急激に症状が変化する「劇症型心筋炎」とは

更新日:2017/03/22 公開日:2016/06/22

心筋炎の基礎知識

劇症型心筋炎は、急激に症状が悪化し、命にかかわる危険な症状に陥ることが多い病気です。しかし、近年、治療技術の進歩により致死率が低くなってきているのも事実です。ドクター監修の記事で、劇症型心筋炎を詳しく解説します。

心筋炎には、慢性・急性・劇症型・拡張型類似型という分類をすることがあります。ここでは、劇症型心筋炎について解説します。

劇症型心筋炎とは

劇症型心筋炎は、もっとも多い急性心筋炎の中でも、急激な症状の悪化をし、全身の血液循環が維持できなくなります。しかし、急に症状が悪化するかどうかを早期に予測することは難しいといわれています。急性心筋炎から劇症型心筋炎に発展する割合も明らかにはなっていません。

劇症型心筋炎の症状

発熱をともなう風邪のような症状や、嘔吐・下痢などの消化器症状など、軽い初期症状で始まります。ときには、数時間で急激に症状が悪化し、重症心不全、ショック、致死性不整脈などを引き起こします。薬物治療だけではおさまらず、血液の循環を促すために、体外から心臓の働きを補助する「体外補助循環装置」などが必要となります。

劇症型心筋炎の救命について

これまで、劇症型心筋炎は治療法がなく、死に至ることが多くありました。そのため、「救命不可能な心筋炎」といわれてきたほどです。しかし、近年では、体外補助循環装置(IABPやPCPS、LVASなど)を用いて救命できるようになり、致死率は50%ほどに下がっています。

ただし、急激に悪化して重篤な状態に陥ることから、すぐれた技術を駆使しても救命できないケースも少なくありません。普段から、かかりつけ医を決めておき、心あたりのある症状がでたときは、早期に受診をしましょう。