慢性前立腺炎の9割を占める慢性非細菌性前立腺炎とは

更新日:2016/12/09 公開日:2016/06/17

慢性前立腺炎

慢性非細菌性前立腺炎の原因や症状、治療法についてドクター監修の記事でお伝えします。慢性前立腺炎のおよそ9割を占める慢性非細菌性前立腺炎は、どのような特徴のある病気なのか正しく理解しておくとよいでしょう。

慢性の前立腺炎には、細菌が原因となる細菌性と、細菌が検出されない非細菌性があり、慢性前立腺炎の多くは非細菌性といわれています。発症頻度の高い慢性非細菌性前立腺炎とはどのようなものか、詳しく解説します。

慢性非細菌性前立腺炎とは

慢性前立腺炎は、慢性的な前立腺の炎症によってさまざまな症状が起こるものです。慢性前立腺炎のおよそ9割を占めているのが、慢性非細菌性前立腺炎です。細菌性の慢性前立腺炎では、検査で大腸菌などの原因菌が検出されますが、こういった原因菌が検出されなければ非細菌性と診断されます。

慢性非細菌性前立腺炎の原因

慢性非細菌性前立腺炎を引き起こす原因は、はっきりとわかっていません。慢性非細菌性前立腺炎の治療には抗生物質が有効な場合もあり、細菌が原因であるともいわれていますが、一般的な細菌は検出されないことが多いです。

慢性非細菌性前立腺炎は慢性骨盤痛の一部として理解されており、

  • 尿路・前立腺の原因(前立腺の結石や尿の逆流、骨盤内のうっ血など)
  • 精神的原因(ストレスなど)、感染
  • 神経的原因(繰り返す炎症・痛みによる神経の伝達の障害)
  • 筋・筋膜的原因(骨盤内の筋肉の過緊張など)

といった様々な原因が複雑に合わさることで、症状が出現している可能性が考えられています。そのため治療も一定のものが存在せず、個人個人に合わせた治療が必要となります。

慢性非細菌性前立腺炎の症状

主な症状として、排尿困難やさまざまな痛みがあげられます。痛みが出る場所は会陰部(肛門の前あたり)や下腹部、鼠径部(太もものつけ根あたり)などさまざまで、痛む程度も人により異なります。ムズムズするなどなんとなく違和感がある程度の人もいれば、座っていられないほどの痛みが出る人もいます。

症状は必ずしも常に続くわけではなく、出たり消えたりするのが慢性非細菌性前立腺炎の特徴と言えるでしょう。治療しなくても自然に治るケースもあります。

慢性非細菌性前立腺炎の治療

次のように、薬物療法や物理療法、手術療法などが行われます。

薬物療法

細菌に感染している可能性が考えられる場合には、抗生物質を用いることがあります。痛み止めや筋弛緩剤、精神安定剤、抗不安剤、抗うつ剤、排尿改善剤、漢方製剤が組み合わせて使われる場合もあります。

物理療法

前立腺を温める治療が行われます。座浴で体を温めるような治療法や、医療機器を使って直腸から前立腺を温める方法もあります。

手術療法

特に痛みが激しい場合には、最終手段として手術を行うことがあります。基本的には、将来的に子供をつくる予定のない高齢者などが対象です。手術では、尿道から内視鏡を入れて前立腺を削り取っていきます。

行動療法

前立腺の痛みを増強するような習慣を避けるようにします。具体的にはアルコール・刺激物の摂取を避ける、自転車・バイクの運転を避ける、長時間にわたり座らないようにする・排便時にきばらないようにする、ストレスを回避するなどです。

このほか、ストレスなどの心理的な要因の可能性がある場合は、心療内科や精神科、神経科などでの治療も考慮されます。