男性の半分が一度はなる?前立腺炎とは

更新日:2016/12/09

前立腺炎の基礎知識

前立腺炎、男性器のひとつである前立腺に炎症が起きた状態で、男性のおよそ半数は、一生に一度は前立腺炎になるともいわれています。前立腺炎の詳しい概要や分類別の症状、特徴について、ドクター監修の記事で詳しく解説します。

前立腺炎は男性器のひとつである前立腺に起こる炎症のひとつで、全男性の半数は、一度はかかるといわれています。前立腺炎は、大きく「急性細菌性前立腺炎」「慢性細菌性前立腺炎」「慢性非細菌性前立腺炎」「無症候性炎症性前立腺炎」に分類されます。

ここでは、前立腺炎の概要と、分類別のそれぞれの症状、特徴をまとめて解説します。

前立腺炎とは

前立腺は男性の性器のひとつで、精子が尿路へ合流する場所で、精液の一部をつくっているところです。膀胱の出口に、尿道を取り囲むように存在しており、射精と排尿の調節を行っています。

前立腺炎は、その名の通り前立腺に炎症が起きるもので、前立腺がんや前立腺肥大症と比べ、若い人に多く見られます。発症頻度は、男性の半数ほどが一生に一度は前立腺炎になるという報告もあり、男性には身近な病気であると言えます。

前立腺炎には急性と慢性の病態があり、急性前立腺の多くは適切な治療を行うことで治癒しますが、一部は慢性前立腺炎となり治療に難渋することがあります。

前立腺炎の原因

前立腺炎は、原因から細菌性と非細菌性に分けられます。細菌性の前立腺炎では先に尿路が感染し、二次的に前立腺に感染するケースがほとんどです。大腸菌などの細菌に感染して炎症を起こすほか、性行為によるクラミジア・淋菌感染によるものもあります。菌が証明されない非細菌性の前立腺炎も多く、慢性的な前立腺の炎症である慢性前立腺炎の場合、そのおよそ9割は非細菌性のものであるとされています。

詳しくは『前立腺炎の原因』をご覧ください。

前立腺炎の症状

会陰部や骨盤部、下腹部の痛みや違和感のほか、排尿困難感・排尿痛や残尿感といった排尿症状が見られることも多くあります。睾丸の痛みや不快感が起こるケースでは前立腺炎に精巣上体炎を合併している可能性があります。

症状の現れ方は急性、慢性によっても異なり、急性の方が、症状が激しい傾向にあります。また、症状がまったく出ない無症候性のものもあります。

詳しくは『前立腺炎の症状』をご覧ください。

分類別に見る前立腺炎の特徴

前立腺炎は、大きく急性細菌性前立腺炎、慢性細菌性前立腺炎、慢性非細菌性前立腺炎、無症候性炎症性前立腺炎に分けられています。分類別にそれぞれの特徴を解説します。

急性細菌性前立腺炎

大腸菌などの細菌が原因で起こる急性の前立腺炎です。細菌が尿道や血管、リンパ管を通って感染すると考えられています。発熱や悪寒、倦怠感、筋肉痛といった風邪に似た症状のほか、頻尿や排尿痛、排尿困難感、残尿感などが生じます。前立腺が激しく痛み、腫れてぶよぶよするか、もしくは硬くなります。重症になると全身への細菌感染へと移行し命の危険を伴う状態(敗血症)となることもあります。

性感染症の原因となるクラミジアなどが原因の場合、自覚症状がみられることはほとんどありません。この場合には精液に膿(うみ)や血液が混ざることや、排尿時の不快感を伴うことがあります。

詳しくは『前立腺炎の中でも症状が強い急性前立腺炎とは』をご覧ください。

慢性細菌性前立腺炎

ブドウ球菌や大腸菌、緑膿菌をはじめとした細菌により起こります。急性前立腺炎が慢性化するケースと、急性の症状がなく最初の診断時から慢性的な経過をたどるケースがあります。ただし、慢性前立腺炎のうち慢性細菌性前立腺炎の割合は10%程度です。

症状は急性前立腺炎よりも軽いことが多いです。

詳しくは『急性とどう違う?慢性前立腺炎(慢性細菌性前立腺炎)とは』をご覧ください。

慢性非細菌性前立腺炎

慢性前立腺炎の中でも細菌が検出されないものを慢性非細菌性前立腺炎と言います。慢性前立腺炎の9割以上が非細菌性です。検査で発見できない細菌やクラミジアなどの菌が原因となっている炎症性のタイプと、炎症がみられないタイプがあります。

ほかにも、前立腺炎の結石や尿の逆流、前立腺液の浸潤、骨盤内のうっ血や長時間のデスクワークや冷えなどといった生活習慣が原因として考えられていますが、今のところはっきりとわかっていません。心理的な要因も関係しているといわれています。

詳しくは『慢性前立腺炎の9割を占める慢性非細菌性前立腺炎とは』をご覧ください。

無症候性炎症性前立腺炎

症状がまったくみられず、偶然発見される前立腺炎をさします。ほかの前立腺の病気の手術や前立腺の生検の際に見つかることが多くなっています。