全身性エリテマトーデスの治療法には、どんなものがある?

更新日:2016/12/09 公開日:2016/06/25

全身性エリテマトーデスの検査・治療法

全身性エリテマトーデス(SLE)の治療では、主に副腎皮質ステロイド剤が使われますが、症状の度合いによって薬の量や服用期間などが異なります。ここでは、2015年7月に認可された新しい治療薬なども含め、SLEの治療法について詳しく解説します。

全身性エリテマトーデスは、症状の程度などによって治療法が異なります。現在、行われている治療法について解説します。

全身性エリテマトーデスは内服薬での治療が主

全身性エリテマトーデス(SLE)は、主に内服薬で治療します。全身に起きる炎症を抑えるために用いるのは非ステロイド剤をはじめ、副腎皮質ステロイド剤や免疫抑制剤などの「抗炎症薬」です。このうち、発熱や筋肉痛、関節炎などが軽度の場合には、非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)で症状の軽減を図ります。

副腎皮質ステロイド剤による治療

現在、SLE治療の主体となっているのは、副腎皮質ステロイド剤による治療です。ステロイド剤で治療をした場合に現れる病態や副作用に応じて、免疫抑制剤を併用することもあります。

副腎皮質ステロイド剤は、症状の程度や進み具合などに応じて服用量を決め、約2週間~1か月ほど継続して服用します。1日の服用量としては、軽症の場合は15~30mg、中程度では30~40mg、重症になると60~80mgとなります。

服薬を開始した後、症状や検査結果などで改善が見られた場合は徐々に減量し、一定量を長期的に飲み続けるのが一般的です。ただし、症状の改善が見られない、あるいは薬の減量後に病気が再燃してしまった場合は薬の増量が必要になります。

増量しても症状が改善しない場合は、ステロイドのパルス療法(1gのステロイドを3日間連続で点滴する治療を何回か行う)やシクロホスファミド、ミコフェノール酸モフェチル、タクロリムスなどの免疫抑制剤を併用することがあります。また、重症度によって薬の量だけでなく、服用期間にも違いがみられます。

新しい治療薬の登場

副腎皮質ステロイド剤のほかに、SLEの皮膚炎や関節炎などに効果のある新しい治療薬が登場しています。免疫を抑える薬として、海外では以前より効果が認められていたものの日本では認可が下りなかった「ヒドロキシクロロキン」です。2015年7月にようやく日本でも承認され、SLEの治療薬として使うことが可能となりました。

全身性エリテマトーデスの治療による副作用

SLEの治療に用いるステロイド剤を長期に服用すると、高血圧や糖尿病、骨粗鬆症、あるいは食欲増進による肥満、緑内障による視力低下などの副作用が出ることがあります。特に注意したいのは、SLEの死因としてもっとも多いとされる感染症です。ステロイド剤を使用することによって免疫の働きを抑えてしまうため、ウイルスや細菌への抵抗力が弱まり、通常であれば問題にならないような軽い感染症でも重篤な事態に陥りやすくなります。

以上のようなことから、SLEを治療するためには医師の指示通りに服薬するとともに、紫外線や身体の冷え、風邪などへの予防対策をしっかり行うなど日頃のケアも非常に大切です。