メニエール病の原因はストレス?症状や治療方法も

更新日:2017/03/21 公開日:2016/06/26

メニエール病の基礎知識

メニエール病を引き起こす「内リンパ水腫」の原因やメカニズムについて、ドクター監修のもと解説します。また、メニエール病の代表的な症状であるめまいや聴覚障害の表れ方、治療についても解説しています。

目の前がぐるぐる回るようなめまいや聴覚障害がくりかえし起こるメニエール病。このつらい症状の原因はいったい何なのでしょうか。メニエール病ならではの身体に現れる特徴や症状、原因について見てみましょう。

メニエール病のメカニズム

耳の構造は外側から外耳、中耳、内耳となっており、メニエール病は内耳の異常によって起こります。内耳にある蝸牛は聴覚に関わる器官であり、前庭や三半規管は平衡感覚をつかさどる器官です。

メニエール病の直接の原因は、本来一定に保たれるはずの内リンパ液の量が過剰になることで、蝸牛や前庭が腫れあがる、内リンパ水腫が起こることによります。内リンパ水腫によって蝸牛や前庭、三半規管の機能に変調が生じ、耳鳴りや難聴、耳閉感などの聴覚障害とともに、回転性のめまいが生じるのです。

メニエール病の原因

内リンパ液が過剰となって内リンパ水腫が起こる原因は、内リンパ液の生成と吸収のバランスの崩れとされていますが、はっきりとしたことはわかっていません。推測されている理由には諸説ありますが、アレルギー反応などによって、内リンパ液が過剰に生成されることや、内リンパ液の流れが滞ること、免疫異常によって内リンパ嚢(のう)での吸収が妨げられることがあげられます。このほかには、内耳の循環障害やウイルス感染のほか、遺伝性難聴ではメニエール病の発症もみられることから、遺伝子異常という説もあります。

メニエール病はストレスが原因?

メニエール病の原因となる内リンパ水腫ができる理由は明らかになっていませんが、「メニエール病はストレスによる病気」というイメージが定着しています。ストレスが関係しているという説は、ストレスや疲労、睡眠不足によって、ホルモンのバランスが崩れて、自律神経障害が起きるとするものです。

また、ストレスホルモンの影響とする説も有力視されています。ストレスホルモンの一つである抗利尿ホルモンの分泌量が、ストレスや脱水によって増えることで、内リンパの過剰な生成を促すという見方です。

メニエール病の原因に関する2つの説

内リンパ水腫によって難聴や耳鳴り、めまいが起こる原因としては、「内リンパ圧亢進(こうしん)説」と「リンパ水腫破裂説」が唱えられています。

「内リンパ圧亢進説」は、蝸牛で内リンパ水腫が起こることで、ライスネル膜という内リンパと外リンパを仕切る膜が伸びて圧力がかかり、内耳の機能に変調を及ぼすというものです。一方「リンパ水腫破裂説」は、圧力によってライスネル膜が破れ、カリウムイオンの濃度が高い内リンパが流れ出し、蝸牛神経などに影響を及ぼすという説です。

メニエール病の症状

メニエール病の症状は、まず、耳に閉塞感や「ブーブー」や「ゴーゴー」といった音の耳鳴り、軽い難聴が起こります。聴覚症状が生じた後に、突然、自分や周囲のものが回転しているかのような回転性のめまいが生じるのが特徴です。ただし、初期では無症状で1年経過するというケースもみられます。

めまいの発作は繰り返して起こり、吐き気や嘔吐を催すこともあります。初期の難聴は、軽度であればめまいとともに軽快していきますが、長期化するにつれて悪化し、持続的な症状へと変わっていきます。こうした聴覚症状をともなうめまいが起きるのが、典型的なメニエール病の症状です。

聴覚症状のみの「蝸牛型メニエール病」

蝸牛型メニエール病の症状では、めまいは生じず、耳鳴りや耳の閉塞化、難聴といった聴覚症状が起こります。内リンパ水腫が内耳全体に起こるのではなく、蝸牛で内リンパ液が過剰になって、内リンパ水腫が生じることで起こるものです。

蝸牛型メニエール病の約80%は、聴覚症状だけではなくめまいも起こるようになり、典型的なメニエール病へ移行します。蝸牛型メニエール病では、典型例への移行の可能性を含めて、経過観察を行っていくことが必要です。

蝸牛型メニエール病については『メニエール病の非典型例「蝸牛型メニエール病」とは?』で詳しく解説しています。

めまいのみの「前庭型メニエール病」

前庭型メニエール病では、めまいが主な症状であり、難聴や耳鳴り、耳の閉塞感などの聴覚症状は起こらないとされていることが大きな特徴です。もともと、片側あるいは両側の耳に難聴を併発しているケースもありますが、症状は固定しているため、めまいの発作とは連動しないことが、典型例での聴覚症状との違いとなります。

蝸牛型メニエール病と違い、前庭型メニエール病から典型的なメニエール病への移行は、20%ほどと限定的です。

前庭型メニエール病については『メニエール病の非典型例「前庭型メニエール病」とは?』で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。

メニエール病に似た症状の病気

回転性のめまいなど、メニエール病と似たような症状を引き起こす病気として、外リンパ瘻や内耳梅毒のほか、前庭神経炎や聴神経腫瘍などの中枢性の病気があげられます。

メニエール病でもめまい発作に嘔吐がともなうケースがありますが、吐き気止めを使用後も嘔吐が続く場合には、脳の病気が疑われます。

メニエール病かどうかの診断は素人には難しいので、自己判断をせずにドクターに相談しましょう。

メニエール病の検査と診断

めまいの発作が1回だけ起きた状況では、めまいをともなう突発性難聴との判別は難しい状況です。

めまいを引き起こす病気にはさまざまなものがあり、メニエール病では「めまいが反復する」ことが診断基準の一つです。めまいがくり返し起きて、問診によってメニエール病が疑われる状況になると、確定診断のための検査が行われます。

メニエール病の検査の種類

メニエール病にはさまざまな検査方法があり、症状などに応じて選択されます。

メニエール病の具体的な検査方法については『メニエール病を診断するための検査方法とは』で詳しく解説しています。

メニエール病の治療方法

薬物療法

メニエール病で内服が可能な状態のときの治療は、めまいを抑える抗めまい薬と、内リンパ水腫の改善に効果がある「イソバイド」という利尿剤の服用が中心です。抗不安薬や循環改善薬、ビタミン剤なども処方されることがあります。めまいの発作が強く、嘔吐をともなうときには、抗めまい薬が点滴で投与されます。

生活習慣の改善

メニエール病はストレスが原因とされている病気ですので、症状の改善には薬物治療だけではありません。ストレスを自覚していない患者もいるため、まずは患者自身の状態を認知し、ストレスの原因を突き止めて生活習慣を改善していくことも大切です。規則正しい生活を送り、ウォーキングや軽いジョギングなどの軽い運動をするといった生活指導が行われます。食生活では、塩分過多とならないように配慮し、栄養バランスのとれた食事をとるようにするとよいでしょう。

手術

薬物治療や生活習慣の指導によって、多くの人にはメニエール病の症状の改善がされます。しかし、症状がコントロールできず、めまいが日常生活に支障をきたす場合には手術も選択肢となります。

メニエール病の症状に心あたりがあれば耳鼻科へ

くりかえすめまいや聴覚障害の発作が特徴となるメニエール病。思い当たる方は、一度耳鼻科を受診し検査を受けてみましょう。