卵巣腫瘍の治療について

更新日:2016/12/09 公開日:2016/06/23

卵巣腫瘍の検査・治療法

検査の結果、卵巣腫瘍と診断されたら、腫瘍の大きさや種類などによって、外科手術が必要になる場合も出てきます。どんなケースにどんな治療法が行われるのか、ドクター監修の記事で解説します。

卵巣腫瘍の治療は手術が原則です。腫瘍のタイプや状態、将来的に妊娠を望むか否かによっても、治療法が変わります。

良性腫瘍の場合

卵巣腫瘍は、良性・悪性にかかわらず、手術で腫瘍を摘出するのが原則です。しかし、腫瘍が直径5cm以下で、なおかつ画像診断で良性と診断できる場合には、3~6か月ごとに検診を行い、経過観察することもあります。

良性と診断され、腫瘍が直径10cm以内であれば、身体への負担が少ない腹腔鏡(ふくくうきょう)での腫瘍摘出術が可能です。

また、手術の術式は、将来の妊娠を希望するかどうかでも異なります。

妊娠を希望する場合は、腫瘍のみを摘出し、できるだけ健全な卵巣を残す「卵巣腫瘍摘出術」が選択されることが多いです。または、腫瘍が大きい場合や健全な卵巣がほとんどなく残せない場合は、腫瘍のある側の卵巣と卵管を切除する「片側付属器摘出術」を行います。片方の卵巣が残っていれば、妊娠は可能です。

妊娠を希望しない場合は、腫瘍のある卵巣と卵管を摘出する「片側付属器摘出術」を行います。

境界悪性腫瘍の場合

境界悪性腫瘍の場合は、「子宮全摘術、両側付属器摘出術、大網(たいもう:胃と大腸の間の膜)切除術」が基本となります。

腫瘍が片側の卵巣だけに限られ、将来の妊娠を希望する場合は、腫瘍のある方の「片側付属器摘出術」を考慮します。

両側の卵巣に腫瘍が存在しているケースや腫瘍が破裂しているケース、卵巣外まで進展しているケースでは、「子宮全摘術、両側付属器摘出術」を行うのが原則です。

悪性腫瘍の場合

卵巣に発生する悪性腫瘍には20種類以上ありますが、初期はいずれも無症状のことが多く、進行した状態で発見されることも多いため、予後は子宮がんよりも不良であるといわれています。悪性腫瘍の場合、主に外科的手術と化学療法を組み合わせた治療が行われます。

外科的手術は、組織型の確定と病期の決定を目的として行われます。原則として「子宮全摘術、両側付属器摘出術」を行い、必要に応じて周辺のリンパ節をすべてとる「骨盤リンパ節郭清(かくせい)」も行われます。

化学療法には、病期や残った腫瘍の有無により、プラチナ製剤やタキサン製剤などの抗がん剤を術前や術後に追加して行います。

治療の詳細は、『切開しないとダメ!?卵巣がんの治療とは』をご参照ください

卵巣は腫瘍ができやすく、症状が乏しい「沈黙の臓器」と呼ばれています。それだけに、婦人科系の病気の中でも死亡率が高い病気です。少しでも卵巣腫瘍が疑わしい場合は、できるだけ早く病院に行き、医師の診察を受けるようにしてください。

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