卵巣腫瘍の種類と現状について

更新日:2017/03/29 公開日:2016/06/23

卵巣腫瘍の基礎知識

女性の生殖器「卵巣」は、トラブルが起こっても自覚症状が乏しく、発見しにくいという特徴があります。年齢にかかわらず発生する「卵巣腫瘍」は、チェックしておきたい病気の一つです。ドクター監修の記事で、基礎知識を解説します。

そもそも「卵巣」とは、どのような臓器なのでしょうか。普段は卵巣の存在感をあまり感じていない人も、卵巣という臓器について知り、さらに、腫瘍ができる原因や種類もチェックしておきましょう。

卵巣ってどんな臓器?

卵巣は、子宮の左右に1つずつ存在する、女性特有の生殖器であり、アーモンドのように扁平な楕円形で、大きさは2~3cmほどです。胎児のもとになる卵子を育て、妊娠に備えて女性ホルモンを分泌するという役割を担っている大切な器官です。

卵巣腫瘍とは

卵巣腫瘍は、なんらかの原因で「卵巣が腫れている状態」を指します。腫瘍は卵巣の片側に発生することが多く、両側に発生することもあります。「卵巣が腫れている」といっても、自覚症状に乏しい場合が多く、子宮がん検診などで、卵巣のチェックをされて初めて気づくこともあります。

また、卵巣は年齢にかかわらず、腫瘍ができる可能性があります。若い年代では良性のことが多いのですが、高齢の場合は悪性化するリスクが高まることもあります。特に、若い頃に卵巣腫瘍が発見された場合は、定期的に検査を受けることをおすすめします。

卵巣腫瘍はできやすく種類も多い

卵巣は他の臓器と比べて細胞分裂が激しいために異常が起きやすく、腫瘍もできやすいといわれています。

卵巣腫瘍の種類は非常に多く、発生原因も多岐にわたります。

発生起源からの分類では、「表層上皮性・間質性腫瘍」、「性索(せいさく)間質性腫瘍」、「胚細胞腫瘍」などに大別されます。

さらに臨床経過から、それぞれの腫瘍に「良性」、「悪性」、「境界悪性(良性と悪性の中間的なもの)」の3つのタイプがあります。

機能性のう腫

排卵日の頃に腫れ、自然に消失するという一時的なもので心配はいりません。

単純性のう腫

丸い袋のように見える良性ののう腫で、中には水が入っています。5~6cmまでの小さなものだと手術は不要ですが、定期的な経過観察は必要です。

皮様(ひよう)のう腫

良性ですが、毛髪や歯、脂肪などができる腫瘍。小さいと無症状ですが、大きくなると下腹部に不快感や痛みを覚えます。経過観察が必要で、最終的には手術が必要になることもあります。両方の卵巣にできたり、再発したりすることもあります。

チョコレート嚢腫

卵巣チョコレート嚢腫から発症した卵巣がんには抗がん剤の効果があらわれにくいということもあります。卵巣がんは悪化するほど治療が難しくなるので、早期発見・早期治療を心がけましょう。

ほとんどの卵巣腫瘍は良性

卵巣腫瘍の約90%は良性の腫瘍で、約10%が悪性とされ、形態的には「のう胞性腫瘍」と「充実性腫瘍」の2種類に分けられます。

約80%を占める「のう胞性腫瘍」は、ほぼ良性で卵巣内に液体や脂肪がたまり、触ると軟らかく、一般には「卵巣のう腫」といわれています。

残りの約20%は、触ると硬いコブのような特徴を持つ「充実性腫瘍」で、そのうち75〜80%ほどが悪性または境界悪性腫瘍のことが多く、注意を要します。

卵巣腫瘍の大半が良性とはいえ、下腹部を触って硬いしこりを感じる場合は、病状がかなり進行している場合があります。自分で気づいたら、すみやかに専門医に診てもらいましょう。