慢性前立腺炎(慢性細菌性前立腺炎)の概要と治療法について

更新日:2017/03/17 公開日:2016/06/17

慢性前立腺炎

細菌感染によって起こる前立腺炎には、急性と慢性の2種類があります。慢性のものは慢性前立腺炎(慢性細菌性前立腺炎)と呼ばれ、症状の現れ方が急性と異なります。慢性前立腺炎の原因や症状、治療法をドクター監修の記事で解説します。

慢性前立腺炎(慢性細菌性前立腺炎)は、同じ細菌性でも急性細菌性前立腺炎とは症状の現れ方が異なります。慢性細菌性前立腺炎の原因や症状、治療法について解説します。

慢性細菌性前立腺炎とは

ブドウ球菌や大腸菌などの細菌が尿道から前立腺に侵入して炎症が起こる細菌性前立腺炎には、急性と慢性の2種類があります。さらに、慢性細菌性前立腺炎には急性の前立腺炎が繰り返し発症しながら慢性化したものと、診断時にはすでに慢性化しているものがあります。

前立腺マッサージをした後の尿を顕微鏡で検査して白血球数の増加と細菌の存在が認められる場合に、慢性細菌性前立腺炎と診断されます。慢性の前立腺炎の中でも細菌性のものはまれで、慢性前立腺炎全体のうちの1割ほどです。

慢性細菌性前立腺炎の原因

慢性細菌性前立腺炎の原因となる主な細菌は、ブドウ球菌や大腸菌、緑膿菌、クレブシエラ、プロテウスなどです。クラミジアによって起こることもあります。

ただし、細菌がどのように前立腺に侵入して感染するかは明確にわかっていません。慢性の場合、抗生物質で退治しきれなかった細菌が潜伏していた可能性も考えられます。

非細菌性の前立腺炎

前立腺炎の場合、検査で炎症の原因となる細菌が発見されるか否かによって「細菌性」と「非細菌性」に分けられます。慢性前立腺炎の発症ケースの9割以上が非細菌性です。

しかし、「細菌が原因ではない」前立腺炎の原因は現在でも解明されておらず、治療も対症療法が一般的です。

慢性細菌性前立腺炎の症状

慢性細菌性前立腺炎の症状はあまり強くありません。急性前立腺炎よりも症状が軽い傾向があります。痛みも基本的に強くなく、熱も微熱~38度以下程度です。そして、軽い膀胱炎や前立腺肥大のような症状が現れます。精液に膿(うみ)や血液が混ざることもあるでしょう。

慢性細菌性前立腺炎の治療

急性前立腺炎から慢性化した場合も、最初から慢性の前立腺炎の場合も、どちらも細菌が原因で発症しているため抗生剤を使った治療が行われます。フルオロキノロン系などの抗生剤の内服を4~6週間続けます。植物製剤抗炎症薬や筋弛緩剤α-アドレナリン遮断薬が使われるときもあります。また、座った姿勢で腰から下だけ入浴する温座浴をはじめとした温熱療法も行われます。

日常生活では、アルコールや刺激物の摂取を控えることや、自転車・バイクの運転を避けること、長時間の座ったままの姿勢は控えることなども重要です。

慢性非細菌性前立腺炎の治療

非細菌性の前立腺炎の治療は対症療法が一般的です。

しかし、細菌が原因ではない前立腺炎の場合にも抗生物質の投与により症状が軽減することがあります。これは、検査で見つけることのできなかった(検査で検知できない量の)細菌に薬が効いているためと考えられています。このため、非細菌性の場合でも抗生物質を用いた治療は行われます。

また、消炎鎮痛剤や前立腺マッサージ、温座浴で症状が緩和されることもあります。

さらに非細菌性前立腺炎が認められた場合、精神的肉体的ストレスが原因として疑われる場合もあります。そのようなときは、心療内科や神経科、精神科の受診も検討されます。

慢性前立腺炎の治療は気長にしっかり取り組もう!

慢性細菌性前立腺炎は、急性細菌性前立腺炎よりも完治までに時間がかかります。人によっては、治療を数か月続けなければならないこともあります。できるだけ早く治すためにも、ドクターの指導をしっかり守って治療に取り組みましょう。

ヘルスケア大学へのご意見・ご感想

このページはお役に立ちましたか?
皆様のご意見・ご感想をお聞かせ下さい。

※いただいたご意見・ご感想に対してのお返事は差し上げておりません。

公式アプリ

fem.
fem.

毎日1つ。ドクター監修の簡単ヘルスケア・ビューティー習慣!