肥厚性幽門狭窄症(ひこうせいゆうもんきょうさくしょう)の症状について

更新日:2016/12/09

肥厚性幽門狭窄症の基礎知識

肥厚性幽門狭窄症(ひこうせいゆうもんきょうさくしょう)は、嘔吐をくりかえすことが特徴ですが、赤ちゃんがミルクを吐くこと自体は珍しいことではありません。ここでは、肥厚性幽門狭窄症の症状について、ドクター監修のもと、紹介します。

肥厚性幽門狭窄症(ひこうせいゆうもんきょうさくしょう)はくりかえす大量の嘔吐により、さまざまな症状を引き起こします。赤ちゃんのすこやかな成長のためには、重症化する前に異変に気づき、少しでも早く適切な治療を受けられるようにすることが大切です。ここでは、肥厚性幽門狭窄症の特徴的な症状について、整理していきましょう。

肥厚性幽門狭窄症の嘔吐の特徴

肥厚性幽門狭窄症(ひこうせいゆうもんきょうさくしょう)の症状は、生まれてすぐではなく、生後2~3週たったころからあらわれます。最初のうちは、口からミルクがたらたらと流れ出る程度なのですが、徐々に嘔吐の回数や量が増え、やがて噴水のようにピューッと激しく吐き戻すようになるため、ミルクが鼻からもでてしまうことがあります。ミルクそのものや胃液を嘔吐しますが、進行すると、コーヒーのカスのようなものを含んだ嘔吐がみられることもあります。

ミルクを飲んだ後に、一気に吐き戻しますが、吐き終わるとすぐにお腹がすいてミルクを欲しがり、飲ませるとまた勢いよく吐いてしまう、ということを繰り返します。重症化していないうちは、授乳後すぐに嘔吐することを除けば、赤ちゃんの体調は良好にも見えます。

また、胃の不快感、膨満感、しゃっくり、ゲップといった不快な症状をともない、赤ちゃんはそれをうまく言葉で表すことができないため、機嫌が悪くなることもあります。

正常なミルクの吐き戻しとの違い

そもそも生まれたばかりの赤ちゃんがミルクを吐くことは、日常的によくあることです。

特に生後3か月頃までの赤ちゃんの胃は、ふたのない徳利のようなかたちをしているため、体を少し動かしたり、ゲップをしただけでも、ミルクを吐き戻してしまうことがあります。

ゲップの拍子にコポッと吐く、あるいは溢乳(いつにゅう)といわれる口の端からタラッと垂れる程度の吐き戻しは、このような胃の形状が原因でおこる吐き戻しであり、異常ではありません。

基本的には、大量に吐いたとしても、それが授乳後毎回ではなく、赤ちゃんが元気で体重も増えていれば、問題はないと考えられます。

十分な水分、栄養が取れないことでおこるさまざまな症状

肥厚性幽門狭窄症(ひこうせいゆうもんきょうさくしょう)では、消化・吸収されないうちにミルクを吐き戻してしまうため、水分や栄養をしっかりとることができません。このため、尿量や排便回数の減少がみられます。体重もなかなか増えず、次第に痩せていき、早期に適切な治療をうけないと、出生時の体重を下回ってしまうこともあるので注意が必要です。

症状が軽いうちは、健康な赤ちゃんでもみられるミルクの吐き戻しと見分けがつきにくく、授乳のたびに噴水様に吐き戻すようになって初めて異変に気づくことも少なくありません。そのまま放置すると、胃にたまった内容物で胃拡張を引き起こす恐れもあります。

肥厚性幽門狭窄症は症状が進むほど、さまざまな弊害をもたらします。治療開始が遅れて症状が進行すると、くりかえす嘔吐により脱水を起こしたり、ナトリウムやカリウムなどのミネラルバランスの異常により体内がアルカリ性に傾くことがあります。また、黄疸がみられる場合もあります。

授乳のたびにくりかえし勢いよく大量に吐く、尿量・排便回数が減る、体重が増えないなどの異変を感じたら、医療機関を受診しましょう。