の障害が出る傾向があります。

羊水検査のリスク

羊水検査は完全に安全ではなく、検査後に胎児が流産する可能性が約0.3%(1000人中3人)程度あります。必ずしも検査が直接的な原因となっているとは限りませんが、間接的になんらかの影響を及ぼしています。また、羊水検査を受けても、診断がつかないケースが約1.5%(1000人中15人)あることや、羊水検査の結果で染色体異常がないと分かっても後で病気を持っていることが分かるケースもあるため、羊水検査で全てがわかる訳ではありません。

羊水検査は、精神的、肉体的にも負担の大きい検査です。医師や家族とよく相談し、リスクについても納得した上での検査をおすすめします。