肥厚性幽門狭窄症(ひこうせいゆうもんきょうさくしょう)の診断と治療について

更新日:2016/12/16 公開日:2016/06/21

肥厚性幽門狭窄症の検査・治療法

赤ちゃんがミルクを大量に吐き戻してしまう肥厚性幽門狭窄症は、今後の成長に悪影響を及ぼす可能性があります。肥厚性幽門狭窄症の検査、診断、治療はどのように行われるのでしょうか。ドクター監修のもと、詳しく解説していきます。

肥厚性幽門狭窄症(ひこうせいゆうもんきょうさくしょう)は、治療が遅れると赤ちゃんの成長にさまざまな悪影響を及ぼします。赤ちゃんが、授乳のたびに大量に勢いよく吐き戻す場合には要注意ですので、医療機関を受診して検査をうけることをおすすめします。

肥厚性幽門狭窄症(ひこうせいゆうもんきょうさくしょう)の診断と検査

肥厚性幽門狭窄症は、生後2~3週頃にはじまる嘔吐で、比較的ゆっくり症状が進行します。嘔吐が大量で、噴水のように勢いよく吐く、授乳のたびに嘔吐をくりかえす、吐いたものに胆汁が混ざっていない(ミルクそのものや胃液を吐いている)、そして発熱がない場合には、肥厚性幽門狭窄症の可能性が疑われます。

診断方法は、触診と超音波検査(エコー)が中心です。

触診では、医師が赤ちゃんのお腹に直接ふれることによって、異変がないかを確認します。肥厚性幽門狭窄症では、お腹をさわるとオリーブの実のような小さなしこりを感じる場合があります。

超音波検査(エコー)では幽門の筋肉の厚さや、幽門の長さを測定します。幽門の筋肉が3mm以上、長さが17mm以上であることが認められれば、診断が確定します。触診やエコーで確定診断がつかない場合には、胃の造影検査や、まれに胃の内視鏡検査が必要となることもあります。

肥厚性幽門狭窄症(ひこうせいゆうもんきょうさくしょう)の治療

点滴治療

くりかえす嘔吐により脱水症状がみられたり、ミネラルバランスが崩れて体内がアルカリ性に傾いている場合があります。その状態を改善するために入院後はまず点滴治療が行われます。

外科的手術が行われる場合には点滴によりそのような状態を改善したうえで、手術をすることになります。

外科的治療

肥厚性幽門狭窄症は、手術で治すのが一般的です。幽門(ゆうもん)の筋肉に切り込みをいれて狭くなった幽門を広げる「ラムステット手術」が広く行われています。おへそに沿って切開する方法で行われることが多く、傷はほとんど目立たちません。また、最近では赤ちゃんの負担をより軽減できるよう、内視鏡を用いて行われることもあります。

手術した翌日からミルクを飲むことができ、多くは術後1週間程度で退院できます。治療成績がよく、安全性も高いとされており、世界中で行われています。

内科的治療

内科的治療では、硫酸アトロピンという薬を用いて治療します。硫酸アトロピンは、厚くなった幽門の筋肉に作用して狭くなった胃の出口を一時的に広げる効果があります。

手術に比べて体の負担は少ないのですが、治療期間が長くかかり、効果があるかどうかの判断に1~2週間を要すること、手術より治癒率がやや劣るといったデメリットがあります。また、薬で効果が得られなかった場合には、やはり手術が必要になります。

どちらの治療法を選択した場合でも、肥厚性幽門狭窄症はいったん治れば再発することはありません。

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